家にお金を払わせてはいけない理由

意味不明なタイトルかもしれません。お金をいただかないと建てることはできませんから、もちろん、お金は払っていただく必要はあります。ここで言いたいのは、契約上のお金の流れではなく、何に価値を感じてもらうかという、対価のお話です。

ここ最近、「体験が重要」という内容の記事をよく見かけます。

戦後は「物」を求め、高度経済成長期は「性能」を求めました。ですが、物があふれる時代になった今、もうそんな時代の面影はとうの昔に過ぎ、2000代頃から「体験」を求める人達が増えてきています。

家電や小物類などは、デザイン性・機能性・利便性という価値だけでは大した差別化もできない時代ですからね。しかも、現状で十分に使えるモノをすでに所有しているケースもありますから、必要性も感じにくいわけです。

だからこそ、これからは、

(物を所有することで)どんな体験ができるか?

この部分をアピールしていかないといけなくなってきています。ライフスタイルの提案ってことですね。リフォームにしたって、今までは「古いモノを新しくする」という概念ですが、「暮らしをより良くするためにリフォームをする」という提案ができないと、競争も激しい中、新たな受注は厳しいですよね。

今や、コーヒーも飲むだけでなく、体験できる場所が存在しますよ。

実際、物の性能だけで比べることに、しんどくありませんか?アピールするのも難しいはずです。身近なものではその変化が大きく現れていて、昔はアピールしまくりだったカメラの画素数なんかも、最近ではあまり聞きませんよね。パソコンのCPUやメモリも同じ感じです。

体験したことの90%は忘れない

キッザニアの創業者であるハビエル・ロペス氏曰く、「人は読んだことの10%しか覚えてないが、体験したことの90%は忘れない」とのこと。キッザニアは、子供向けの職業体験型テーマパークで成功していますからね。体験がいかに重要なのかは、世界標準ということです。

記事内で紹介されているデータでは、体験の方が「広告」の9倍の価値を持つようですね。データを見る限り、五感をどこまで使うかにも関連していますね。

■人が一般的に覚えている確率 (メディアチャネル)

  • 文字を読む行為では10% (新聞、雑誌、メール)
  • 言葉を聞く行為では20% (ラジオ)
  • 視覚で見る行為では30% (テレビCM)
  • 聞くと見る両方では50% (ビデオプログラム)
  • 話したり書くことで70% (インターネット)
  • 体験することにより90% (体験)

「モノより体験」は科学的に研究されている

アメリカの大学では、20年にわたりこの「モノより体験」のテーマで研究をされているようです。その結果、「モノにお金を払うな」という結論を得たそうです

モノにお金を払ってはいけない理由

記事内で挙げられている、モノにお金を払ってはいけない理由は、

新しいモノでもすぐ慣れてしまう
新しいモノでも、すぐにそれが普通になってしまう。
ハードルを上げてしまう
新しいモノを買うと、新たな期待が生まれ、さらにより良いモノを求めてしまう。
隣の芝は青い
所有の性質上、比較をもたらしてしまう。

の3つを挙げています。これらの理由から考えると、モノにお金を払う買い方だと、きっと満足感は満たされないでしょう。だから、クチコミも生まれないのです。

モノより体験の方が、長期的な幸福をもたらす理由

そして、モノより体験の方が、長期的な幸福をもたらすその理由を、このように挙げています。

体験はアイデンティティの一部になる
アイデンティティとは、自分とは何かの一部のこと。
比較がほとんど意味をなさない
体験をモノと同じように比較することはできない。
期待は重要
体験への期待はワクワクと喜びをもたらす。モノの所有への期待はイライラをもたらす。
体験は、いい意味ではかないもの
体験ははかないという事実そのものが、価値を生む。そして、その価値は時間とともに増す。

体験は、お金に余裕がある人にイメージと満足感で訴求する!

ですが、皆が皆、体験を好んでいるわけでもない気がします。

衝動買いできる範囲の価格帯でみていくと、お金に余裕がない層は、体験ではなく、機能や性能、デザイン、低価格など目に見えることを好むんですよね。「目に見える必要性」を求めているってことです。反対に、お金に余裕がある人は、体験や投資など目に見えないことを重視している傾向が強いんですよね。「満足感(欲望)を満たす」ということですね。

この傾向って、家づくりでも同じ感じな気もします。ただ、ローコスト住宅でも何千万する買い物なので、この辺の感覚が狂いがちになりやすいかと。家を建てるのに、普段の生活がギリギリの方は、体験など目に見えない価値は好まないでしょう。ローコストに走り、目に見える必要性ばかりを追いかけますよね。

そう考えると、体験を求める客層は、不良客ではなく、良い施主になりやすいのでは?

いかに、イメージをさせ、いかに、満足感を満たすか

体験とは、ただリアルに味わうだけでなく、使用した場合を想像させるということでもあります。家なら、住んだ場合ですね。「魅力的なライフスタイルがそこにある」という付加価値をイメージさせることも体験のひとつです。

そして、満足感。建てたことで満足するだけでなく、「私たちはこの家に住んでいるんだ」という満足感を満たしたい人もいるんですよね。それには、プロセス(過程)がすごく重要です。間取りをこのように考えたとか、この部分はDIYしたとか、この洗面は陶芸家につくってもらった陶器だとか、その家族独自のプロセスに満足するわけです。

 

もはや、良いモノを作ることは当たり前で、そのモノを体験できる「体験の流れ」までを整えることが大事になっています。「モノより体験」は科学的に研究され、体験の重要性も証明されている今、それでもモノ売りをしますか?

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