未来の高級物件を売る男から学ぶセールスのヒント

ニューヨーク、マンハッタンに、セレブたちを相手に、まだ完成していない高級物件を次々と売り捌く男がいるんだそうです。その彼に、「未来の家」を売るための秘訣を訊いた記事を紹介します。

39歳になる彼が売っているのは、既存のマンションだけではなく、建築家やデザイナーが関わる、まだ完成していない「未来の家」も売っています。

未来の高級物件を売る男から学ぶセールスのヒント

マンハッタンの街並み

未来の高級物件を売る男から学ぶセールスのヒント

上記のインタビュー記事で、気になったところをチョイスしています。セールスのヒントが秘められていますよ。

  • 富裕層が欲しがるものは、「プライベート」。
  • 写真や映像でイメージさせる。
  • 人がほしがる変化に合わせたインテリア。
  • テクノロジーは当たり前。
  • 家を売っているようで売っていない。

 

富裕層が欲しがるものは、「プライベート」。

──顧客は富裕層だと思うのですが、彼らがいちばんほしがるものは何ですか?

わたしはそれを「超空の覇者たちのマンション」と呼んでいます。プライヴェートエレベーターに、プライヴェートプール、プライヴェートの駐車場があるような物件です。キーワードは「プライヴェート」です。究極の贅沢とは、ガラスで囲まれた家の中を裸で歩き回っても誰にも見られないことですから。

富裕層は自分の時間をすごく大事にしたいという気持ちがありそうですよね。あとすごい偏見ですけど、変態が多そう(笑)いずれにせよ、ターゲットが何を欲しがっているかを見抜くチカラは必要です。ほしがっているのは「家」ではなく、別の言葉で置き換えたら何か?

 

写真や映像でイメージさせる。

──完成してない物件をどのように売るのでしょうか?

セールスギャラリーをつくっています。同じビルの中に、マンション全体を描くこともあれば、個々の部屋をつくる場合もあります。そのためには、もちろんテクノロジーが必要です。「ヴィデオウォール」とわたしたちは呼んでいるのですが、フロアプランやマンハッタンの景色といった物件の魅力となるものすべてを映し出すのです。マンションが建てられる場所とまったく同じ位置から見た景色を、ドローンを使って写真に撮るわけです。

富裕層=感性が豊かというイメージがありますが、富裕層であっても、言葉や写真・映像などのビジュアルも活用して、いかに頭の中にイメージさせることが、セールスの鍵をにぎっているってことですね。頭の中で住んでなければ、実際に住むわけがないんです。

 

人がほしがる変化に合わせたインテリア。

──インテリアデザインについて気をつけていることは?

モダンになりすぎないことです。まるで宇宙船のようなデザインがニューヨークでは2006年ごろから新開発の波に乗って人気ですが、あまりいきすぎないようにと。でも同時に、伝統的になりすぎてもいけません。素材に関していえば、金属、木、石がちょうどよい感じにミックスしているといいでしょう。人は変化をほしがるものですから。

日々の暮らしの中で、バランスよく変化を感じられることが、一番の贅沢なんでしょうか。人は慣れやすく飽きやすい分、心地いい変化が必要なんでしょうね。素材から生まれる変化もあれば、住まい手自身で生み出せる変化もあります。

 

テクノロジーは当たり前。

──そうした家にはテクノロジーも取り入れているのでしょうか?

とてもたくさんありますね。かつては自動カーテンが高級品でしたが、いまではそれが普通になっています。現在、窓が200カ所くらいあるマンションを売っているのですが、当然200個の自動カーテンがついています。ほかの高級品としては、あらゆるところに取り付けられたエアフィルターと加湿器が付いた完璧なエアコンが挙げられます。帰宅する前に、スマートフォンですべての操作が可能ですよ。

マンハッタンという場所柄、富裕層なら最新や最先端は求められそうですね。テクノロジーの度合いは場所やターゲットによっても変わりますが、テクノロジーに触れて、ワクワクしない人は少ないですよ。

 

家を売っているようで売っていない。

──最近は超高級物件は以前ほど売れない、というニュースをよく耳にします。どうやってこのレヴェルの高級物件が必要だと顧客を納得させるのでしょうか?

わたしが人々に売ろうとしているのは「次のヴァージョンの自分自身」です。例えばいま、ある女性のために物件を探しているところです。彼女はセレブで、わたしたちは1,500〜3,000万ドルの物件をいろいろと案内しています。ここでわたしがやりたいのは、彼女の人生を次のステージに上げることです──新しい物件ならテラスでディナーパーティができますよね、この部屋があればメイドやベビーシッターを雇えますよ、プライヴェートの駐車場もあります、と。ヴァージョン2.0の暮らしを想像してもらいたいのです。

「次のヴァージョンの自分自身」「人生を次のステージに上げること」「ヴァージョン2.0の暮らし」というように、家を売ってないですよね。「住む」以外の必要性を生み出しているわけです。

未来の高級物件を売る男から学ぶセールスのヒント

提案する家に「住む」以外の必要性を生み出せるか?

2016年11月13日


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「建築家との家づくり」「ハウスメーカー創業者による新事業」などの事業に携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。2013年6月より、住宅業界専門のマーケティング会社として独立。2014年10月~2015年3月まで業界新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。工務店や建材メーカーの支援以外に、小規模事業者の経営者向けに経営・ブランディング・集客などを支援。2017年に東京から南房総に完全移住し、場所や時間にとらわれない自由な働き方を実現。