「未完の価値」に気付かせよう!作り手のセンス10割で仕上げるとズレが起きる!?

「ロングライフデザイン」というコンセプトを提唱している、D&DEPARTMENT PROJECTの代表でもあるナガオカケンメイさん。そのナガオカさんがインタビューで答えている「家に対する感覚」が興味深いです。

D&DEPARTMENT

ナガオカ:自分の性格としては、DIYなど、あれこれしたいと思うのですが、実際は時間もスキルもなくて難しい。だから、あらかじめセンスのあるものを選びます。建物を選んだところで8割方ゴールを切っていて、あとの2 割を自分の手でつくるバランスが、僕にとっては現実的。でも若い頃なら、ボロボロで、リノベでつくりあげるような物件を買ったかもしれません。そこは人それぞれですね。

——8割完成していて、2割パーソナライズするというバランスは、多くの人にとって現実的だと思います。でも、ちょうどいい感じで8 割方完成している物件を見つけるのがなかなか難しい。予算の関係もありますが、たとえば都内の新築物件などだと、手の届くものは建具など安っぽい場合も多いのです。

ナガオカ:東京は場所性というか、エリアごとに個性があるから、建物には個性はなくてもよいかもしれないですね。5割ぐらい完成していて、ある程度手を加えることを前提とした家があってもよいのではないでしょうか。今は住宅メーカーのセンスで10割完成されてしまっていて、住む方は暮らしに無頓着になっている。住む人がパーソナライズする前提で、誰の色にも染まっていない無色透明な住宅を戸建ても含めてたくさん建ててあげるのも、いいかもしれません。

作り手のセンス10割で仕上げると、ズレが起きる

この感覚、すごくいいですね。「8割完成、2割パーソナライズ」という割合もちょうどいいです。確かにこれぐらいがすごく現実的です。施主に完全に任せる2割もあれば、施主が主導で作り手側がサポートしてあげるケースもありますよね。でも、5割ぐらいになってしまうと、一般の方では、よほど好きで知識や経験がないと難しいでしょうね。

住宅メーカーにかぎらず、作り手側の一方的なセンスで10割仕上げると、住み手の暮らし方とズレてくるんですよね。そこまで意識していない施主だと、ズレたことすら気付いてないこともあるでしょう。これまではそういう方が多かったですが、今後は変わってきますよ。

未完の価値に気付かせよう!

「無知の知」みたいな感じですけど、「未完の価値」ってあると思いますよ。一方的な完成のさせ方でなく、完成していないことをわかってもらいましょう。そして、「だから、◯◯しよう。」「だから、プロに助けてもらおう」などの、施主に「どうしたいのか?」という答えを出させましょう。そうすることで、施主なりの個性が出てくるわけです。

この「2割のパーソナライズ」は、以前書いたプロセス(過程)とも関連したお話ですよ。

『誰と何をつくるか』こだわりに結びつくプロセス(過程)は価値になる!

2017年3月25日

 

 

追伸:工務店経営者の方にお知らせです。

参加した工務店経営者の声
今ではたくさんのコンサル会社がいろいろなセミナーをやっている時代、どれを聞いても同じようなセミナーで、言っていることはだいたい同じ、特に共感できるところもなく金儲けでセミナーをやっているとしか思えないようなセミナーばかりでした。そしてある程度規模の大きい工務店、地場ビルダーを対象にしたセミナーが多いことでした。でも以前より何回か井内さん、出口さんのセミナーを受けていますが、とても分かりやすく中小工務店(年間棟数20棟程度まで)を対象にした問題点を取り上げてくれています。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。