顧客感動の幻想?工務店の注文住宅は一時の感動より継続ある満足を提供した方が良い理由

ここ最近、顧客感動を追いかける工務店や住宅会社が増えてきましたよね。顧客感動とは、期待や願望を超え予想していないほどのサービスや商品で顧客を感動させることを言います。

その目的は、紹介を得たいということや、集客のための魅力というところが大きいと思います。

例えば、タイミングで言うなら、着工式・上棟式・引き渡し時などでしょうし、イベントを行ったり、花とか本とかDVDと提供したりして、必死に感動を演出しようとするわけです。

感動を与えることは良いことだとは思います。でも・・・疲れませんか?

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「感動」はその場限り

一生懸命考え考えて、感動を提供していくと、受け手側も慣れてきて「もっと良いものを」求めやすくなります。

そうなると、新しくて、より感動することを、ずっとし続けないといけないということになっていきます。正直、それを提供するのは、すごく難しいです。なぜなら、一回感動させること自体、大半の工務店はできていないわけですし・・・

そして、引き渡しまでなんですよね・・・感動って。

顧客感動というものは、引き渡しまでの出来事なんですよね。引き渡し後も継続して、感動を提供している工務店はいるのでしょうか?

感動という考えは、どうしてもその場限りになりやすい気がします。変な例え方かもしれませんが、結婚前にはあれこれ気遣い優しいのに、結婚後は何もしない亭主関白みたいなものです。そう考えると、感動させようとする工務店や住宅会社で家を建てるのは「ちょっと待った」かもしれませんね。

また、顧客満足や感動に対して取り組むことは、待つのが祭りの様に楽しいものです。従業員に多いのが、その過程を楽しんでしまい、本来の目的を忘れてしまいがちになることです。

工務店と施主、どちらにも大事なのは、一時の感動よりも継続ある満足!

”感動を与える”なんて机上の空論というか、理想論だと思っていて、人間の心は、感動を操れるほど、そんな単純なものじゃないですよ。例えば、テレビにしても、ドキュメンタリーを観ていて、感動する場面があっても、演出やヤラセとわかれば、気持ちは冷めてしまうものです。

もちろん、顧客満足や感動を求めるのが悪いというわけではありません。これらの目的は、感動させることが目的ではなく、満足度を高め、後の紹介がほしいという狙いがありますよね。であれば、確率が高くなることを選択した方がいいわけです。

顧客感動の幻想?工務店の注文住宅は一時の感動より継続ある満足を提供した方が良い理由

紹介は、引き渡し時にもらえるものではないですよね?どちらかというと、引き渡し後のふとした時にあったりするものです。だから、紹介を得たくて、一時的な満足や感動を考えていたなら、その短絡さこそ、紹介を妨げている原因かもしれません。

大事なのは、継続して満足を感じられる状況をいかにつくるかだと感じています。

引渡し前も引き渡し後も、継続して満足を得られる状況って何でしょうか?施主同士が繋がるコミュニティやイベントだけではないですよね。

満足よりも感動の方がレベルが高い風潮がありますが、感動というパフォーマンスを追いかけてたら、疲れるだけですよ。まずは”感動”よりも”継続できる満足”です。

工務店の注文住宅には一時の感動より継続ある満足を提供した方が良い理由

長期的な信頼関係の構築ができる

感動は一瞬の火花のようなもので、確かに心を打つ瞬間を生むことができます。しかし、それだけでは顧客との関係は浅く、一時的なものになりがちです。一方、継続的な満足は、顧客との長期的な信頼関係を築く土台となります。日々の生活の中での安心感や信頼感が継続的に提供されることで、顧客は工務店を信頼し、長期的な関係を築くことができます。

口コミの質が向上する

一時的な感動は、瞬間的な良い口コミを生むかもしれません。しかし、それは一過性のものであり、時間が経つとその印象も薄れてしまいます。継続的な満足は、より深い信頼を基盤とした口コミを生むでしょう。それは、工務店のサービスの質や信頼性を示すものとなり、新たな顧客を引き付ける強力な武器となります。

継続的なサポートが重要になる

家は一生の買い物とも言われるほどの大きな投資です。そのため、引き渡し後も、住宅のメンテナンスやアフターサポートが必要です。一時的な感動を追い求めるよりも、継続的なサポートを提供することで、顧客の心に深く根付く信頼を築くことができます。また、アフターサポートの中での継続的なコミュニケーションは、顧客の新たなニーズを早期にキャッチするチャンスともなります。

経営の安定性が増す

感動を追い求めることは、新しいアイディアやサービスを常に考えなければならず、経営的にはリスクが伴います。一方、継続的な満足を提供することは、安定したサービスの提供となり、経営の安定性にも寄与します。安定した経営は、新たな投資やサービスの拡充の基盤ともなり、さらなる成長の道を開くことができます。

顧客の真のニーズが理解できる

感動を追い求めると、時には顧客の真のニーズを見失うことがあります。しかし、継続的な満足を追い求めることで、顧客の真のニーズを深く理解し、それに応えるサービスを提供することができます。顧客の日常の中での小さな不満や要望をキャッチし、それに応えることで、真の満足を提供することができます。


結論として、工務店経営者としては、一時的な感動を追い求めるよりも、継続的な満足を提供する方が、長期的な信頼関係の構築や経営の安定性に繋がると言えるでしょう。感動は一瞬のものであり、それを超えて、継続的な満足を提供することが、真の顧客満足と経営の成功への鍵となります。

この考え方は工務店に限った話ではないですからね。「一時の売上よりお客様の利益」も本質的には同じことです。

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