住宅は顧客満足を高めても口コミは起きやしない!

「クチコミや紹介を得たい!」と思い勉強された方は、辿り着いたことのある本だと思います。

お客がお客を連れてくる実践プログラム 口コミ伝染病

住宅は顧客満足を高めても口コミは起きやしない!

神田昌典・著、フォレスト出版、2001年3月10日

2001年ですから、13年も前の口コミノウハウ本なんですが、改めて読んでみると、基本は変わらないことに気付きます。

口コミで広がり、売上が伸びる仕組みづくりとして、クチコミ集客の基本的なポイントを押さえて書かれています。マーケティングをこれから勉強する人には是非手にとって欲しい1冊ですね。

下記、一部抜粋しましました。

成長期には、品揃え重視のほうが売上が上がる。しかし成熟期に入ると、成長している商品だけに絞り込んで専門家していったほうが、お客からの反応がとれる。

住宅業界は成長期を過ぎ、完全に成熟期に入っていますから、絞り込みは重要ですね。「販売する商品を絞り込む」というわけではなくて、宣伝広告する商品を絞り込むということです。

何年も前のお客への対応が、成約率に大きく影響する。

「新規、新規」と追いかけている住宅業界には耳の痛い話です。新規客を追い求めるのも大事ですが、既存客を大事しない会社は廃れていきますね。

完成見学会やイベントを開催した時、これまでの既存客が顔をのぞかせてくれる関係性が作れている会社は、いったいいくつ存在するだろうか?すでにお住まいの施主宅へ、新規客を案内できる会社は、いったいいくつ存在するだろうか?

担当営業マンが辞めていなくなっても、その関係性を築ける会社は素晴らしいですね

「顧客満足を高めることにより、口コミは起こる」「商品品質を良くすれば、口コミは起こる」これらは誤りである。

一番勘違いされている部分ですね。いくら満足度が高くても、つまらないことは口コミしません。

ビジネスの常識では、3対33の法則というものがあり、満足な場合は3人にしか話さないが、不満な場合は33人に話すといわれている。簡単に言えば「悪い噂は、いい噂よりも10倍早く伝わる」ということだ。

人間の邪の部分ですね(笑)掲示板とか見ても、大体、悪い噂が目立ちますしね。

「自分はこんな仕打ちを受けた!こんなひどい話を聞いてくれ」という悲劇のヒーロー・ヒロイン感と、失敗したくないから悪い情報を知っておきたいという、微妙な需要と供給が、悪い噂を広めていきますよね。

顧客満足度調査と、お客様の声を聞くこととは根本的に目的が違う。満足度調査は、あくまでも客観的な調査が目的。お客様の声を集めるのは、お客とのコミュニケーションを取るのが目的である。

お客様の声は、「そこにコミュニティがある」ということを示す良い広告素材になります。「ここでの家づくりによってコミュニティが生まれた」という価値は必要ですよね。

会社でのアンケート調査、最後に、「ご意見・ご批判があれば、ご自由にご記入ください」となっている。これは致命的な間違い。

批判・否定的な意見は集める必要ないですね。批判・否定的な意見ばかり集めたところで、嫌なになるだけですし、自信も無くします。

集めなきゃいけないのは、「お客から喜びの声」。「お客から喜びの声」は自信になります。自信を持てばクレームに対しても前向きに取り組むことができます。

顧客から不満を集めても、真面目な人は改善につなげようと鬱になりやすい、不真面目な人は結局対応しないから、二次クレームになりやすい。…など、ろくなことがないですね。

良い商品を開発するには、必ず苦労話がある。その苦労話を語ればいいのである。

住宅のスペックや仕様に感動するのは、性能や仕様に詳しい人だけです。つまりは、技術系の業界人やオタクな人だけで、一般の方はたいして興味を持ちません。

それよりその住宅が生まれたストーリーの方が、一般の方は興味をもちやすいですし、わかりやすく伝わりやすいです。

お客の持つ「裏の欲求」を理解されると、お客は「私のことを、分かってくれる」と共感することになる。

知識の共有、感情の共有など、共通することがないと、なかなか共感は得られません。相手のことを理解しようとする、ほんのちょっとの努力は必要です。

ですが、わかったつもりはダメです。よく、「お客様の立場に立って考えよう」と言われますが、そのための具体的な行動や質問ができないのが現状です。だから、客側も気付きます。

お客をヒーローにするのである。ヒーローになったお客は、しゃべりたい。しゃべらないとガマンできない。禁断症状に陥る。

自ら進んでヒーローになりたがる人は少ないけど、地味に目立ちたい、注目されたい人はかなりいます。そういう方達は、周りから持ち上げられたいのです。

例えば、施主が主役のお茶会みたいな交流イベントや、住んでから半年後の見学会など、上手く周りから持ち上げてあげて、ヒーローやヒロインに仕立て上げるプロデュース力が必要ですね。

 「一流の商品を、一流のサービスで、そして一流のお客様へ」を店のコンセプトにした。つまり「値段だけの安物買いをしたい方は、どうぞ量販店にいってください」ということだ。

「斬り捨て御免」と、ターゲットにならならい対象外の客層を手放したとき、本来相手をしたほうがいい顧客が見えるようになり、行動を移しやすくなりますます。そして、その姿勢に共感するお客が集まり、コミュニティが生まれてきます。

ざっと気になったのは以上です。

自分が属するコミュニティに愛着を感じれば感じるほど、周りにしゃべりたくなってしまう、その現象は今も昔も変わらないですね。ぜひ参考してみてください。

ちなみに、この本の著者・神田昌典さんは、説明するまでもない日本を代表するマーケッターです。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。