日本の住宅建築は400年ごとに革新を遂げてきていると言われています。歴史を振り返るとわかりやすいのですが、
■西暦元年の頃は竪穴式住居

竪穴式住居(復元、吉野ヶ里遺跡)
■西暦400年に高床式住居に移ります
竪穴の湿気の多い不衛生な環境から、乾燥した通風のよい快適な高床式住居への移行をしています。倉庫から住居のようですね。

高床式倉庫(復元、吉野ヶ里遺跡)
■西暦800年になると、寝殿造りが盛んに
宗教が伝来し、宗教心も高まり、神社仏閣が数多くつくられるようになります。それが住宅建築のモデルとなり、後の寝殿造りとなっています。

「えさし藤原の郷」に復元された伽羅御所
■西暦1200年には、戦国時代に突入
戦火で焼け落ちない耐火性の強さなどを求められ、白壁や瓦を使った、武士の家としての武家造り。別名「書院造り」が住宅のモデルとなります。

慈照寺東求堂
■平和な時代の西暦1600年になると、
千利休らの影響もあり、わび、さびを基調とした「数寄屋造り」が生まれます。今で言う在来木造軸組み工法ですね。

住宅の数寄屋風床の間(小泉八雲旧居)
ここまでのこの話、建築家の菊竹清訓氏が説いている話なんです。
菊竹氏はこの後、
「日本型住宅が21世紀の世界の理想住宅となる」
と述べていますが、「日本型住宅」という表現が抽象的で、なかなかイメージがわきませんよね(苦笑)
2000年代に入り、この次なる革新を・・・
- とある方は、「パネル工法」とおしゃっていました。
- とある方は、「200年住宅」とおっしゃっていました。
- とある方は、「建築家との家づくり」とおっしゃっていました。
さて、あなたはどんな風にお考えでしょうか?
普遍的な資源 『人・物・金』
「人・物・金」の3つは、大切な経営資源であり、事業の要素とも呼ばれます。事業を成功に導くためには、これらの要素が欠けてはならないと言われています。これに関連してか、近代の家づくりにおいても、「人・物・金」がキーになっているのです。
戦前の家づくりは、紹介や人づてによる地域の職人さんによって建てられています。つまりは「人」です。
その後、戦後の住宅不足で、一定の品質を持った供給力が求められ、ハウスメーカーが頭角をあらわしてきます。つまりは、「物」にシフトしていくのです。機能や性能を求めているため、多少、営業マンがゴリ押ししても売れる時代が続くのです。
そして、どこで建ててもある一定の品質が担保されるようになると、次は、価格に注目が浴びてくるのです。ローコスト住宅、つまりは、「金」にシフトしていきます。坪○○万円や1000万円台、1000万円をきる住宅も出てきました。
ここまでを振り返るとわかりやすいのですが、
人 ⇒ 物 ⇒ 金
という流れできています。
勢いのあったローコスト住宅も今は、落ち着いています。これは「金」から、次へと移ってきているのです。
次は『人』の時代
今、家づくりを考えている30歳前後、30代の世代は、説得されるより、納得して建てたい世代でもあります。設計事務所の依頼する方なら、こだわりも強い方が多いため、なおのこと「納得したい」ですよね。
納得する上で重要になってくるのが、「信頼」です。
今や情報過多の時代であり、受け手側も、どこからの情報をどう処理していいかが、わかりにくくなっています。
そんな時代だからこそ、
”何を言うかではなく、誰が言うか。”
これが大事になります。つまり、いかに信頼を獲得するかが大事になります。
同じように、建売・マンション・工務店、ハウスメーカー・設計事務所など、住まいひとつとっても、切り口がたくさんあります。そして、住まいの情報も、今や山ほど公開されています。
だからこそ、
”何を建てるのかではなく、誰に建ててほしいのか”
であり、「人」や「考え方」に共感し、信頼し、そして、依頼していきますね。時代はまわると言われますが、「金」⇒「人」へ循環しているのです。
[…] 過去記事参照:「今の家づくりは400年に一度の大仕事!」 […]