「蔵のある家」は物をどうやって収めるかを考えてた時代の産物。工務店は収納にどう向き合ったらいいか?

ミサワホームの「蔵」って、いまだに耳にしますね。

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ミサワホームのGENIUS「蔵のある家」

ちなみに、ミサワホームのGENIUS「蔵のある家」は、1996年、業界で初めて、グッドデザイン・グランプリを受賞しています。建築物では、その後も大賞(グランプリ)は出てきていますが、住宅はこれだけですね。(2022年現在)

‘96年グッドデザイン大賞以来、’07年3月末までに36,950棟もの方々にご提供させて頂いている工業化住宅です。本商品の特徴は、1階と2階の中間に天井高1.4mの「蔵」と呼ばれる収納空間を設け、多種多様なものを収納することができます。生活空間を広々と使えるだけでなく、1階リビングの天井高を3.2mまで高くすることができ、家全体の空間にゆとりがもてます。内部のサッシ・階段・浴室等には造作材として、加工性・耐久性に優れたリサイクル素材「M-wood」を使用し、再現性の高い美しいインテリアを実現しています。お客様のご要望とより良い住空間の提案を重ね、常に進化し続けている商品です。

GENIUS 蔵のある家
「蔵のある家」は物をどうやって収めるかを考えてた時代の産物。工務店は収納にどう向き合ったらいいか?

建築基準法の「天井高1.4m以内でかつ床面積の1/2以内の広さなら、床面積に含まれない」という規定でかいくぐった、目の付け所は面白いですよね。コロンブスの卵的発想です。

たまたまpresidentで、蔵のある家の広告記事を見かけましたので、取り上げてみました。

「蔵のある家」は物をどうやって収めるかを考えてた時代の産物。工務店は収納にどう向き合ったらいいか?
プレジデント社特別広告企画・特集記事

日本の伝統的な収納文化「蔵」を住まいの中に取り込んだ、ミサワホームの「蔵のある家」。1994年発売以来、進化を続けている。収納の悩みを解決してくれるだけでなく、住まい全体を快適にする多くのメリットがある。

<中略>

四季の変化に富み、そのときどきの行事や祭事を楽しむ、日本ならではの暮らし。ただ、それには「季節外れのモノ」や「年に1度しか使わないモノ」をいかに保管するか、という課題がつきまとう。昔の家にはそのための「蔵」があった。現代日本の住宅事情では、蔵を建てるどころか、十分な収納スペースを設けることさえ難しい。限られた床面積は、なるべくなら家族の日々の暮らしに使いたいもの。ミサワホーム「蔵のある家」は、厳しい面積制限をクリアしつつ、収納不足を解消する画期的な発明だ。確認申請の床面積を増やすことなく、収納面積を大幅にアップ。しかも、生活空間に豊かさや変化をもたらし、住宅としての性能向上にも貢献する。

大収納空間「蔵」は生活空間を豊かに、ライフスタイルに合った多彩な暮らしを演出する|PRESIDENT
「蔵のある家」は物をどうやって収めるかを考えてた時代の産物。工務店は収納にどう向き合ったらいいか?

2050年の住宅ビジョン

  • 作者:三沢 千代治
  • 出版社:プレジデント社
  • 発売日: 2001-04

「蔵のある家」は物をどうやって収めるかを考えてた時代の産物

「蔵のある家」のコンセプトが生まれた背景には、物をどうやって収めるかという問題への深い悩みが存在していましたと思います。その時代、家の中にある物の量は増え続け、収納スペースの確保が大きな課題となっていたのでしょう。この収納問題を解決するための答えとして、「蔵のある家」が誕生したということです。

この時代の人々は、年に1度しか使わないような物でも、それを持っていることに価値を見いだしていました。例えば、特別な行事や季節のイベントでのみ使用するアイテムや、思い出の品々など、一見不要に思えるものでも、それを手放すことなく大切に保管したいという考えが強かったのです。このような価値観が、物を減らすという発想を持つ人々が少なかった大きな理由となっています。

しかし、現代においては、物を収めること自体が問題となってきています。物の多さは、生活の質を低下させるだけでなく、経済的なコストや環境への負担も増大させています。このため、物との付き合い方を再確認し、不要なものを減らす発想が必要不可欠となってきています。単に物を増やすことでの豊かさではなく、本当に必要なものだけを持つことでの豊かさを追求する時代が到来しているのです。

さらに、収納に関する悩みは、現代人の日常生活においてもなくなっていません。多くの人々が、物の多さや収納スペースの不足に悩んでいます。この収納問題は、単なる物の量の問題だけでなく、物との正しい付き合い方を見直すことでのみ解決することができると言えるでしょう。

近年はいつの時代を見ても、いつまで経っても収納で悩む人が溢れており、永遠の悩みになっているわけですから、「物との付き合い方」を見直さない限りは、風邪のように解決できない病として続いていくでしょうね。

永遠の悩み「収納」に対して、工務店はどう向き合ったらいいか?

収納の問題は、日本の住宅事情において、長らく多くの家庭での頭痛の種となってきました。ミサワホームの「蔵のある家」のような革新的なアイディアが評価される背景には、この収納問題への深い悩みがあることは明らかです。では、地域密着型の工務店として、この収納の問題にどう取り組むべきか。

顧客のライフスタイルを深く理解する

顧客一人ひとりの生活スタイルや価値観を理解することは、収納問題の解決の鍵となります。家族構成、趣味、仕事の内容など、顧客の日常を深く知ることで、必要な収納スペースや機能を的確に提案することができます。例えば、子育て中の家庭には、子供のおもちゃや学用品の収納方法を、シングルの方には、趣味の道具や仕事の資料の整理方法を提案することで、顧客の満足度を高めることができます。

独自の収納策を企画&開発する

ミサワホームの「蔵のある家」ほど大掛かりなものでなくてもいいので、自社独自の収納策を企画したり、開発することで、他の工務店との差別化を図ることができます。地域の特性や顧客のニーズに応じたオリジナルの収納アイディアを考えることで、工務店としてのブランド価値を高めることができます。また、顧客に合った独自の収納策を開発することで、顧客の生活の質を向上させることができます。

物との付き合い方を再考させる

収納の問題は、単に物をしまう場所が足りないだけではなく、物との付き合い方そのものを見直す必要があります。工務店として、顧客に物の持ち方や整理整頓の方法を教えるワークショップやセミナーを提供することで、収納問題の根本的な解決をサポートすることができます。これにより、顧客は物の量を減らすだけでなく、必要なものだけを持つという新しいライフスタイルを築くことができます。

アフターサポートを強化する

住まい手が新しい家に住み始めた後も、収納の悩みは尽きないもの。アフターサポートとして、収納のアドバイスや改善提案を定期的に行うことで、顧客との長期的な関係を築くことができます。また、アフターサポートを通じて、顧客の変化するニーズに応じて、新しい収納策を提供することも考えられます。


収納の問題は、単なるスペースの問題ではなく、人々の生活や価値観と深く結びついています。工務店としては、この問題を深く理解し、顧客にとっての最適な解決策を提供することが求められます。

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