大半の工務店が施工事例写真で建物を中心に伝えても集客できない理由

先日、女優の安達祐実さんのオフィシャルサイトに沢山のアクセスが集中し、サイトがダウンしたようで、その原因は公開している写真にあったようです。

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日常の一コマを切り取った写真の雰囲気

大半の工務店が施工事例写真で建物を中心に伝えても集客できない理由
yumi adachi official gallery

撮影しているのは、夫であるカメラマンの桑島智輝さん。ギャラリーを見ると、女性芸能人にありがちな、つくられた感満載のオシャレでカワイイ写真とは違いますね。

アート的な写真もあるのですが、ソファでスマホいじってたり、お菓子食べながらくつろぎ本を読んでたり、鼻かんでたり、散らかったテーブルで肉まん食べてたり、カマキリを捕まえたり・・・日常の一コマを切り取った写真の雰囲気がすごく良いですね。

建築カメラマンは人を撮影するのが苦手

「住宅系の写真は、暮らしている人を中心に」という話は、ずっと言い続けていて、セミナーなどでも繰り返し話していることですが、実践している工務店は少ないんですよね。

これには、つくり手側の優先順位や意識の問題もありますが、実はほとんどの建築カメラマンも人を撮るのが苦手なんですよ。そこに住んでいる人よりも、自分の位置と空間との関係性を表現しようとするので、住んでいる人が活きないのです。

モデルや女優の様につくられた表情ではない、自然な表情や仕草などの自然体を撮るって、構図をおさえた空間の中に、ただ人を配置しただけでは撮れませんよ。

関係性が表現に関連することは、過去にも書いていますので、下記の記事も参考にしてみてください。

大半の工務店は施工事例写真で設計や空間など建物を中心に伝えたところで無力な理由

建築写真において、建物そのものの美しさやデザインを強調することは一般的ですが、このアプローチには限界があります。特に工務店が施工事例写真で建物の設計や空間を中心に伝える場合、その写真は建物の機能性や形状を示すに過ぎず、そこでの生活の魅力や暖かみを伝えることには無力です。建物はただの構造物ではなく、人々の生活の場であり、その点を伝えることが重要です。

人の暮らしを映し出す写真の重要性

建築写真で最も重要なのは、ただ空間を捉えることではなく、その空間での人々の生活を映し出すことです。人々の日常の瞬間を捉えることで、写真は単なる建築物の紹介を超え、見る人に深い共感や想像を促します。工務店が施工事例を通じて伝えるべきは、建物の形状や機能だけではなく、その建物での生活の質や雰囲気です。人々がその空間でどのように過ごしているかを示すことで、建物の真の価値を伝えることができます。

建築写真における人物の配置の難しさ

多くの建築カメラマンが人物の撮影に苦手意識を持つように、工務店も施工事例写真で人物をどう配置し、どう撮影するかに頭を悩ませます。人物がいない空間の写真は、どんなに美しくても、その空間が生活の場としてどのように機能しているかを伝えることは難しいのです。人物を自然に配置することで、その空間がどのように使われ、どのような役割を果たしているのかを視覚的に示すことが可能になります。

工務店に求められる写真撮影のアプローチ

工務店が施工事例写真で建物を中心に伝える際、建物の美しさや機能性だけでなく、そこでの生活の豊かさや温もりを伝える必要があります。これには、建築写真における人物の自然な配置や日常の一コマを切り取るようなアプローチが求められます。例えば、家族がリビングでくつろいでいる様子、子供が庭で遊んでいる姿など、生活の一部を捉えることで、建物の中での人々の生活を想像させることができます。このような写真は、単なる建築物の魅力を超え、見る人に深い印象を与えることができます。


工務店が施工事例写真で建物を中心に伝える際には、建物そのものだけでなく、その建物での生活の魅力を伝えることが重要です。建物の機能性やデザインを超えて、そこでの生活の質や雰囲気を伝えることで、単なる建築物の紹介から一歩進んだ、生活の場としての建物の魅力を伝えることができるのです。これにより、工務店の施工事例は単なる建築物のカタログではなく、生活の豊かさを伝えるメディアとなることができます。

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