集客手法やマーケティングが正しくても、全ての工務店に適しているわけではない

神奈川県内にある住宅展示場とモデルハウスでは、10月5〜20日の間、集客を目的に、モデルハウスを2棟見学すると500円相当のGポイントを付与するキャンペーンを実施するとのこと。

目次

モデルハウスの見学でGポイント付与

住宅展示場のターゲットエリアにいる潜在顧客には折込チラシを配布してキャンペーンの告知を行います。あわせて、250 万人のGポイント会員には電子メールでキャンペーンの告知を行います。
また、住宅展示場を訪れているお客様にも会場内でキャンペーンの告知を行い、複数のモデルハウス見学を促します。
Gポイントは電子メールでの送付が可能なデジタルギフトです。現場での在庫管理が不要で、かつ、キャンペーン主催企業のオペレーション負荷も低減できるため、企業のセールスプロモーションコス
トの削減を実現します。

「Gポイント×住宅展示場」の新しいO2Oソリューションが登場! モデルハウス 2 棟見学で 500 円相当のポイントがもらえるキャンペーンを開始
集客手法やマーケティングが正しくても、全ての工務店に適しているわけではない

キャンペーンサイトに事前参加登録をし、対象展示場に設置されたカードを撮影して、キャンペーンサイトに送ると、500Gポイントがもらえる仕組みです。

Gポイントで来るお客さんってどんな客?

Gポイントに魅力を感じているお客さんと、住宅展示場にある大きなモデルハウスを出しているハウスメーカーがターゲットにする客層は同じなんだろうか?

今回は「Gポイント」と「住宅展示場」がジョイントして、お互いWin-Winになるよう協力し合おうということです。ただし、ジョイントする時は、お互い共通の価値観や、共通の目的意識、共通の理念などがなければ成立しません。

  • Gポイントのお客さんってどんな人なのか?
  • 住宅展示場に見に来る人はどんな人なのか?


住宅展示場に足を運ぶ人々とGポイントの利用者とは異なるシチュエーションでの行動パターンですが、一般的な消費者行動や心理から考えると、いくつかの共通点が考えられます。

  • 情報収集が目的
    住宅展示場に来る人は新しい家を建てる際の参考情報を得たい、または具体的な家づくりのアイディアやデザインを探していることが多い。Gポイントの利用者も、購入する商品やサービスに関する情報を収集する過程でポイントを獲得することが多い。どちらも消費者として最適な選択をしたいという動機が背景にある。
  • 価値を求める心理
    住宅展示場では、コストパフォーマンスの良い家を探す人も多い。Gポイント利用者も、お得に商品やサービスを手に入れたいという心理がある。どちらも経済的な価値を追求している。
  • 将来的なプランニング
    住宅展示場を訪れる人は、将来の生活スタイルやライフプランを考えて家を選びます。Gポイントを積極的に貯める人も、将来的にポイントを使って何かを手に入れたいという計画を持っていることが考えられる。
  • ブランドや提携先の信頼
    住宅展示場で特定のハウスメーカーの家を見る人は、そのメーカーに何らかの信頼や期待を持っている。同様に、Gポイントの提携先やサービスを利用する人も、信頼しているブランドやサービスを選ぶ傾向がある。

「Gポイント×住宅展示場」・・・非常に微妙なところです・・・

モノやサービスで釣る方法は質より数を優先するやり方=無駄が多い

住宅展示場は、とにかく人を集めなければならないので、モノやサービスで釣ることに力を入れます。

例えば、健康フェスタというイベントを開催し、血圧を測定することで健康度をチェックし、その後で抽選会に参加できるという仕組みもその一つです。

血圧を測定する間に、営業マンがアプローチし、無料相談会へと誘導していました。この流れが確立されれば、無料相談会の集客は非常に効果的です。

住宅展示場のヒーローショーは60万円!?

