
「そろそろデザイン住宅が頭打ちになってきている」と思っている最中、
ifs未来研究所所長の川島 蓉子さんと、MITメディアラボ副所長・石井裕さんの対談「デザインという古い枠は死んだ!」が非常に興味深い内容だったので、一部、引用させていただいてます。
石井:つまりですね、「デザイン」とはカッコいいとカッコ悪いだとか、そんなモノの外身の話でとどまる概念ではないんです。逆に言えば、古いデザインの枠組みはとっくに死んでいる。だってそうでしょう? まだ十分に流通できる製品をさっさと捨てさせて、次の新製品を買わせるために、「皮だけとっかえて」消費者の欲望に火をつける。かつてのデザインは、そんな側面がありました。
川島:たしかに。「新しいデザイン」だから買う、というのは消費者の心理としてはごく一般的です。
石井:でも、これだけモノが溢れている現代において、画期的な技術革新やサービス革新も盛り込まれていないのに、「デザインだけ新しくした製品」を出して、消費を煽る、という消費サイクルそのものがもはや時代遅れです。
石井:モノが余って消費者が成熟した先進国の間では、「デザインで差異化をして売る」というマーケティングが、そろそろ通用しなくなっています。
ズバッとぶった切っていますね。
まさにその通りで、ここ最近、「デザインで差異化をして売る」が、通用しなくなってきています。
住宅もモノをデザインする時代は終わり
住宅業界も、「デザインが大切だ」「デザインが勝負を決める」ということが言われるようになってきましたが、結局のところ、住宅を商品で捉えているため、
「もっと高機能・高性能で」
「もうちょっと安く」
「似た感じの間取りで」
といった「モノのデザインを良くしよう」ってところでとどまっています。
これでは、デザイン住宅が頭打ちなってきているのもうなずけます。
石井さんは、対談の中で、
未来に対するビジョンを具現化する力、それが「デザイン」です。
と話しています。
私も以前、ブログに書きましたが、もうデザインはモノの次元ではないですね。