【感想】箱の産業―プレハブ住宅技術者たちの証言

箱の産業―プレハブ住宅技術者たちの証言

箱の産業―プレハブ住宅技術者たちの証言

  • 作者:松村 秀一,森田 芳朗,江口 亨,権藤 智之,佐藤 考一
  • 出版社:彰国社
  • 発売日: 2013-11

 

この本、住宅に関わる方には読んでほしいですね。特に、高度経済成長を知らない若い世代に。本書には、時代を支えたプレハブメーカーとして、

・大和ハウス工業
・積水ハウス
・パナホーム
・ミサワホーム
・旭化成工業
・積水化学工業
・トヨタホーム
・永大産業

の8社の主要プレハブ住宅メーカーの技術者たちの証言を収録されています。技術や法規の壁を乗り越え、プレハブ住宅を実現させた技術者たちの情熱を、今に伝えてくれるヒューマンドキュメントな内容になっています。まさに青春です。

例えば、デパートの屋上に「勉強部屋」として知られることとなったプレハブ住宅が、小家族の夢の箱、さらには二世帯住宅の箱へとさまざまな変化を遂げていく・・・など、それを実現させた舞台裏を、当時20~30代の若き技術者たちの証言が載っています。参考にする例がない中で、その後大企業となる住宅メーカーの礎を手探りで築いていく・・・その様子が生き生きと語られています。やはり、この時代を生き、勝ち抜いた人たちは、相当なパワーを感じますよね。

私も以前なら、「プレハブ住宅なんて・・・」といって、見向きもしなかったかもしれません。たとえプレハブ住宅に携わらなくとも、歴史は知っておくべきです。

日本のプレハブ住宅は、1960年ごろから認知され始め、高度経済成長の追い風に乗り、地域の工務店に代わり、一気に住宅産業の大きな一角を占めるにいたりました。確かに、現代ではハウスメーカーのビジネスモデルは古いとされてきています。いくら頑張ろうとも大きなってしまった企業では、簡単に変化は起きません。ただ、住宅の歴史を振り返ったとき、あの時の時代が求めていた住宅像がここにあります。社長だけが注目を集めがちですが、その陰で支えている技術者の存在を忘れてはいけません。

この本読むと、モチベーションが上がるんですよ。誰も何もしていない、何も決まっていない時代に、新しい何かを作り出そうとするその動きは、時代を超えて、心を動かしてくれるんですよね。プレハブ住宅という言葉は、最近では、あまり言われなくなりましたが、高度経済成長の追い風に乗り、地域の工務店に代わり、一気に住宅産業の大きな一角を占めるにいたりました。その勢いと共に創業者の突き抜けようとする計画の陰には、技術や法規の壁を乗り越え、プレハブ住宅を実現させた技術者たちの情熱があります。もちろんクレームもあるのですが、それも必死で対応しているその様子を読み取ることができます。

 

 

追伸:工務店経営者の方にお知らせです。

参加した工務店経営者の声
今ではたくさんのコンサル会社がいろいろなセミナーをやっている時代、どれを聞いても同じようなセミナーで、言っていることはだいたい同じ、特に共感できるところもなく金儲けでセミナーをやっているとしか思えないようなセミナーばかりでした。そしてある程度規模の大きい工務店、地場ビルダーを対象にしたセミナーが多いことでした。でも以前より何回か井内さん、出口さんのセミナーを受けていますが、とても分かりやすく中小工務店(年間棟数20棟程度まで)を対象にした問題点を取り上げてくれています。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。