「ヒノキ神話」や「心材神話」を語る工務店が廃れる理由

ヒノキ神話とは、「ヒノキのシロアリに食われない!」的な抵抗性に関する神話です。

ただ、昔言われてた、ヒノキ神話や心材神話が崩壊していることは、研究者の間ではよく知られていることです。

「ヒノキ神話」や「心材神話」を語る工務店が廃れる理由
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ヒノキは心材でも腐朽する

ヒノキのムク材を土台に使用している住宅会社は少なくない。住宅金融支援機構の「住宅工事仕様書」や住宅性能表示制度の劣化対策等級2~3、長期優良住宅などで、防腐・防蟻処理木材と同等と見なされているからだ。

そうした常識に疑問を投げ掛ける試験結果が公表された。

下の写真は、自然の風雨に近い条件でムクのヒノキを暴露させた後、褐色腐朽菌のオオウズラタケと白色腐朽菌のカワラタケをそれぞれ付着させて、約12週間静置した試験片だ。

オオウズラタケを付着させた試験片の方は、心材の腐朽が辺材より遅れているものの、腐朽は明らかだ。カワラタケを付着させた試験片は、心材、辺材とも外観上は同じくらい腐朽している。

これに対してスギの防腐・防蟻処理木材で同じ処置を施した試験片は、オオウズラタケ、カワラタケとも腐朽の痕がほとんど見られない。

ヒノキは心材でも腐朽する

薬剤処理が良い悪いというより、長い年月で考えたら、一時の効果より、長年の状況下でもバラつきのない安定した効果を発揮するほうが良いと思っています。

単純にヒノキを使っているから安心というわけではない

昔から総ヒノキの家を建てればシロアリに食べられる心配はないと言われ続けてきたことは確かですが、この木の持つ自然防蟻効果をもたらすテルペン類を過大評価し過ぎると痛い目に遭うことは間違いありません。

シロアリも地球上に現れて実に3億年、伊達に「あの木は食べられないな」とただただ指を咥えて生きてきたわけではないんですね。

実際のところシロアリにとってのテルペン類は、たかが嫌いな成分というだけであって我慢すればいいだけの話なんですよ。

つまりは、そこに餌となるものがヒノキしかなければ普通に食べますし、それが心材であったとしても食べるときは食べます。

実際、私も調査をしている中でヒノキ住宅での被害に出会ったこともありますが、その時もやはり辺材の部分は完全に食べられ、心材部にも食い入っている場面も見てきました。

単純にヒノキを使っているから安心というわけではないのです。

シロアリの好む木材好まない木材検証してみた

ヒノキや心材は苦手ではあるが、それしかなければ食べるわけです。

それにしても、引用元の白蟻駆除をていねいに伝えるWEBメディア「白蟻専科」、良いメディアサイトですね。

「ヒノキ神話」や「心材神話」を語る工務店が廃れる理由

信頼性の喪失

最も重要なのは、これらの神話が科学的な根拠に基づいていないという事実が広く知られていることです。研究結果が公表され、ヒノキや心材がシロアリに対して絶対的な抵抗力を持っているわけではないことが明らかになっています。このような誤情報を提供することで、工務店は顧客からの信頼を失い、長期的にはビジネスにも影響を与える可能性があります。信頼性が失われた場合、それは口コミによって広まり、新規顧客の獲得が難しくなるだけでなく、既存の顧客も失う可能性が高くなります。

情報の透明性とアクセス性

今はインターネットが普及している時代です。消費者は、購入する前に製品やサービスについてよく調査します。誤った情報を提供している企業は、消費者によってすぐに見破られ、その評価は下がります。情報が透明でアクセスしやすい今の時代において、誤情報を広めることは企業イメージに大きなダメージを与え、最終的にはビジネスの成長を妨げる要因となります。

法的リスク

誤情報を提供することは、消費者に対する詐欺行為とも見なされる可能性があります。これが明らかになれば、法的な措置が取られる可能性もあり、それは企業にとって大きなリスクです。法的な問題に巻き込まれると、それだけでなく、企業の評判も大きく傷つき、ビジネスの継続が困難になる可能性もあります。

競争力の低下

他の工務店が科学的に裏付けられた方法でシロアリ対策を提供している場合、古い神話に囚われている工務店は競争力を失います。新しい、効果的な方法を採用している企業に顧客が流れていくでしょう。このような状況では、時代遅れの方法に固執することで、市場での立場が弱くなり、最終的にはビジネスが衰退する可能性が高いです。

顧客満足度の低下

最終的には、顧客が満足するかどうかがビジネスの成功を左右します。誤った情報に基づいて家を建てた顧客が後で問題に直面した場合、その顧客は二度とその工務店を利用しないでしょう。さらに、口コミによってその評判は広まり、新規顧客を獲得するのが難しくなります。顧客満足度が低いと、リピートや紹介も期待できないため、持続可能なビジネスモデルを維持することが非常に困難になります。


以上の理由から、時代遅れの「ヒノキ神話」や「心材神話」に囚われている工務店は、今後ますます厳しい状況に直面する可能性が高いです。科学的な根拠に基づいた、効果的なシロアリ対策を提供することが、今後の工務店経営においては不可欠です。それができない場合、企業としての存続が危ぶまれる時代が来るでしょう。

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