工務店は施主に所有物(モノ)との距離感を再認識させた方がいい理由

家を建てる機会って、『所有物(モノ)との距離感』を再認識できる良い機会でもあるので、間取りで悩む以前に、見つめ直すべき事柄なんですよね。今の家にあるものをそのまま新しい家に持ってこようなんざ、楽しむことのできない相当な無駄です。

物との距離感って、暮らしに表れてきますから。

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物が多い人は、心にゆとりがない

「物が多い人=心にゆとりがない」の典型的な例は、ゴミ屋敷なのですが、ゴミ屋敷に住人って、みんな心が病んでますよね。

また、物が捨てられないと、家は立派なのに、家計が苦しい。というケースを引き起こすみたいですね。

物が多い人は、「買って手に入れること」や「保有すること」で安心や満足を得る傾向があります。常に何かを買って手に入れていれば、お金は当然減り、家の中は物に溢れてしまいます。

家は立派なのに、家計が苦しいというお宅に伺うと、健康器具や楽器、流行の家電製品、便利グッズといった物がリビングに溢れています。家計は苦しいのに、便利だから、健康に良いから、教育に良いから、いつか使うからと、次から次へと買い込んでしまいます。そうした習慣が家計を苦しめていることに気付きません。さらに、どこに収納したかさえわからなくなってしまい、しまいには、同じ物をまた買ってきてしまう。

物が多い人ほど家計が苦しいワケとは?
工務店は施主に所有物(モノ)との距離感を再認識させた方がいい理由

物との距離感が悪いと、暮らしにとって悪いことだらけです。

家づくりは、所有物(モノ)との距離感を再認識できる良い機会

間取りの広さで、本当に必要な広さは誰もわかっていない。という話と同じように、何が必要で何がいらないかなんて、全てをわかる人なんていません。住まい手側もなんとなく必要かもで捨てないケースは多いです。

だからこそ、片付けノウハウよりも先に、何が必要で何がいらないか、そして、要るモノとの距離を再認識した方がいいです。全てが自宅にある必要もないし、「minikura」などのレンタル収納もかなり種類が増えてきて、安く使えますので活用すべきですよ。つくり手側もそういう提案をしていきましょう。

坪60万円の注文住宅だとして、収納に2坪のスペースをとったとしたら、正確には少し違いますが、単純計算で120万円ですか・・・罪深く、そして高い収納だ(笑)

生活する上で、なんらかのモノで囲まれている現代ですから、必要な空間も、モノから生まれると言っても過言ではない気がします。だからこそ、モノ(所有物)との距離感は、間取りよりも先に、再確認すべきですね。

以下の記事で「物が多い家族ほど、注文住宅を建てる可能性が高い」という話を書いているのですが、物が多い家族は必ずといっていいほど、収納や片付けやモノで悩んでますから、所有物(モノ)との距離感を再認識させて、チューニングしたほうがいいんですよ。

工務店が家づくりの中で施主に所有物(モノ)との距離感を再認識してもらうためにできることとは?

家を建てる際、工務店は建築だけでなく、施主が所有物との健全な距離感を持つことをサポートする重要な役割を担います。これは、施主がより快適で、経済的にも持続可能な生活を送るための基盤を築くことにもつながります。

所有物との健康的な関係について問題を認識させる

工務店はまず、施主に「物が多い=豊かさ」という誤った認識を改めさせることが重要です。所有物が多すぎると、生活空間が圧迫され、心理的なストレスや家計への負担が増加します。

工務店は、施主にこれらの問題を認識させ、物との健康的な距離感がもたらすメリットを理解してもらう必要があります。たとえば、物が少ないことで掃除がしやすくなり、生活空間が広がり、心の余裕も生まれます。また、不要な物を購入しないことで、家計にも余裕が生まれるのです。

なぜ物が溜まるのか?を理解してもらう

物が溜まる原因は多岐にわたりますが、主な理由は「必要かもしれない」という不確かな感覚や、「購入することで得られる一時的な満足感」にあります。工務店は、施主がなぜ不要な物を溜め込んでしまうのか、その心理的背景を理解する手助けをすることができます。例えば、セールで安くなっているからといって必要でもない物を買う、または「いつか使うかもしれない」という考えで物を捨てられないなど、これらの行動が物の蓄積を招いています。

所有物との距離感を再認識する方法例

  1. 物を減らした暮らし方の提案
    工務店は、ミニマリストとまではいかなくとも、物を減らした暮らし方を提案することで、施主が本当に必要な物だけを持つことの価値を伝えることができます。これには、生活に本当に必要な物のリストアップや、物を購入する前にその必要性をじっくり考える時間を持つことなどが含まれます。
  2. 収納計画の見直し
    過剰な収納スペースは物を溜め込む誘因になります。工務店は、必要最小限の収納を計画することで、施主が物を厳選するきっかけを作ることができます。例えば、収納スペースを減らすことで、物を持つ量を自然と減らすことができます。
  3. 持続可能な生活の提案
    工務店は、将来にわたって環境や社会に負担をかけずに、健康で快適な生活を続けることができるような生活様式を提案することで、施主に物の購入を慎重に考えるよう促すことができます。これには、環境に優しい選択肢を選ぶことや、長期的に見て価値のある購入をすることが含まれます。
  4. レンタルやシェアリングサービスの活用
    「minikura」のようなレンタル収納サービスを活用することで、家に必要な物の量を減らすことができます。これにより、家の中をすっきりと保ち、必要な時にだけ必要な物を手に入れることができます。
  5. 教育と啓発
    ワークショップやセミナーを通じて、施主に物との健全な関係を築く方法を教えることができます。これには、物の整理整頓の方法や、物を購入する際の判断基準などが含まれます。

工務店がこれらのアプローチを取り入れることで、施主は物との健康的な距離感を再認識し、より快適で経済的にも持続可能な生活を送ることができるようになります。これは、単に家を建てること以上の価値を施主に提供することになり、工務店としての信頼と評価を高めることにもつながります。また、施主自身が物との健康的な関係を築くことで、より満足度の高い生活を実現することができるでしょう。

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