多くの工務店が「体験」を売れない理由

”「モノ」でなく「体験」を売れ”

という言葉を、最近では、よく耳にするようになりました。

「モノ」そのものを売っている場合、

  • 圧倒的に安いか
  • 圧倒的に優れているか

でないと、大半は売れません。

上記のどちらかと満たしていても、今の世の中、戦後直後とは違い、高品質なものが溢れています。機能がどれだけ優れているなど、商品のスペックだけでは、勝負できているようで、実はできていないのです。

住宅業界も同じですね。

なので、付加価値をつけるため、2010年頃からデザイン系の住宅が伸びてきて、今だと、高性能系でしょうか。こうやって何かしらの付加価値が新出してきます。

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上手くいく工務店と上手くいかない工務店がいる

でも、その中でも、上手くいく工務店と上手くいかない工務店が出てきました。

なぜなのか?

上手くいかないところは、結局、「他の人とは変わった家」というモノで売ってただけなんですよね。やはりこれからは、「体験」です。

「体験」を売るって何?と思われるかもしれませんが、簡単に言えば、”その住宅を手にしてどんな状態になるのか”を売るということです。

他で例えるなら、

  • テレビを売るのではなく、生活空間を売る。
  • お寿司を売るのではなく、子どもとの楽しい食事時間を売る。
  • レストランのメニューを売るのではなく、夜景の見える綺麗な景色と空間を売る。
  • 観覧車を売るのではなく、カップルとの貴重な時間を売る。

といった具合に、人が欲しているのは、商品・サービスそのものではないのです。

”その住宅を手にしてどんな状態になるのか”

その状態を、具体的にイメージさせることが、性能やスペックを伝えるよりも、ずっと大事なことですよ。

見込み客の価値観は体験でないと変わらない!?

仕事でもプライベートでも価値観が同じだと、いろんなことがスームズに運びます。だから、住宅の集客も、見込み客の価値観を、自分たちが提案する住宅の価値観になってもらいたく、あれこれするのですが・・・

価値観を同じにすることに手こずっていませんか?

実は・・・

言葉や写真では、価値観を変えることはできないのです!

なぜかというと、今の価値観って、これまで歩んだ人生がつくってます。人であったり、物であったり、環境であったり…って言うと大げさですが、でも「今まで」がつくっているのは、間違いないですよね。

だから、見込み客のこれまでの20数年で築かれた価値観を、言葉や写真で、たかが1年そこらで変えようなんてハードルが高いわけです。

文章や写真は、見込み客を絞り込んだり、同じ方向性の価値観を持っている見込み客を育てたり、信頼関係を築くには、とても役立ちますが、価値観を変えることに関しては、ほぼ無力に近いのです・・・

思い返してみても、価値観が変わった瞬間って、言葉や写真ではなく、「体験」が影響していませんか?

だから、ログハウスメーカーは、モデルハウスを建てたりします。子どもの頃から、ログハウスに住んでいる人は、そうはいないため、ログハウスの価値観を持っていません。だから、モデルなどで体験させて、価値観を変えさせているのです。

他社と比べて奇抜なものや、見込み客が持ってない価値観ほど、「体験」が効果的ですよ。また、価値観を変えてくれた、人や物や環境って、必ず好むようになります。他と変わっているものほど、「体験」で攻めてみてください。

多くの工務店が「体験」を売れない理由

近年、消費者の価値観が変わりつつあり、単なる「モノ」の価値だけでなく、「体験」の価値が重視されるようになってきました。しかし、多くの工務店がこの「体験」を上手く売り出せていないのはなぜでしょうか。以下にその主な理由を挙げてみました。

伝統的なマーケティングの固定観念: 長年にわたり、商品のスペックや機能を前面に押し出すマーケティングが主流でした。この伝統的な考え方が根付いているため、新しい価値観にシフトするのが難しいのです。

「体験」の具体的なイメージが持てない: 「体験」を売るという考え方は比較的新しいため、具体的なイメージや方法を持つのが難しい。どのように顧客に伝えれば良いのか、戸惑ってしまう経営者も多いでしょう。

顧客の真のニーズを理解していない: 顧客が本当に求めているのは、単なる高品質な家ではなく、その家での生活の質や体験です。しかし、多くの工務店はこの点を見落としてしまっています。

コミュニケーションの不足: 「体験」を売るためには、顧客との深いコミュニケーションが必要です。しかし、多くの工務店は、一方的な情報発信が中心となってしまい、真のコミュニケーションが取れていないのです。

短期的な利益追求: 「体験」を売るためには、長期的な視点と投資が必要です。しかし、短期的な利益を追求する経営者が多いため、この新しいアプローチに踏み出せないのです。

結論として、工務店が「体験」を売るためには、従来のマーケティングの方法を見直し、顧客の真のニーズを理解し、長期的な視点での経営を目指す必要があります。これからの時代、成功する工務店は「体験」を中心にしたビジネスモデルを築くことが求められるでしょう。

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