住宅のライブ感を味合わせられない工務店が不利になる理由

見込み客が、離れていく瞬間って、なかなかわかりにくいものです。

リアルな場だと、「資料を送ってこないで」「他で決めました」などと言われたりするので、割りとわかりやすいのですが、オンラインだと、まだ会ったことのない、潜在的な見込み客を、集められる反面、いつ離れていったか、わからないという欠点があります。

資料請求など、何かしらアクションを起こしてくれていれば、まだいいですが、意外と、まだ何もアクションを起こしていない潜在的な方が多かったりします。

正直、ホームページやブログは、アクセス数なので、誰が離れていったかはわかりません。ましてや数アクセス減ったぐらいだと、気付きもしないと思います。

facebookだって、いつの間にか「いいね!」を外されているかもしれません。「解除されました」という通知メールが来るのは、メルマガぐらいですね。

見込み客が離れていくのは、「縁がなかった」「自分のお客さんではなかった」と割り切るしかないと思っています。

ではどうやって、見込み客を集めていくか?

異業種の話になりますが、あるミュージシャンは、見込み客を集めるために、楽曲の違法ダウンロード者を見逃しています。

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違法ダウンロード者を訴えず、ライブを開催

住宅のライブ感を味合わせられない工務店が不利になる理由

海外のアーティスト、世界を代表するイギリスのヘヴィメタルバンド「アイアン・メイデン」。彼らの楽曲は、世界中から違法ダウンロードされ、その対応に困っていたそうです。

そこで彼らは、違法ダウンロードした人を訴える代わりに、違法ダウンロードが最も行われていた国へ出向き、そこでライブを行うことにしたのです。

これまでネットでしか聴けなかったアイアン・メイデンが、生で見れて、生の音が聞けるということで、ファンは大喜び。ライブのチケットは売り切れ、グッズ販売などから、アイアン・メイデンは大きな収益を上げたとのことです。

その違法ダウンロードが最も多かった地域・サンパウロのショーでは、158万ユーロ(約2億2000万円)の総収益をあげているようです

海賊版などを無料でダウンロードできても、ライブの体感や、Tシャツなどのグッズなどをダウンロードすることはできません。

アイアン・メイデンは、無料ダウンロード者を訴えることなく、あえて魅了して数を増やし、収益をあげるファン層への切り替えさせることで、ツアーのチケット代やグッズ販売から減少したCDの利益を穴埋めし、成功したことを示していますね。

どこでクロージングするか?

上記の例は、CDでの楽曲など、コピーされてしまう「音楽」を意図的に許し(ある意味無料化ですね)、その分、自分たちの楽曲を知ってもらう見込み客を増やし、その後、コピーができない「ライブ」へと誘導し、「グッズ販売」でクロージングしています。

今や音楽業界は、CDの売上が右肩下がりで低迷を続けていますよね。イギリスのレコード販売大手・HMVも経営破綻しているように、何も施策をしなければ、潰れていきます。

音楽業界は、ビジネスモデルを考え直す分岐点が訪れているようです。

この方法は住宅業界にだって使えます。

  • グッズ販売
    ⇒ クロージングに当てはまるのは、住宅の場合、「契約」ですね。
  • 音楽
    ⇒ 自分たちのことを知ってもらうための、見込み客となるお客さんが魅力的に感じるものは何か?それを無料にして届けることができるか?
  • ライブの体感
    ⇒ モデルハウスやショールームといった、他社とは違う・他社が真似できない空間を提供できるか?

といったことになります。ライブの体感は非常に重要で、アイアン・メイデンだって、ライブが良くなければ、グッズも売れなかったことでしょう。

日本でも、PV(プロモーションビデオ)をYoutubeなどで無料公開している方が増えてきましたね。

続けられるなら不器用でも構わない

反対に、アンヴィルのように、不器用でありながらも、夢を諦めず30年間以上も地道に活動を続けるミュージシャンだっています。

音楽の良し悪しは甲乙つけがたいでしょうが、売れているのは確実に前者です。

良いものをつくることは「当たり前」になり、「売れる」ためには、どう伝えるか・届けるか、そして、どこでクロージング(お金を払ってもらうか)が必須になってきてますね。

もちろん、後者のように、地道にコツコツ好きなことを続けるのも、ありだとは思います。

住宅のライブ感を味合わせられない工務店が不利になる理由

住宅業界も、音楽業界と同じように、変化の波にさらされています。特に、工務店経営者としての競争は激しさを増しています。その中で、住宅の「ライブ感」、つまり実際に体感できる空間を提供できない工務店は、大きな不利を背負っていると言えます。以下、その理由を詳しく解説します。

感情的な結びつきが生まれにくい: 人は感覚的な体験を通じて、物事やブランドに対する感情的な結びつきを持ちます。モデルハウスやショールームを体験することで、お客様はその家やブランドに対する愛着や信頼を感じることができます。

差別化が難しい: オンライン上の情報だけでは、他の工務店との違いを明確に伝えるのは難しいです。しかし、実際に空間を体感することで、その工務店の特色や強みを直接感じ取ることができます。

信頼の構築が難しくなる: 住宅は高額な買い物であり、お客様は大きな決断を下す前に、しっかりとした信頼を感じたいと思います。実際に空間を体感することで、工務店の技術やサービスの質を確認することができ、信頼の構築に繋がります。

購買意欲の喚起が難しい: 人は実際に何かを体験することで、その価値を実感し、購買意欲を感じるものです。住宅のライブ感を提供することで、お客様の購買意欲を高めることができます。

情報の伝達が限定的: オンライン上の情報やカタログだけでは、住宅の魅力を十分に伝えることは難しいです。実際の空間を体験することで、細部までの情報や、実際の住み心地を伝えることができます。

結論として、住宅のライブ感を提供することは、工務店経営者としての競争力を高めるための重要な要素となっています。この時代の変化に対応し、お客様にとって魅力的な体験を提供することで、成功への道を切り開くことができるでしょう。

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