顧客の言われた通りに注文住宅を作ることは正解ではない!?

「こんなに家の良さを伝えているのになぜ理解されない?」
「こんなに安い家なのになぜ売れない?」
「こんなにいいデザインの家なのになぜ売れない?」

と悩んでいる住宅関係者は多いと思います。

顧客の言われた通りに注文住宅を作ることは正解ではない!?
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言われたことをそのまま取り入れると似たりよったりになる

家を建てたい人が、自身の地域で、いったいどれだけの住宅が提案されているのかは、きっとわからないでしょう。それだけ、作り手側がいくら頑張って価値を作っても、そのほとんどが目にも留まらずスルーされてしまっているということです。

しかし、だからといって、顧客が望む通りの家を作ればいいかといえば、そうではないのです。

例えば、今日の住宅を見ると、非常に多くの機能を備えています。
「キッチンの機能は・・・」
「ユニットバスの機能は・・・」
「断熱材の性能は・・・」

それらはメーカーが消費者の声を拾い、開発した結果出来上がった商品ですが、消費者は果たしてこれを欲しいと思うのでしょうか?

この辺りは、リモコンがいい例で、顧客の要望をそのまま取り入れてきたため、日本のリモコンは、ごちゃごちゃと機能がありふれています。そして、どのメーカーも似たようなリモコンになっています。「ガラパゴスリモコン」という言葉がよく似合います(苦笑)

顧客の言われた通りに注文住宅を作ることは正解ではない!?
ガラパゴスリモコン

同じように住宅も、『ライバルは他の工務店やハウスメーカーだ』と思っているため、似たような住宅が増えました。

住宅業界は今のところ、海外の企業が侵略することがないと思われているため、「ガラパゴス」度合が高いのもうなずけます。もちろん、デザインのチカラでそれをうまく乗り切っているところもいます。

コンセプトに沿って、要望を叶えることが必要

多くの工務店やハウスメーカーが、似たような家を提供している現状を目の当たりにしている中で差別化を図るためには、単に顧客の要望を取り入れるだけでは不十分です。それよりも、自社のコンセプトやブランドイメージを明確に持ち、それに基づいて顧客の要望を叶えることが求められます。

コンセプトの明確化
まず、自社の強みや特色を明確にしましょう。それは、環境に優しい家、伝統的な和風の家、モダンなデザインの家など、様々な形を取ることができます。このコンセプトが、顧客とのコミュニケーションの土台となります。

顧客の要望をコンセプトに組み込む
顧客の要望をそのまま取り入れるのではなく、自社のコンセプトに合わせて最適化しましょう。例えば、環境に優しい家をコンセプトにしている場合、顧客が求める機能やデザインを、環境に優しい方法で実現することが考えられます。

顧客とのコミュニケーションを深化させる
コンセプトに基づいて家を提供することで、顧客との関係が深まります。顧客は、自分たちの要望が理解され、それを基にした最適な提案がされることを感じるでしょう。

結論として、顧客の要望を単純に取り入れるのではなく、自社のコンセプトに沿って最適化することで、他の工務店やハウスメーカーとの差別化を図ることができます。これにより、長期的な信頼関係の構築や、独自のブランドイメージの確立が期待できるでしょう。

工務店のライバルは、自分らしい暮らしを実現できるところ

この10年で、家を建てたい人は減り、少なくなってきています。かつて、家を持つことが当たり前だった時代が、変わってきています。最近では、家にそこまでお金を掛けたくないという方や、都会では中古マンションのリノベーションなどが頭角を現してきています。

そうなると、工務店のライバルは、自分らしい暮らしを実現できるところなのではないでしょうか?顧客は、自分らしい暮らしが実現できれば、賃貸でも戸建でもマンションでも新築でも中古でもいいのです。

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