典型的なのは、住宅展示場で行われるヒーローショー。開催するにいくらかかるかというと・・・

集客手法やマーケティングが正しくても、全ての工務店に適しているわけではない

「1日につき、30分のショー×2回で54万~60万円程度(ショースタッフ9~10名・音響スタッフ含む)が相場かと思います。これに、音響機材4万~5万円、運搬費数万円、管理スタッフ2万~3万円などが加算されます。さらに、スタッフ食事・ステージ・脇隠れテント・控室・駐車場・警備スタッフ・警備用品などはお客様のご負担となります」

ちなみに、版権元直接扱いか企画会社経由なのか、またキャラクターによって、実施金額が変わるという。人気の高いキャラクターを呼ぶのにはそれなりのお金がかかるようだ。

住宅展示場でおなじみ! キャラクターショーのウラ事情|スーモジャーナル

住宅展示場側の狙いとしては、ヒーローショーのついでや、ヒーローショーが始まるまでの待ち時間に、住宅展示場を見学してもらうということなのでしょう。そして、出店しているハウスメーカーや住宅会社は、相談会へと持っていきたいのでしょう。

「もうこの流れができれば、出展社の集客は楽勝!イベントにはお客さんが来る。来た人に見学や相談会や案内。見学や相談から、販売に繋げられる!」なんてことが理想でしょうか。


これらから学べるポイントは、集客の際には「お客様が欲しいものを先に提示する」ということ。工務店経営者として、お客様に住宅の相談をしてほしいのは当然ですが、お客様自身がそれを求めているわけではありません。そこで、まずはお客様が求める何かを提供し、その後で本来のサービスや商品を提案するのです。

マーケティング論理的には、集客の際には「お客様が欲しいものを先に提示する」ということですから、住宅展示場は、モノやサービスで釣ることに力を入れます。それがたとえ購入意思のない人を集めたとしても・・・

マーケティング論理的はそうなのだが、この方法は無駄が多いことも否めない

確かに、お客さんが欲しいものを先に出して、その後で本当に売りたいものを提案するという方法は、一見、効果的に見えます。マーケティング論理的はそうなのだが、この方法は無駄が多いことも否めないんですよね。

しかし、この方法にはいくつかの問題点や無駄があることを理解しておく必要があります。

  • コストの問題
    抽選会やイベントを開催することは、それなりのコストがかかります。景品の用意、スタッフの配置、場所の確保など、これらのコストが無料相談会の集客効果を上回るかどうかをしっかりと計算する必要があります。
  • 質の問題
    抽選会などのイベントに引き寄せられたお客さんは、本当に住宅に興味があるのか、それともただの景品目当てなのか。質の高いリードを獲得するためには、ターゲットを絞ったマーケティングが必要です。
  • ブランドイメージの問題
    無料の抽選会やイベントを頻繁に行うことで、工務店のブランドイメージが安っぽくなるリスクも考えられます。長期的なブランド価値を築くためには、どのようなプロモーションを行うかを慎重に選ぶ必要があります。
  • 持続性の問題
    一時的なイベントは、短期的な集客には効果的かもしれませんが、持続的な集客を目指す場合、継続的なコンテンツ提供やリレーションシップの構築が必要です。

工務店経営者として、新しい集客方法を取り入れる際には、その効果だけでなく、上記のようなリスクや無駄もしっかりと考慮してください。短期的な成功を追い求めるのではなく、長期的な視点での経営戦略を立てることが、持続的な成功への鍵となります。

世に出回る手法は、自社の規模や能力を考慮しなければならない理由

マーケティングの世界では、多種多様な手法が存在し、それぞれが異なる企業や市場に適用されています。しかし、これらの手法を自社に適用する際、自社の規模や能力、市場の特性を考慮することが非常に重要です。

全ての工務店に当てはまる手法は存在しない

「ワンサイズフィットオール」という言葉がありますが、マーケティングの世界ではこれが当てはまらないことが多いです。大企業に適した戦略が中小企業にも適用できるとは限りません。例えば、巨額の広告予算を投じることができる大企業と違い、中小企業では予算の制約が大きいため、より効率的でコストパフォーマンスの高い戦略が求められます。自社の規模や資源を無視して他社の成功事例を真似ると、予算オーバーになるだけでなく、期待した成果が得られない可能性が高まります。

市場のニーズと自社の強みのマッチング

成功するマーケティング戦略は、市場のニーズと自社の強みを上手く結びつけることから始まります。自社の強みを活かさないマーケティングは、競争が激しい市場での差別化を図るのが難しくなります。自社が何を得意としているのか、どのような独自の価値を提供できるのかを把握し、それを市場のニーズに合わせて展開することが肝心です。地域に根差した小規模な工務店であれば、その地域性で活きる手法が鍵となります。

予算・人材・時間の最適化と効率的な運用

限られたリソース(予算・人材・時間)を最大限に活用することは、特に中小の工務店にとって重要です。広告などに大きなお金を投資する前に、自社の予算、人材、時間などのリソースを効率的に運用できる戦略を考える必要があります。リソースを無駄に消費せず、最大限の効果を得るためには、自社の状況に合った戦略を選択することが重要です。

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