設計(デザイン)において、3つの方向性があると提唱しています。ざっくりその概要を挙げますと、
どれも大事ですが、この中で、弱者が最も優先して取るべき選択は、コストデザインだと思っています。
ストラクチャーデザインにおいては、知識や経験など、専門的なスキルが重要です。ライフデザインにおいては、プレゼン力やセンスが求められます。この2つは、積み重ねが大事なので、付け焼き刃で何とななるものではありません。
施主の予算が決まっている以上、その予算内で収めなければなりません。どんなに良い機能や性能、意匠でも、どんなに魅力的なライフスタイルでも、予算オーバーで実現できませんという話は、よくあることです。
だからこそ、その予算の中で『最大限の価値を引き出すための土台をつくる』という意味でも、コストデザインが最優先なのです。
コストを制するものは、住宅設計を制する
コストデザインといっても、価格をごまかして安く見せるとか、値引きしますということではありません。
会社員の時、『優れた人が住宅を設計すると、2000万円の予算で、3000万円のものも出来る。実力がない人が設計すると、1500万円ほどのものになってしまう。』という話を、よく聞かされていました。
僕はこの例えを「コストを制するものは、住宅設計を制する」と言っています(笑)ぶっちゃけ、打ち合わせしたその場で、およそでも目安になる金額を出せる方が、安心感はあります。
そこで、設計面で意識しなければいけないのが、
予算配分の下手な例を挙げると、敷地いっぱいにすぐ広くして、他に掛けられる予算を削ってしまい、コストバランスを悪くするというパターンですね。敷地いっぱいの間崩れ設計は、少なくなりましたが今でもたまに見かけます(笑)
また、お得感の一例を挙げるなら、『オリジナルの規格化』です。
例えば、オリジナルキッチンを規格化すると、予算をつかみやすい既製品扱いができます。でも、お客さん側からすると、システムキッチンにはないオリジナルさ=価値を感じます。
つまり、『オリジナルの規格化』は、コストと価値のバランスが良いものになりやすいのです。なので、取り組むべきこととして、今度の設計講座にも取り入れます。