つくり手のマインドの重要性が描かれている『ナナのリテラシー』

2014年頃「電子書籍で年間1000万円稼いだ」という漫画家の方がいて、出版業界でも話題になりました。その実体験が、マンガになっているのが、こちら。

ナナのリテラシー(作者:鈴木みそ)

nana

ITコンサル会社に職場体験でやってきた主人公の女子高生が、出版業界やゲーム業界などが抱える問題に立ち向かうという内容です。第一巻は作者でもある漫画家の鈴木みそ氏自らの体験にもとづく、AmazonのKindleでの個人での電子書籍出版がネタになっています。

第一巻では出版業界や漫画家の電子書籍について、第二巻ではゲーム会社でのソーシャルゲーム、第三巻では児ポ禁法などの表現規制について扱っており、古い媒体やコンテンツからの切り替えだったり、最後は大手が勝つような構造の中でどうしようか?って内容です。

「すべて人任せで何も決めて来なかった。考えることさえしなかった」「それは奴隷ですよ?」などの厳しい問いかけなど、ビジネス視点ですごく面白いのですが、残念なのが、三巻で打ち切りで終了しています。

話のネタになる取材が困難だったのか、頭が堅い人には不評だったのか、視点が面白かっただけに残念です。「CDと音楽配信」など、新旧の切り替わりが訪れている業界はたくさんあるので、話が広がりそうな気もするんですけどね・・・

ものをつくる人やそれを伝える人にオススメしたい。

『ナナのリテラシー』で、すごく良い描写なのが「マインドの重要性」です。

話の流れも、突出したスキルが急に身に付いたり、画期的なアイデアが急に舞い降りて、問題を解決するということではなくて、意識や気持ちといったマインドの変化によって、行動することが重要ということが描かれています。

ただし、行動といっても、何でも食いつけばいいものではありません。二巻のあとがきのところに、作者の鈴木さんはこのように書いています。

ヒットしそうな要素を何でも入れるのではなく、個人的な嗜好を突き詰めて作り込んだものだけが、栄光に預かるような気がしています。

それはマンガでも同じで、売れる方法論、というマニュアルが適用しなくなり、何が当たるのかさっぱり読めなくなった昨今、だったら好きなことを描くしかないな。というのが自分の結論です。

というと、昔はマニュアル重視で、売れる方向のマンガを作っていたように読めますが、今までもこれからも、描きたいことしか描けません。もうそれは治りませんので、諦めています。皆さんも諦めてください。

ローコストが流行っているから、ローコストへ・・・
自然素材が流行っているから、自然素材へ・・・
デザイン住宅が流行っているから、デザイン住宅へ・・・

上記の様に、ヒットしそうな要素に振り回されているところは、やはり上手くいきにくいですよ。今の時代、誰でも売れる方法論やマニュアルなんてないんです。それらはマニュアルを売っている側が作り出した幻想です。FCとか、加盟したら誰もが売れるような謳い文句しますけど、幻想ですから(笑)

逆に、個人的な嗜好が突き詰められている濃いものほど、ちょっと伝え方を変えると、ガラッと変わります。個人的な嗜好が突き詰められている濃いものは、モノの質は良くても、相手に伝わりにくい自分中心の自分視点になりやすいですからね。

そんなことを考えさせてくれるこの本は、個人的にはすごく面白くて、一気にさくさく読めますよ。

ナナのリテラシー 1 (ビームコミックス)

ナナのリテラシー 1 (ビームコミックス)

  • 作者:鈴木みそ
  • 出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
  • 発売日: 2014-01-25

 

 

追伸:工務店経営者の方にお知らせです。

参加した工務店経営者の声
今ではたくさんのコンサル会社がいろいろなセミナーをやっている時代、どれを聞いても同じようなセミナーで、言っていることはだいたい同じ、特に共感できるところもなく金儲けでセミナーをやっているとしか思えないようなセミナーばかりでした。そしてある程度規模の大きい工務店、地場ビルダーを対象にしたセミナーが多いことでした。でも以前より何回か井内さん、出口さんのセミナーを受けていますが、とても分かりやすく中小工務店(年間棟数20棟程度まで)を対象にした問題点を取り上げてくれています。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。