「こんなに家の良さを伝えているのになぜ理解されない?」
「こんなに安い家なのになぜ売れない?」
「こんなにいいデザインの家なのになぜ売れない?」
と悩んでいる住宅関係者は多いと思います。

家を建てたい人が、自身の地域で、いったいどれだけの住宅が提案されているのかは、きっとわからないでしょう。それだけ、作り手側がいくら頑張って価値を作っても、そのほとんどが目にも留まらずスルーされてしまっているということです。
しかし、だからといって、顧客が望む通りの家を作ればいいかといえば、そうではないのです。
例えば、今日の住宅を見ると、非常に多くの機能を備えています。
「キッチンの機能は・・・」
「ユニットバスの機能は・・・」
「断熱材の性能は・・・」
それらはメーカーが消費者の声を拾い、開発した結果出来上がった商品ですが、消費者は果たしてこれを欲しいと思うのでしょうか?
この辺りは、リモコンがいい例で、顧客の要望をそのまま取り入れてきたため、日本のリモコンは、ごちゃごちゃと機能がありふれています。そして、どのメーカーも似たようなリモコンになっています。
「ガラパゴスリモコン」という言葉がよく似合います(苦笑)

ガラパゴスリモコン
同じように住宅も、『ライバルは他の工務店やハウスメーカーだ』と思っているため、似たような住宅が増えました。
住宅業界は今のところ、海外の企業が侵略することがないと思われているため、「ガラパゴス」度合が高いのもうなずけます。もちろん、デザインのチカラでそれをうまく乗り切っているところもいます。
一番のライバルは、自分らしい暮らしを実現できるところ
この10年で、家を建てたい人は減り、少なくなってきています。かつて、家を持つことが当たり前だった時代が、変わってきています。最近では、家にそこまでお金を掛けたくないという方や、都会では中古マンションのリノベーションなどが頭角を現してきています。一番のライバルは、自分らしい暮らしを実現できるところだと感じています。
顧客は、自分らしい暮らしが実現できれば、賃貸でも戸建でもマンションでも新築でも中古でもいいのです。