工務店の多くが、顧客となる施主の「暮らし方の価値観」を理解できない理由

少し前の雑誌ですが、女性誌『anan』(10月29日発売の2014年11月5日号)で、「いま、私たちが暮らす部屋。35m²以下、ひとり暮らし実例から学ぶ!」という特集が組まれています。

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ananでもたまに特集される暮らし系

工務店の多くが、顧客となる施主の「暮らし方の価値観」を理解できない理由
いま、私たちが暮らす部屋。

ananって、

『20代女性の好奇心に応えるウィークリーマガジン』恋愛、仕事、ファッション、美容、健康、芸能など、そんな読者の気になること、知りたいことを何でもミーハーに、かつ徹底的に調べ上げる週刊ライフスタイル誌。

というコンセプトなので、住まい系のネタはないのかと思いきや、バックナンバーを検索してみると、たまに特集しているみたいですね。

2013年6月5日号では、「リノベ生活 for Girls」という特集もありました。

工務店の多くが、顧客となる施主の「暮らし方の価値観」を理解できない理由

20代の一人暮らしの女性向けなので、さすがに「戸建て住宅」はないですね(笑)

暮らし方の価値観は、これまでの育ち方が決めている?

家を建てる時、「あんな風にしたい、こんな風にしたい」という感覚って、どこから出てくるものなのでしょうか?

それらはやはり、これまでに見たものや感じたものから作られた価値観なのだと思います。

  • 子供の頃に心地よく感じた空間や物との距離感
  • 10代の頃に心地良く感じた空間や物との距離感
  • 20代の頃に心地良く感じた空間や物との距離感・・・など。

雑誌とかWEBサイトを見て、憧れて、試してみて、住んでみて、良し悪しを感じて・・・心地よさの他には、憧れとかもあるかもしれません。加齢と共に積み重なった変化もあるでしょう。

そう考えると、こういった価値観って、かなりの訴求ポイントになりますが、共有できていなければ、理解はできないでしょうね。

工務店の多くが、施主の「暮らし方の価値観」を理解できない理由

多くの工務店のおっちゃん達が、ターゲット層の暮らし方の価値観を理解できないのには、色々理由があります。そもそも同じものを共有できていないのですから、そのままでは理解できないのは当然のことです。

1. コミュニケーションの不足

コミュニケーションの不足は、工務店が施主の価値観を理解できない最大の理由と言えます。家を建てるというのは、施主にとって一生に一度か二度の大きなイベントです。その重要性を考慮すると、施主が何を求めているのか、どのような生活を送りたいのか、細かく話を聞く必要があります。ただし、多くの工務店では、この点がしっかりと行われていない場合が多いです。

2. テンプレートに頼りすぎる

多くの工務店が提供する家は、しばしばテンプレートに基づいています。これは効率的な面もありますが、その反面、施主の個々のニーズや価値観に合わせる余地が少なくなります。テンプレートに頼ることで、施主の独自性や個性が失われてしまう可能性が高いです。

3. 価値観の多様性に対応できない

現代の価値観は非常に多様です。特に若い世代は、SNSや雑誌、ウェブサイトなど多くの情報源から影響を受けています。そのため、一口に「暮らし方の価値観」と言っても、その内容は人それぞれ異なります。この多様性に対応できない限り、施主の真のニーズを理解することは難しいでしょう。

4. 専門家としてのプライド

工務店側が長年の経験と知識で「これが一番いい」と考え、施主の意見を二の次にしてしまうこともあります。しかし、施主が求める「心地よさ」は、専門家の視点とは必ずしも一致しない場合があります。専門家としてのプライドを持つことは大切ですが、それが施主の意見を遮断する原因となってはいけません。

5. 時間とリソースの制限

十分なコミュニケーションを取るには時間とリソースが必要です。しかし、多くの工務店は、コストとスケジュールに追われてしまい、施主と深く話をする時間を割けない場合があります。このような状況では、施主の価値観を十分に理解することは難しく、結果として満足度が低くなる可能性があります。


解決策

  1. コミュニケーションを重視する
    施主とのミーティングを頻繁に行い、その価値観を理解する努力をする。これには、具体的な質問を用意したり、施主が過去に住んでいた場所や好きなデザインについても聞くことが有用です。
  2. カスタマイズの提案
    テンプレートに固執せず、施主のニーズに合わせたカスタマイズを提案する。これにより、施主が求める独自性や個性を尊重することができます。
  3. 多様な価値観に対応
    施主が影響を受けるであろう情報源を調査し、それに対応した提案をする。これには、施主のSNSのフォロー状況や、好きなブランド、趣味なども調査すると良いでしょう。
  4. 専門家としての柔軟性
    自分たちの方法が唯一ではないと認識し、施主の意見も尊重する。これには、自分たちの提案に対する施主の反応をしっかりと見ること、そしてその反応に柔軟に対応する能力が求められます。
  5. 時間とリソースの確保
    施主とのコミュニケーションに必要な時間とリソースを確保する。これには、プロジェクトのスケジュールをしっかりと管理し、施主とのコミュニケーションに割く時間を計画的に確保する必要があります。

以上のように、施主の「暮らし方の価値観」を理解するためには、多角的なアプローチと柔軟な対応が求められます。これができれば、施主との信頼関係も築けるでしょう。

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