今、家づくりをするのは「当り前世代」

昔、知人からこんなことを言われたことがあります。

「家ってどこで建てても同じような気がする。」

実は、このような発言をする方が、結構増えてきました。

少し前まで、「ゆとり世代」なんて言葉が流行っていましたが、マーケティング・アナリストの三浦 展さんは、その「ゆとり世代」の前にあたる、ちょうど今の30代を「シンプル族」という風に表し、本にされていましたね。

今、家づくりをするのは「当り前世代」

シンプル族の反乱
三浦 展 (著)

私はこの本を読んで、『「当り前世代」の始まりだ・・・』と感じました。

30代、30歳前後の世代は、ポスト団塊ジュニアとも呼ばれ、私もそこに該当するのですが、物心ついたときには、テレビ、電話、ゲームなど、ありとあらゆるものがあり、そして、それらは時代とともに、性能や品質も上がっていきました。

そして、デザイン性も高くなっており、いまやどんなものでも、ほとんど不自由さを感じにくくなっています。さらには、育ってきた環境の中では、プリクラやインターネットなど新たな文明も生まれ、それらも急激に発展していってます。

物には不自由していなく、物も時代と共に新しくなっていく。物の性能や品質なども、ある一定に担保されている。

その感覚が当り前になっているのです。

これは、

  • 家の性能、品質は当り前
  • デザイン性が高いのも当り前

にもつながっています。

もう、耐震性、断熱性、デザイン性をうたうだけでは響かないんですね・・・当り前の感覚から、比較にならないのです。その違いを営業マンは必至に説明しますが、これが逆にこの世代にとっては、うっとおしいく感じてしまいます。

次の「ゆとり世代」にもその傾向はもちろんありますし、さらには、その次の「さとり世代」も、その「当り前」傾向はますます強くなってきます。

「さとり世代」は、1990年代半ば~2000年代初頭生まれの方を指し、例えば、車やブランド品、海外旅行に興味がなく、お金を稼ぐ意欲が低いのです。地元志向で、恋愛に淡白で、過程より結果を重視します。ネットを主な情報源としており、読書好きで、若くても物知りなのです。

まさに物に依存しない、当り前世代の象徴です。

その当り前世代も、住まいで、唯一共通して求めていることがあります。

 

暮らしにも自分らしさを求めてきている!

ニュースなどでも発表されていますが、年々、持ち家志向が低下しています。

若い世代は所得の低下もありますし、フリーランスが増えていることもあり、持ち家は、ムダな買い物だと思っている人たちも増えてきています。また大地震が予測されている地域では、二重ローンになる危険もあるため、不安な方もいるはずです。

そんな中でも確実にいる層は、「自分らしい暮らし」をしたい人たちです。

ここ数年、中古物件を買って、リノベーションしたり、賃貸物件でも自分好みにリノベーションできるところに住んだり、「自分らしい暮らし」を実現することに、必ずしも一戸建でに、こだわっていなかったりしますよね。

「自分らしい暮らし」を叶えたい気持ちは、世代関係ないようです。

でも現実は、自分ではなかなかその「自分らしさ」を発見できないものです。だから、引き出す役割を担う存在が必要なんですね。また、持ち家志向が低下していくということは、その反面、家を持ちたいという気持ちの強い人が多くなってきます。

だからこそ、これまでの営業・設計スキル以外に、施主の自分らしい暮らし方を引き出すチカラ、コミュニケーションやコーチングなどが必要になってきます。家づくりも変貌期に入ってきていますね。こういうときがチャンスです!

 

今、家づくりをするのは「当り前世代」

シンプル族の反乱

  • 作者:三浦 展
  • 出版社:ベストセラーズ
  • 発売日: 2009-07-09

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。