性能や設備に頼りたいなら勝手に頼ればいい。

「性能、設備、建材などのハード(モノ)に依存するな」という話をよくするのですが、住宅業界では暗黙的に言ってはいけないことのようです(笑)

ただ、誤解してほしくないのは、住宅業界の構造上、建材メーカーがいないと成立はしないので、何も存在を否定しているわけではありません。

性能や設備などのハードに依存してしまうと、同等品や類似品が存在する以上、似たり寄ったりになり、

『あなたから買うべき理由(あなたと建てるべき理由)』

にならないのです。

どれだけこだわりがあろうとも、お客さんの目から見て、あなたと家を建てる理由がないと、集客もセールスもめちゃくちゃ苦労します。

もう、性能、設備、建材などのハード(モノ)に依存する時代じゃないんですよ。

性能や設備はあなたでなければならない理由にはならない。

性能、設備、建材などのハード(モノ)は、技術的な要素であり、物質的な部分で、『防具』みたいな存在です。

つまり、雨風から守る。地震から守る。暑い寒いから守る。犯罪から守る。など、外的要因から守るために必要な部分です。そのクオリティはもちろんのこと、満足度を満たすには、ある一定以上のレベルは必要です。

でも、そこに「あなたでなければならない必要性」を見い出せるでしょうか?

他社を寄せ付けない最高の技術をお持ちならまだしも、そうではありませんよね?そもそも、性能、設備、建材などのハード(モノ)に該当する部分は、誰だってやろうと思ったらできることが多いのです。

性能、設備、建材などのハード(モノ)は、「あなたでなければならない必要性」にはならないのです。

あなたから買うべき理由(あなたと建てるべき理由)になる武器とは?

『防具』の反対である『武器』については、以前このように書きました。

『武器』とは、体験的な要素であり、精神的な部分です。数字で表せるものではないので、感覚的なことになりますが、心をつかむ満足度につながる部分でもあります。例えば、賃貸では実現できなかったことができたとか、自分たちでもつくってみたとか。

そして、その両方についてまとめると・・・

この『武器と防具』は両方大事で、防具だけ強くても、敵は倒せません。守るだけでは、満足感を与えられないわけですから、相手は満足しないということです。

もちろん、武器だけが強くても、防具が弱ければ、やられます。満足感を与える多彩なことをやっていても、元の技術力が低いとクレームになるということです。図面通りに施工されてなかったり、建物が歪んでたり、雨が漏ったり、暑かったり寒かったり・・・ということですね。

また、武器と防具が強くても、自身のレベルが低いと、強敵は倒せません。つまり、良いものを取り入れても、扱う能力が低いと売れないってことです。

これらを、もっと完結に言えば、『信用』でしょう。

でも、家づくりにおける信用は、大手ハウスメーカーでないかぎり、会社ではなく、「この人の言う事は信用できる」「この人なら任せられる」「この人なら安心できる」とか、人に向けられるものです。

もちろん、性能、設備、建材などに向けられることはありません。「この性能は信用できる」「この設備は信用できる」「この建材は信用できる」なんて、判断できるだけの知識や経験を持ち合わせてない、一般の人から出てくる言葉ではないですよね?

つまり、信用は、あなたから買うべき理由(あなたと建てるべき理由)になってくれるのです。

人と人との信用を築く上において、性能、設備、建材などのハード(モノ)なんて、所詮道具にしか過ぎません。DIYやワークショップも同じことです。向き合う姿勢が不真面目だと、信用なんて築けません。傷つける嘘とかごまかしはもってのほかです。

所詮道具にしか過ぎない性能や設備などに、それでも頼りたいなら勝手に頼ってください。でもそういう方は、このブログやメルマガも読まない方がいいですよ(笑)

 

 

追伸:工務店経営者の方にお知らせです。

参加した工務店経営者の声
今ではたくさんのコンサル会社がいろいろなセミナーをやっている時代、どれを聞いても同じようなセミナーで、言っていることはだいたい同じ、特に共感できるところもなく金儲けでセミナーをやっているとしか思えないようなセミナーばかりでした。そしてある程度規模の大きい工務店、地場ビルダーを対象にしたセミナーが多いことでした。でも以前より何回か井内さん、出口さんのセミナーを受けていますが、とても分かりやすく中小工務店(年間棟数20棟程度まで)を対象にした問題点を取り上げてくれています。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。