工務店が自身の建築写真撮影レベルを上げたいなら、優秀なカメラマンと仲良くなればいい

良いカメラが安く買える時代になってきたため、自分で建築写真を撮る方も増えてきました。

特に、設計をしている方は、自分で撮影をしてみることも大事だと思っています。間違いなく、写真のセンスと設計のセンスは比例しています。

そして、写真の良さは、集客にとってかなり効果を左右します。

だから、「この建物を写真におさめておきたい!」「この暮らしぶりを写真におさめておきたい!」という場合、写真の価値をわかっている会社は、わざわざプロのカメラマンに撮影を依頼したりします。

カメラマンに依頼すると、それなり費用が掛かります。カメラマンにもよりますが、数万円の方もいれば、数十万数百万する方もいます。それでもお金を掛けて、依頼するのです。

目次

もし費用を抑えたいなら、自分自身で撮影するのもあり

でも、もしその辺りの費用を抑えようとするなら、自分自身で撮影するのもありです。なぜなら、

  • 性能の良いカメラも安くなってきている。
  • 写真のセンスが上がると、設計のセンスも上がる。
  • 良いカメラマン、悪いカメラマンの見分けがつく

以上の理由から、自分で撮ることも薦めています。

最近では、性能の良いカメラも手の届く範囲になってきていますし、また、設計の仕事に携わっているなら、写真撮影は自分でもした方がいいです。

井内が住宅の仕事をしてきて感じていることなのですが、写真のセンスが上がると、間違いなく、設計のセンスも上がります。そして、写真のセンスが身につけば、良いカメラマン・悪いカメラマンの見分けもつくようになります。

自身の建築写真撮影のレベルを上げるにはカメラマンと仲良くなればいい

自分で写真撮影をするようになると、向上心のある方なら、写真撮影のレベルをより上げたくなるんですよね。そんな時は、写真撮影のノウハウを学ぶことも大事ですが、優秀なカメラマンと仲良くなることも、すごく大事です。

私も以下の記事で紹介している写真を撮る1年前ほど、優秀な建築カメラマンの写真撮影に何度か立会い、手伝いました。きっと影響していると思います。

写真撮影を共にした建築カメラマン

良いカメラマンと出会えることが、自身の建築写真撮影のレベルを上げる方法のひとつだと感じています。

運がいいことに、これまで会社員時代から優秀なカメラマンとばかり、仕事をさせてもらっています。こういったカメラマンの写真撮影に立ち会い、雑用などを手伝うことで、カメラマンが撮影時に何に気をつけているのかなど、感性的なことも多く学ばさせてもらいました。

大事なのは感性を盗むこと。お金を払って依頼しているのに、わざわざ手伝うなんて、馬鹿らしいと思ったら、間違いなく、あなたの撮影のレベルは上がることはないでしょう。

私が学んだ方たちを下記に紹介しますね。

市川かおり 氏

工務店が自身の建築写真撮影レベルを上げたいなら、優秀なカメラマンと仲良くなればいい

市川さんは、建築家・芦澤竜一氏の奥さんでもあり、夫婦揃って、建築家・安藤忠雄氏のお弟子さんでもあります。

市川さんは、安藤さんが育てた建築カメラマンでもあります。昔、「事務所時代、何をしていたんですか?」と聞いたところ、「コルビジェ(安藤事務所で飼っている犬)の世話をしてた」と返事が返ってきたのにはびっくりしました(笑)事務所時代、犬の世話役や雑用をやっていたところ、ある日、安藤さんに「写真を撮ってみろ」と言われて、撮影するようになったようです。

私が建築写真の撮影に初めて立ち会わせていただいたカメラマンでもあります。

鈴木研一 氏

工務店が自身の建築写真撮影レベルを上げたいなら、優秀なカメラマンと仲良くなればいい

元新建築社の建築カメラマンで、今はフリーで活躍されています。建築家・西沢立衛氏の「豊島美術館 写真集」も鈴木さんの写真です。西沢さん以外にも有名建築家の写真を数々手掛けています。

建築物を撮らせたら、間違いなくトップクラスのカメラマンです。撮影の段取りや、構図、光の具合など、全て一人でこなすというプロ中のプロで、大判フィルムで撮影する数少ない建築カメラマンです。一時期、デジタルカメラを扱っていましたが、「写真の際が間延びするから」という理由から、大判フィルムに戻されてました。今も大判フィルムで撮影されているかと。

Mr.K

あまり詳しく書けないので、名前・写真は伏せておきます(笑)大手ハウスメーカーの写真も手がけるほどの方で、常に弟子が1~2人手伝うため、撮影時はあまり手伝えず・・・ずっと大判フィルムで撮影していましたが、途中でデジタルに切り替えられました。

