工務店は建てた家から住んでいる施主の匂いが感じられる表現をしなければいけない理由

似ているようでいてちょっと業界違いなのですが、アンティーク商材や植物、オリジナルのクラフトアイテムを取り入れ、広告撮影や店舗・商業施設などでオリジナリティのある空間を提案するインテリアスタイリストを取材した記事が、興味深いです。

目次

目指しているのは「匂いが感じられる」スタイリング

クライアントへの提案で大事にしていることとして挙げているのは、『その人の生活の感じが少し匂ってくるみたいな「匂いが感じられる」スタイリングをしたい、それが伝わるような生の感じ。』

普段から常にリサーチはしていて、できるだけいろんな場所に出かけたりとか、遊びに行く時もいろんなものを見るようにしています。その蓄積した知識や経験と、クライアントの希望、箱(場所)を組み合わせてカタチにするようにしています。あと、そこに住んでいる人のことを妄想しながらストーリーをつくっていくことが多いです。例えば今回であれば、いろんな国へ旅に出て、自分の尺度でさまざまなモノを持ち帰ったコレクターの部屋、というようなイメージでつくったり。昨日の夜もずっとイメトレしてました(笑)。

それと、自分で意識しているのは、「匂いが感じられる」スタイリングをしたいなと思っています。その人の生活の感じが少し匂ってくるみたいな。それが伝わるような生の感じがある仕上がりにしたいと思っています。

目指しているのは「匂いが感じられる」スタイリング-インテリアスタイリスト・さかのまどか

この感覚がわかるわからないで表現は大きく変わるでしょうね。何よりこういう感覚を持てる人は、常にアンテナを張っていることがわかりますよね。

「匂いが感じられる」は「暮らしを表現する」という感覚に近い!?

すごく感覚的なことですが、「匂いが感じられる」スタイリングというのは、注文住宅などで、「暮らしを表現する」という感覚に近いかもしれません。住んでいる人の匂いを表現できるかみたいなところでしょうか。

例えば、全く人が入っていない空間では、匂いが感じられないのと同じで、暮らしを感じることはできません。

工務店は建てた家から住んでいる施主の匂いが感じられる表現をしなければいけない理由

では、とりあえず人を入れておけばいいかというと、これも嘘くさくて・・・すごく感覚的なことですが、変に綺麗すぎて、匂いが感じられないんですよね。

工務店は建てた家から住んでいる施主の匂いが感じられる表現をしなければいけない理由

「暮らしを表現する」のポイントになるのは、住んでいる人の匂いが感じられるかどうかではないでしょうか。事例写真やお客さまの声から、その人の匂いが感じられるか?感覚的なことに思えますが、大事なポイントです。

工務店は建てた家から住んでいる施主の匂いが感じられる表現をしなければいけない理由

家づくりとは、住む人の「匂い」を形にする芸術でもある

工務店が建てる家とは、単に壁と屋根を持つ構造物ではありません。それは、そこに住む人々の「匂い」、つまり彼らの個性、ライフスタイル、趣味、価値観を物理的な形で表現する芸術作品です。家は、施主の個性や生活を映し出す鏡のような存在であるべきです。工務店が施主の特性や生活の匂いを的確に捉え、それを家のデザインや機能に反映させることが、家づくりの核心部分です。この過程になると、工務店は単なる建築業者から一歩踏み出し、施主の生活を豊かにするクリエイターとしての価値を提供することができます。

施主の「匂い」を無視した家づくりの問題点

施主の「匂い」を無視し、一般的なデザインや機能に依存する家づくりは、個性のない、生活感が欠けた空間を生み出すことになります。このような家では、施主が自分の家に対して深い愛着や満足感を持つことが難しくなります。家というのは、生活の基盤となる場所であり、そこでの生活が快適でなければ、日常生活にストレスを感じることにもつながります。また、施主のライフスタイルや趣味に適合しない設計は、使い勝手の悪さを生み出し、最終的には家全体の価値を下げる結果になります。

施主の匂いが感じられる表現をするために工務店ができることとは?

施主との密接なコミュニケーションを深める

施主との綿密なコミュニケーションは、個性的な家づくりの基盤となります。定期的な面談、詳細なアンケート、そして彼らの日常生活の観察を通じて、施主の好みやライフスタイルを理解することが重要です。これには、施主が明示的に表現できない深層の要望や趣味を読み解くことも含まれます。たとえば、趣味のコレクションや家族の交流の仕方から、家に必要な空間や機能を洞察することができます。

施主の趣味や好みに合わせたデザインを重視する

施主の個性を反映したカスタマイズとパーソナライズは、その家をユニークな空間に変える重要な要素です。色の選択、素材の質感、家具の配置から、照明のデザインに至るまで、細部にわたる配慮が求められます。例えば、施主がアート愛好家であれば、絵画を展示するための照明や壁の色を慎重に選ぶことが重要です。

施主の人生や価値観を家のデザインに反映させる

家づくりにおけるストーリーテリングは、施主の人生や価値観を物理的な空間に映し出す手法です。各部屋や家具の配置が施主の趣味や過去の経験をどう反映しているかを考慮し、それをデザインに織り込むことで、意味ある住空間を創造します。このプロセスは、家全体を施主の個性が息づく場所に変えることに貢献します。

長期的なフォローアップと適宜の調整を行う

家が完成した後も、継続的なフォローアップと必要に応じた調整は非常に重要です。家は時間と共に変化する生きた空間であり、施主のライフステージの変化に合わせて、間取りや設備の調整が必要になることがあります。例えば、子供の成長に合わせた部屋の変更や、老朽化した設備の更新など、施主の現在のニーズに対応することが大切です。

家づくりのプロセスを写真で記録し、施主の物語を伝える

家づくりの過程や完成した家を撮影することは、施主の個性を視覚的に記録し、その魅力を伝えるための重要な手段です。特に、施主の日常生活や特別な瞬間を捉えた写真は、その家が施主の生活とどのように調和しているかを示す効果的な方法です。これらの写真をホームページやカタログなどの販促物や、チラシなどの広告にも活用することで、将来の顧客への印象を強化し、工務店のブランド価値を高めることができます。

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