男性的な住宅が主流?女性的な視点から見た住宅デザインの可能性

デザインの世界には、男性的なデザインと女性的なデザインという二つの視点が存在します。

男性的なデザインの特徴としては、直線的でハードな感じ、原色の使用、直接的な表現、そしてシンメトリーな形状が挙げられます。一方、女性的なデザインは、曲線的でソフトな印象、中間色の使用、間接的な表現、そしてアンシンメトリーな形状が特徴です。

これを建築と住宅に当てはめてみると、「建築は男性的デザイン」「住宅は女性的デザイン」であることが好ましいのでは?と捉えています。

建築の話は一旦置いて、住宅について考えてみましょう。

よく「住まいは子どものために」と言われますよね。また、「住まいは、巣まい。」とも言います。『古事記』では、住まいの意味で、鳥の「巣」の字が使われているとのことです。鳥の巣を見てみると、素材は直線的ですが、それらを組み合わせると円を描く形になります。蜂の巣も同様に丸い形をしています。

一般的に、子どもと接する時間が多いのは母親であり、巣の例を見ても、女性(母)的要素が強いことがわかります。

しかし、現実には、住宅のデザインは男性的なものが多いです。

これはなぜでしょうか???

目次

住宅のデザインが男性的なものが多い理由

建築業界の男性主導

建築や住宅業界は伝統的に男性が主導的な役割を果たしてきました。その結果、男性的な視点や価値観がデザインに反映されやすい傾向があります。男性建築家が多いことも、男性的なデザインが多い一因と言えるでしょう。

男性的なデザインの普遍性

直線的でシンメトリーなデザインは、一般的に「モダン」や「洗練された」と見なされます。これらのデザインは、男性的な特性と一致しています。そのため、男性的なデザインが広く受け入れられやすいのです。

住宅購入の決定権

昔から住宅の購入は、男性に決定権があることが多いです。そのため、男性の好みや価値観が住宅デザインに反映される傾向があります。

建築教育の影響

建築系の教育でも、直線的でシンメトリーなデザインが重視されやすいことが影響していると思われます。建築の安全性や機能性を確保するための一部であり、これらの要素は男性的なデザインと一致しています。なので、そういう教育で知識や感性が標準化されている分、「女性が設計しているから」=女性的デザインとも限らないのです。

などなど、これらの要素が組み合わさることで、現在の住宅デザインが男性的なものが多いという状況が生まれていると考えられます。

女性的な視点から見た住宅デザインの可能性について考察

ただ最近では、女性的な視点や感性を取り入れることで、より多様で豊かな住宅デザインをする工務店も増えてきていますから、女性的な視点から見た住宅デザインの可能性について考察してみましょう。

感性を刺激するデザイン

女性的なデザインは、曲線的でソフトな印象を持つことが特徴です。これは、住宅空間がより包容的で、家族全員が安心して過ごせる空間を作り出す可能性を秘めています。

より包容的な空間作り

女性的なデザインは、中間色の使用や間接的な表現を特徴とします。これにより、感性を刺激する豊かなデザインが可能となり、住まい手の心地よさや満足度を高めることができます。

自然との調和

女性的なデザインは、自然の形状やパターンを取り入れやすい傾向があります。これは、自然との調和を重視するエコロジー建築やサステナブルな住宅デザインにつながります。

家族のニーズに対応

女性は一般的に、家族のニーズに敏感であり、それをデザインに反映する能力があります。これは、家族全員が快適に過ごせる住宅デザインを生み出す可能性を持っています。

新たな市場の開拓

女性的な視点からの住宅デザインは、男性的なデザインが主流の現状を打破し、新たな市場を開拓する可能性があります。これは、多様なニーズに対応した住宅デザインの需要が高まっている現代社会において、大きなビジネスチャンスとなり得ます。

以上のように、女性的な視点から見た住宅デザインは、多様で豊かな可能性を秘めています。これを活かすことで、より人間的で、より快適な住宅空間を創り出すことがしやすくなるでしょう。

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