住宅の間仕切りの参考にしたい!坂茂氏の「視線を遮る間仕切りシステム」

2011年の東日本大震災でも大活躍した、1ユニット=2m x 2mの間仕切りシステムを、被災地にひとつでも多く設置したいということで、坂茂建築設計+ボランタリー・アーキテクツ・ネットワークが支援を募っています。

住宅の間仕切りの参考にしたい!坂茂氏の「視線を遮る間仕切りシステム」
避難所用間仕切りシステム

避難とはいえ、プライバシーのない空間に長時間いたら、ストレスが貯まりますからね。簡単な間仕切りがあって、視線を遮るだけでも全然違ってきますよ。

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2014年の広島市の土砂災害でも設置

2014年8月20日に広島市で発生した豪雨による土砂災害後における避難所に、プライバシーを保つための簡易間仕切り(PPS4)の設置を開始しています。

住宅の間仕切りの参考にしたい!坂茂氏の「視線を遮る間仕切りシステム」
避難所用簡易間仕切り(PPS4) – 広島土砂災害

8月25日に、安佐南区八木小学校、安佐北区可部小学校にてPPS4のデモンストレーションを行いました。
今後、要望のあった避難所に対して、必要数の設置を継続して行います。
現在、次回設置(約70人分)に向けて準備中です。

寄付金募集のお願いとして、募金の募集の情報が掲載されています。

避難所用簡易間仕切り(PPS4) – 広島土砂災害

2016年の熊本地震でも設置

熊本地震でも各地で設置されています。

被災者の車中泊を減らそうと、建築家の坂(ばん)茂さんが熊本市東区の市立帯山西小体育館を訪れ、紙製パイプを使った簡易間仕切りを設置した。間仕切りは坂さんが考案したもので、東日本大震災でも活用された。四方を布で覆えばプライバシーが確保できる「半個室」になる。【撮影・須賀川理】

熊本地震:避難所に簡易間仕切り 車中泊減らしたい

坂茂がTEDで行ったスピーチ「紙で出来た避難所」

坂さんは元々、マイノリティ、弱者の住宅問題に取り組んでこられた方なので、災害にも対応力が高い建築家ですよね。

  • 1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)後の仮設住宅や教会の集会所を特殊加工された「紙(紙管)」で制作。
  • トルコ、インドで起きた地震に際しても仮設住宅の建設。
  • 2005年に津波災害を受けたスリランカキリンダ村での復興住宅。
  • 2008年に大地震の被害に遭った中国四川省の小学校の仮設校舎。
  • 2011年の地震で被害を受けたクライストチャーチ大聖堂の仮設教会の建設を提案。
  • 東日本大震災では、避難所でのプライバシーが無さに、紙パイプと布を使いプライバシーを確保する提案
  • 東日本大震災での仮設住宅の建設。(坂茂の関わった仮設住宅は快適らしく、期限が来てもそのまま住み続けたいと希望する人々が多い)

以前、「紙で出来た避難所」というプレゼンもされています。

坂茂がTEDで行ったスピーチ「紙で出来た避難所」の動画です。

サステナビリティが盛んにささやかれるようになるずっと前から、建築家の坂 茂 は紙管や紙などの環境に優しい建材を使う実験を始めていました。彼の手による見事な建造物の多くは仮設住宅として、ハイチやルワンダ、そして日本などの被災地で全てを失った人々を救うために建てられました。しかし、こうした建造物が現地に溶け込み、当初の目的を果たした後も引き続き愛されているということがしばしば起きています。(TEDxTokyoにて収録)

https://www.ted.com/talks/shigeru_ban_emergency_shelters_made_from_paper?language=ja

坂茂氏は、一番最初に知った建築家です。

日本の建築家であり、慶應義塾大学環境情報学部の教授です。彼は紙管を主な素材として使用する「紙の住宅」や、災害被災地支援活動を通じた紙の住宅の提供などで知られています。また、彼はアメリカで建築を学び、ニューヨーク州の登録建築士でもあります。坂茂は日本建築家協会の名誉会員でもあります。彼の活動は日本国内だけでなく、世界中の避難民用のシェルターや仮設住宅の建設にも取り組んでいます。

毎回、紙の可能性を感じさせてくれます。

結構難しいことやっているように見えて、建築の良さを一般の方にとっても身近なものへ溶けこませていますよね。

冒頭の間仕切りも、一見「こんなものか」と思いがちですが、手軽な素材でシンプルに誰にでも扱える、それに加え、行動力ですからね。場数を踏んでいるだけあります。

不謹慎かもしれませんが、こういった間仕切りのアイデアは、住宅にも応用できますよね。

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