工務店はいい家を建ててさえいれば、顧客から選ばれ、競合に勝てるのだろうか?

先日、「コトラー・カンファレンス 2013」(主催:日本マーケティング協会、日本マーケティング学会、ネスレ日本株式会社)にて、現代マーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラー氏が「マーケティングの未来:成熟市場で日本企業がとるべき8つの方法」と題して講演を行いました。

コトラー氏、低迷する日本を語る「いいものをつくれば勝てるという考えは間違っている。顧客を知ることも大切です」

工務店はいい家を建ててさえいれば、顧客から選ばれ、競合に勝てるのだろうか?
コトラー・カンファレンス 2013
目次

いま足りないのは「カスタマー」

コトラー氏は講演の中で、いま足りないものを「カスタマー」であると唱え、顧客になるだけでなく、商品やサービスにコミットしてくれる人が必要と唱えています。※コミット = かかわり合うこと。関係すること。

顧客になるだけでなく、商品やサービスにコミットしてくれる人。さらには「彼らに会社を愛してほしい」と語る。ここで「カスタマーオーナー」という考え方を紹介。これは、まるで会社のオーナーのように、その会社のために献身的な活動をしてくれる顧客を指し、購入して気に入ってくれたら他の人に勧め、製品やサービスについてのアイデアをくれる顧客のこと。「カスタマーの10%でもそうなってくれたらいい」と言う。

コトラー氏、低迷する日本を語る「いいものをつくれば勝てるという考えは間違っている。顧客を知ることも大切です」

施主の全てがそうなることは難しいですが、あなたの家づくりや設計、考え方に賛同してくれるコアな施主は、財産になります。

また、そのコアな施主がイベントを行ったり、コミュニティを作ったりと、自発的に行動できる環境をつくることで、作り手側だけの視点ではない、新しいコトが生まれます。だからこそ、施主と常に向き合うことが大事になってきますよね。

またコトラー氏は、愛される会社の条件として、下記の8つを挙げています。

  1. すべてのステークホルダーに注意を払っている。投資家やオーナーだけではなく、チームとしてみんなが働く。
  2. 経営者が会社を愛している。そして多額の報酬をもらっていない。
  3. 非常に話しやすい経営者。部下が気楽に提案できる。
  4. 社員の報酬が高い、研修期間も長い
  5. カスタマーに興味をもっている
  6. サプライヤーを重視している、買いたたいたりしない。
  7. コーポレートカルチャーがある
  8. マーケティング予算が低い
コトラー氏、低迷する日本を語る「いいものをつくれば勝てるという考えは間違っている。顧客を知ることも大切です」

施主が、その家づくり・設計・デザイン、考え方・暮らし方を、愛して協力してくれるからこそ、その家での暮らしで、どんなに自分がハッピーかを宣伝してくれます。

施主と向き合うことを続けることで、ニーズやウォンツを把握でき、マーケティング予算が低く抑えられるのです。

コトラー氏は、「日本の会社は問題の解決策はいいものをつくること、それで勝てると言いがちですが、そうではありません。やはりカスタマーについて考えるべきです」と言う。企業が提供する商品・サービスは顧客の満足、喜びにつながるものでなければならない。ブランドをしっかり確立すること。目的が明確なマーケティングを行い、世界にどのような違いをもたらしたいのかをはっきりさせること。単にお金をかせぐだけでなく、人間の生活、喜びにどう貢献できるのかを考えること。より高い目的、視点が必要だと語った。

コトラー氏、低迷する日本を語る「いいものをつくれば勝てるという考えは間違っている。顧客を知ることも大切です」

いい家、いい設計、いいデザインだけをすれば求められる、そんな時代ではなくなってきています。

個性ある住宅・設計・デザインで、施主の生活や喜びに貢献していくためには、まずは、自身の考え方に共感できる見込み客を囲い込むことから、必要になってきますね。

工務店経営者は「カスタマー」とどう向き合うべきか?

フィリップ・コトラー氏が強調したように、単に良質な製品やサービスを提供するだけではなく、顧客と深く関わることが企業の成功にとって重要です。これは工務店経営者にとっても同様です。では、具体的に工務店経営者が「カスタマー」とどう関わるべきなのでしょうか?

まず、顧客を単なる購入者としてではなく、企業の一部として見ることが重要です。コトラー氏が提唱する「カスタマーオーナー」の概念を取り入れ、顧客を企業の一部として扱うことで、彼らが工務店の家づくり(製品やサービス)に深く関与し、その成功に対して献身的になる可能性が高まります。

次に、顧客のニーズとウォンツを理解し、それに対応する家づくり(製品やサービス)を提供することが重要です。これにより、顧客が自分たちのニーズやウォンツが満たされていると感じ、工務店に対する満足度とロイヤルティを高めることができます。

また、顧客とのコミュニケーションを深めるために、イベントの開催やコミュニティの形成など、顧客が自発的に参加できる機会を提供することも重要です。これにより、顧客は工務店とのつながりを深め、工務店の家づくり(製品やサービス)に対する関心とコミットメントを高めることができます。

さらに、コトラー氏が挙げた「愛される会社」の8つの条件を参考に、工務店の運営方法を見直すことも有効です。

これらのアプローチを通じて、工務店経営者は顧客との深い関わりを築き、顧客の満足度とロイヤルティを高め、企業の成功に寄与することができます。これは、良質な製品やサービスを提供するだけではなく、顧客との深い関わりを通じて価値を提供することが、現代のビジネス環境で成功するための鍵であることを示しています。

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