工務店の注文住宅は「家づくりのプロセス」を大事にしなければならない理由

総合オンラインストア大手のアマゾンが、2012年頃にリフォームに参入して、2015年にリフォームストアを開設してきました。施工というわけではなく、積水やダイワと組んで、システムキッチン、トイレ、洗面台やハウスクリーニングなどを扱­うサイトの開設です。商品ごとの代金と交換や取り付けに必要な工事­費をパッケージにして、全国一律価格で販売しています。

大手ハウスメーカーと、Amazonですから、業界に精通していない人もニュースとして取り上げており、的外れな記事も目にします(笑)

目次

アマゾンが開設したリフォームストア

工務店の注文住宅は「家づくりのプロセス」を大事にしなければならない理由

結局のところ、工事って下請け会社がするんですよね???

この仕組みは、モノ売りの発想

似たような仕組みは、「リノコ」とか「いえプラス」(結局リノコとくっつきました)とか、前からありましたから、そこまで驚くようなことではないですが、ようやく大手の重い腰が上がったので、様子見していた中小の会社も、ネットへの壁が溶けそうでしょうか(笑)

リフォームの場合、古い物を新しい物に取り替えることがベースなので、モノの質と価格が重視されやすい傾向がありますよね。だからシンプルに、ビフォアフターを見せて、総額を明確するのが効果的です。安易なリフォームなら、こういった仕組みが向いている気もします。

取り組み自体は、どんどんやっていってもらっていいと思ってますが、実は、個人的にはリフォームってあまり好きじゃなくて、注文住宅に比べて明らかに、一緒につくりあげる「プロセス」が足りないんですよね。

モノ売りしている、リフォーム会社にとっては、脅威なのでしょうが、それ以外は、恐れることはないですね。

追伸

「リノコ」を運営しているセカイエ(株)は、2023年11月22日.事業停止/自己破産申請の準備中とのこと。

住宅のオンライン販売に足りない「家づくりのプロセス」

モノだけに目がいって、失敗したのがこちら。「ネット住宅」です。

ネット販売による営業コストのカットで、大手ハウスメーカーの住宅が低価格で建てられるということで、2010年頃、話題になりましたが、今現在はというと・・・

まったくのゼロではないでしょうが、売れてなさそうですね(笑)売れてたらガンガンCMしているはずですし、落とし所は「価格ではない」ということの表れではないでしょうか。

で、数年経って、2017年頃にもネット限定住宅アイフルホーム『i-Prime7』などが出てきましたけど、2021年頃には中止になってますね。

各社色々な言い訳はあるでしょうが、結局、業務の簡素化を求めるがあまり、大事にしなければいけない「家づくりのプロセス」を失っているわけなのです。

ネットを通じて伝えなければいけない「家づくりのプロセス」

厳しい書き方をしますが、もし、これら話題に脅威を感じた工務店は、結局、価格とか性能とかにしか目がいっていない証拠です。中小の会社だからできる、家づくりの価値って、プロセス(過程)にあると思いますよ。

中小の会社が、ネットを通じて家を売るとは、通販のように直接販売することではなく、施主といっしょにつくりあげる「家づくりのプロセス(過程)」を伝えていくことなんだと思っています。

そういう視点を持たない限り、大手がやることをいつまでも脅威に感じるでしょうし、新しいFCの手法ばかりに目が移ってしまうわけです。まず第一に見なければいけない相手は、施主です。

他所より高くたって、それだけの価値があり、それをわかってもらえたらいいわけです。このプロセスには、様々な切り口があって、これがあるから、家づくりって、作り手も住まい手もワクワクして、楽しめると思うんですけどね。

家づくりのプロセスを、

  • どれだけ価値あるものにしていますか?
  • どれだけ明確に伝えられていますか?
  • どれだけ具体的にカタチにできていますか?

今一度、ご自身の家づくりに当てはめてみてはいかがでしょうか。

工務店の注文住宅は「家づくりのプロセス」を大事にしなければならない理由

注文住宅の魅力は、その名の通り「注文」にある。つまり、施主の夢や希望を形にすること。大手ハウスメーカーやネット住宅が提供するパッケージ住宅とは一線を画すのが、この「オーダーメイド」の感覚です。しかし、なぜ工務店はこのプロセスを重視しなければならないのでしょうか。

感情の結びつき

注文住宅のプロセスは、施主とのコミュニケーションが鍵となります。このコミュニケーションを通じて、施主の夢や希望、ライフスタイルを深く理解することが求められます。それを形にすることで、施主との感情的な結びつきが生まれ、それは単なる取引以上の深い信頼関係を築くことに繋がります。この結びつきこそが、長期的な信頼関係の土台となり、リピートや紹介といったビジネスの拡大にも寄与します。

独自性の確立

一般的な住宅とは異なり、注文住宅は施主の要望を最大限に反映したオリジナルの家となります。この独自性が、工務店のブランドや価値を高める要因となり、市場での競争力を向上させることができます。

施主の満足度向上

「家づくりのプロセス」を大事にすることで、施主の期待を超える提案やサービスが可能となります。結果、施主の満足度は格段に向上し、口コミや紹介といった新しいビジネスチャンスへと繋がります。高い満足度は、長期的なビジネスの安定や成長にも寄与します。

長期的な関係構築

家は一生に一度の大きな買い物。そのプロセスを共に歩むことで、施主との関係はただの取引以上のものとなります。アフターサービスやメンテナンス、将来的なリフォームの際にも、信頼関係が築かれていれば再度選ばれる可能性が高まります。これは、継続的なビジネスのチャンスとしても非常に価値があります。

競合との差別化

大手ハウスメーカーやネット住宅との競合を避け、独自の価値を提供することで、市場での立ち位置を確立することができます。注文住宅のプロセスを大事にすることで、他の企業とは一線を画すサービスを提供することが可能となります。


結論として、注文住宅における「家づくりのプロセス」は、単に家を建てるだけの作業ではありません。施主との深い関係を築き、その夢や希望を形にすることで、工務店としての価値やブランドを高めることができるのです。このプロセスを大事にし、施主との信頼関係を築くことが、工務店の成功への鍵となるでしょう。

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