当時の会社の上司がディレクション役で、Mr.K氏にあれこれ指示を出していました。Mr.K氏より、当時の上司のディレクションの方が勉強になりましたね(笑)撮影のため貴重品をインテリアとして飾った、基礎がブロック塀の撮影用モデルハウスにカギがなかったため、そこに前泊したりとか、鏡に写る余計な建物や電信柱などを隠すため、枝木を持って隠したり、撮影の邪魔だからといって枝木を切ったりと、結構ハードなことやってましたね。

青地大輔 氏

工務店が自身の建築写真撮影レベルを上げたいなら、優秀なカメラマンと仲良くなればいい

人をメインにした暮らしの写真を撮らせたら抜群です。そこに暮らす人の魅力を惹きだす写真力は、ブライダル関係の写真を撮っていることも関係しているのかもしれませんが、運営されている犬島時間などの社会的活動も影響している気がします。

犬島時間は、アーティストと地元の住民とのコミュニティアートイベントです。ベネッセが瀬戸内国際芸術祭などで瀬戸内に目を付ける前から、始めている活動でもあります。その功績などが認められ、2013年福武文化奨励賞、平成25年度(第40回)岡山市文化奨励賞も受賞されています。

Blue Works PHOTO & DESIGN Office

刀祢平 喬(とねひらたかし)

工務店が自身の建築写真撮影レベルを上げたいなら、優秀なカメラマンと仲良くなればいい

1983年東京生まれ。東京造形大学映画専攻卒業。卒業制作映画Realfictionにて造形賞受賞。その後、建築関係の実務を経て、2013年3月より写真・映像事務所FOTONE設立。建築写真をメインに、街中のスナップをワークとしている。

工務店が自身の建築写真撮影レベルを上げたいなら、優秀なカメラマンと仲良くなればいい
撮影:刀祢平喬

写真だけではなく、映像も手掛けており、写真撮影では建築以外にも、某モデル3姉妹のイベント写真を撮影したり、某若手俳優が主演の映画のメイキング撮影なども手掛けています。

映像では、番組形式からインタビューまでかなりレベルが高いものを作ります。写真と映像、両方をハイレベルにこなす建築カメラマンはなかなかいません。

どうやって良いカメラマンと出会うか?

工務店経営者として、良いカメラマンとの出会いは非常に価値のあるものです。優れた建築写真は、集客効果はもちろん、ブランディングや企業イメージにも大きく寄与します。では、どのようにして優秀なカメラマンと出会い、長期的なビジネス関係を築くことができるのでしょうか。

口コミや紹介を活用する

業界内での口コミや紹介は、非常に信頼性が高く、効果的な方法です。特に、同じ業界で活動している他の工務店や建築家、デザイナーからの紹介は、そのカメラマンが既に一定の実績と信頼を築いている証拠です。紹介を受けたら、そのカメラマンの過去の作品や評判をしっかりとチェックし、自分の家づくりに合うかどうかを評価しましょう。

オンラインプラットフォームを活用する

現代のテクノロジーを活かして、オンラインプラットフォームやソーシャルメディアで優秀なカメラマンを探す方法もあります。専門のカメラマンマッチングサービスやポートフォリオサイトを活用することで、多くのカメラマンの作品を一度に比較することができます。また、オンラインでのレビューや評価も参考になるでしょう。これにより、自分のニーズに最も適したカメラマンを見つける確率が高まります。

カメラマンの展示会や写真展、セミナーに参加する

カメラマンが行う展示会や写真展、セミナーがあれば、それに参加することで、カメラマンと自然な形で出会う機会が増えます。こういった場では、カメラマン自身も新しいクライアントを求めて開催している場合が多いです。セミナーだと、最新の業界トレンドやテクニックについても学べる貴重な機会になります。

継続的な関係を築く

一度良いカメラマンを見つけたら、その関係を長期的に維持することが非常に重要です。継続的な関係を築くことで、カメラマンはあなたのビジネスや家づくりに深く理解を持ち、それが高品質な写真に繋がります。信頼関係が築かれると、カメラマンもより自分のスキルを活かして、あなたのビジネスに貢献してくれるでしょう。


以上のような手法を活用して、優秀なカメラマンと出会い、長期的なビジネス関係を築くことができれば、それは最終的には高品質な作品を生み出し、工務店経営全体に大きく寄与することとなるでしょう。良いカメラマンとの出会いは、単なる写真撮影以上の価値を持つ重要な投資なのです。

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