
昔言われてた、ヒノキ神話や心材神話が崩壊していることは、研究者の間ではよく知られていることですよね。
ヒノキのムク材を土台に使用している住宅会社は少なくない。住宅金融支援機構の「住宅工事仕様書」や住宅性能表示制度の劣化対策等級2~3、長期優良住宅などで、防腐・防蟻処理木材と同等と見なされているからだ。
そうした常識に疑問を投げ掛ける試験結果が公表された。
下の写真は、自然の風雨に近い条件でムクのヒノキを暴露させた後、褐色腐朽菌のオオウズラタケと白色腐朽菌のカワラタケをそれぞれ付着させて、約12週間静置した試験片だ。
オオウズラタケを付着させた試験片の方は、心材の腐朽が辺材より遅れているものの、腐朽は明らかだ。カワラタケを付着させた試験片は、心材、辺材とも外観上は同じくらい腐朽している。
これに対してスギの防腐・防蟻処理木材で同じ処置を施した試験片は、オオウズラタケ、カワラタケとも腐朽の痕がほとんど見られない。
薬剤処理が良い悪いというより、長い年月で考えたら、一時の効果より、長年の状況下でもバラつきのない安定した効果を発揮するほうが良いと思っています。
今回は強度の話ではないですが、強度も同じです。もちろん断熱材も構造も同じですね。