今や、多くの工務店・設計事務所にとって、必要不可欠となったホームページなどのITツール。ホームページを作る場合、たいていは制作を専門に請負う制作会社に外注するであろう。
しかし、そこには様々な問題が発生することをご存知だろうか。
- 見積もりをお願いしたら、結構な高額で返ってきた。
- 修正のたびに費用が発生してしまう。
- 追加機能をお願いしたところ、高額の費用を請求された。
などなど、どうしてそのような事態が起きてしまうのか?
これには5つの理由がある。

なぜホームページの制作費は高いの?
ホームページの制作費の相場は、20~30万円くらいと言われており、ページ数や機能が多くなれば、50~60万円。さらに、業界に特化したノウハウが加われば100万円以上である。
なぜ、そこまで高くなるのか?井内が依頼側・制作側両方の立場でこれまでに感じたことを挙げてみた。
- 人件費
- オリジナル性
- カスタマイズ性
- 予備費
- 業界に特化したノウハウ
■1.人件費が一番高い!?
言わずもがな、やはり制作する人の人件費が一番高い。
物の値段だけなら、
- レンタルサーバー 年間3000円~
- 独自ドメイン 年間1000円ほど
- WordPress 0円
と、自社で契約してしまえば、安く見積って、年間5000円ほどから構築することが可能なのだ。
■2.オリジナル性を求めたがる
多くの発注側はすでにあるテンプレートを嫌い、オリジナルなデザインを求めるのである。
これは価格が高くなる要因だ。
住宅業界で例えるなら、オリジナルな注文住宅を建築家に頼めば、別途設計料が必要なのと同じことなのである。
テンプレートがダメなのかと言うとそうではない。
しっかり設計されたテンプレートなら、画像を上手く使い、多少のカスタマイズをすれば、反応が取れる集客サイトと化す。
これは、上手く設計された企画住宅のようなものである。現に井内はテンプレートを使うことを推奨している。
良いデザインだからといって、良い家とは限らないと同じで、良いホームページになるとは限らない。中身が大事ということなのだ。
■3.発注側でカスタマイズできない
これは制作会社が意図的にすることが多い。発注側でカスタマイズや改修ができないのである。
制作側がこういった制御を掛けることで、後々、改修費を取ることを考えているのである。
サーバーやドメインはもちろんのこと、サイトそのものの権利まで制作会社が持っているのである。サイトの権利まで制作会社が持つ場合、契約が切れれば、サイトそのものが無くなるのである。
例えば、こんなことがある。
かなりの予算投資をしてホームページを制作したはいいが、実際に使い始めていると、修正したい箇所が出てきた。そして、その改修を制作会社に依頼すると、想像以上の金額の見積もりが出てきた。月々の管理費とは別に修正費用を請求された…というのはよくある話。
こういった出来事は井内も経験している。ちょっと画像を追加、文字を修正するだけなのに、数万円の見積もりが出てきたりする。非常に歯がゆい。
だから発注側が、制作を依頼する前にこのことを知っていたら、なるべく改修作業が少なくてすむように、最初の依頼時に完璧に作ろうと考えてしまうのである。だが、完璧を求めるがゆえ、不要なものまであれこれ加わり、高くなる原因にもなっている。
不思議なのが、発注側はそれがわかっていながら、自分で改修しようという気にはならないのである。
■4.制作会社は”予備”を多めに取る
価格が高くなる要因に「見積もり時の予備」がある。例えば、納品日に対する予備日や、無茶ぶりに対するコストなどへの上乗せである。
なにぶん、住宅系のサイトを本格的に作りこもうとすると、ページ数がかなり多くなってしまう。こういった理由から、納期やコストに予備をみてしまうのである。
発注側からすれば、制作の現場を知らないため「そんな予備は必要なのか?」と思うかもしれない。
そもそもな話、制作会社は口では上手く言うが、制作会社も御社のホームページの何が正解か分かっていない。その後の完成に対する責任を考えると、予備をみてしまうのである。
■5.業界に特化したノウハウ
どんなページがよく見られるのか、どんな導線にしたらいいのか、など蓄積された業界に特化したノウハウは、価値が高い。これが加わると制作費も一気に高くなる。
なぜなら、そのノウハウ(データ)を得るために、幾度の失敗や実践を積み重ねているからである。そいうった、時間と経験をお金で買うということになるのである。
以上の5つがその理由になるが、あえて言わせてもらうなら、情報弱者ゆえ、制作会社にいいようにやられているのである。
解決策は、”WEB担当者の存在”と”自社運用”
そうした問題を解決するためには“WEB担当者の存在と自社運用”が必要ということだ。
住宅業界においてもWEB担当者は、この先必ず必要になる。そして自社でホームページを運用することも。
小さな会社であれば尚更、自社で作って、自社で運用することを始めてほしい。上記でも述べたように、初期投資は少なくすむのである。
住宅業界においても、今やインターネット戦略は必要不可欠なものである。だからこそ、しっかりとした知識を持つことは、発注側にとっても極めて重要なことなのである。