芸能界は、ポジショニングの塊だなとつくづく思います。
ポジショニングとは、簡単に言えば、「差別化」です。
あえてキャラで演じている人もいれば、天性の感覚の人もいるでしょう。被ることを嫌う人が大半ですが、あえて、似てる感を出す人もいます。
「あの人の代わりはいない」
能力に加え、唯一無二の存在であることが、評価されるわけです。
あの元芸能人も、ポジショニングを意識していた!
うろ覚えなのですが、昔、いろいろあって芸能界を引退された、島田紳助さんの「自己プロデュース力」を読んだことがあります。
たしか、その中で書かれてたと思うのですが、
紳助さんが若手の頃、漫才は漫才ブームで飽和した状態でした。その中で、先輩方と同じことをやってもダメだと感じ、万人受けではなく、ヤンキー向け漫才に絞り込みます。
なぜ、ヤンキー向けなのかというと、紳助さん自身が元ヤンキーなので、ヤンキーの気持ちなら他の人たちよりもわかる。という視点からです。ヤンキー向け、ヤンチャな若い世代向けにポジションを取っていきます。
その後、ダウンタウンという、若手が出てきます。
紳助さんはこの二人の漫才を見たときに、「勝てない」と確信されたようです。確かインタビューでももらしてましたね。そこで紳助さんは、自分のポジショニングを見直し、司会業へと進むのでした。
「歌のトップテン」という和田アキ子さんとの歌番組の司会をはじめ、バラエティ番組の司会をこなしていきます。
そのバラエティ番組の司会の少し後ぐらいに、手を伸ばしていったのが、経済番組です。「サンデープロジェクト」という生放送の報道・政治討論番組です。
噂話ですが、ライバルでもある、明石家さんまさん・ビートたけしさんとの、お笑いのポジション(芸能界のポジション)を考えたとき、
- さんまさん=スポーツ
- たけしさん=芸術や科学などの知的分野
だから、「自分は経済・政治に行こう」と思った。なんて話もあるぐらいです。
島田紳助さんを好きな人も嫌いな人もいるでしょうが、自分のブランディングを磨きたい人にとっては、学べる要素はたくさんありますよ。
ただし、代わりはいなくても成り立つという現実もある
確かに芸能界は、個性の塊で、唯一無二の存在がたくさんいます。ですが、その存在が一人いなくなったところで、ニュースや話題にはなるけど、場は成り立っていきます。というか、成り立つよう周りがコントロールしていくんですよね。
「代わりがいない」という存在にならないといけないど、代わりがいなくても成り立つ環境ができあがってしまうんです。
紳助さんに限らず、謹慎中のNON STYLE井上さんや狩野英孝さんもそうです。面白くて、唯一無二の存在で「代わりはいない」と言われてたとしても、いなくても成り立つ環境が出来上がっていくんですよね。
建築でも、世界的に影響力のあるザハ・ハディドが亡くなったとしても、建築の世界は成り立ち、止まらず動いています。
それらを考えたら、飽和している住宅業界も同じで、似たり寄ったりなんていらないわけです。まだ商圏の区切りがある分、存在の在り方は、芸能界よりは厳しくはないでしょう。でも代わりはいます。
例えば、年間20棟建てている住宅会社がいなくなったとしても、その20棟は周りに分散されます。周りの会社は急に棟数が増えても多少ならまかなえます。そもそも家は既製品の組み合わせですから、他の会社でも、あなたと同じような家を建てることは可能でしょう。
また、個人レベルでみても、この仕事は自分にしかできないと思っていたとしても、いなくなっても成り立っていきます。成り立つよう周りが調整していくんですよね。
なんだか「99%の会社はいらない」という言葉が胸に刺さります(笑)