「コストを制するものは、住宅設計を制する」弱者工務店がコストデザインを優先した方がいい理由

今やどの工務店にも「設計」は欠かせない能力になっていますが、住宅設計(デザイン)において、3つの方向性があると提唱しています。

目次

設計(デザイン)における3つの方向性

ざっくりその概要を挙げますと、

  • ストラクチャーデザイン:機能とか性能とか、建造物を構成する要素。外観など意匠もここに入ります。
  • コストデザイン:掛かるコストなどのコストバランスを整えることなど。
  • ライフデザイン:家の使い方やライフスタイルの提案など。

どれも大事ですが、この中で、弱者が最も優先して取るべき選択は、コストデザインだと思っています。

ストラクチャーデザインにおいては、知識や経験など、専門的なスキルが重要です。ライフデザインにおいては、プレゼン力やセンスが求められます。この2つは、積み重ねが大事なので、付け焼き刃で何とななるものではありません。

注文住宅は、施主の予算が決まっている以上、その予算内で収めなければなりません。どんなに良い機能や性能、意匠でも、どんなに魅力的なライフスタイルでも、予算オーバーで実現できませんという話は、よくあることです。

だからこそ、その予算の中で『最大限の価値を引き出すための土台をつくる』という意味でも、コストデザインが最優先なのです。

コストを制するものは、住宅設計を制する

コストデザインといっても、価格をごまかして安く見せるとか、値引きしますということではありません。

会社員の時、『優れた人が住宅を設計すると、2000万円の予算で、3000万円のものも出来る。実力がない人が設計すると、1500万円ほどのものになってしまう。』という話を、よく聞かされていました。

私はこの例えを「コストを制するものは、住宅設計を制する」と言っています。ぶっちゃけ、打ち合わせしたその場で、およそでも目安になる金額を出せる方が、安心感はあります。

そこで、設計面で意識しなければいけないのが、

  • 予算配分(コストバランス):総合的な予算計画ではなく、建物の中での予算配分のこと。
  • お得感:上記の例えの様に、実際の価格以上の価値を感じさせること。

予算配分の下手な例を挙げると、敷地いっぱいにすぐ広くして、他に掛けられる予算を削ってしまい、コストバランスを悪くするというパターンですね。注文住宅にありがちな外構に予算を回さないとか。あとは、敷地いっぱいの間崩れ設計は、少なくなりましたが今でもたまに見かけます。

また、お得感の一例を挙げるなら、『オリジナルの規格化』です。

例えば、オリジナルキッチンを規格化すると、予算をつかみやすい既製品扱いができます。でも、お客さん側からすると、システムキッチンにはないオリジナルさ=価値を感じます。

つまり、『オリジナルの規格化』は、コストと価値のバランスが良いものになりやすいのです。コンセプト住宅もその流れの一つです。

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