あなたが提案する「自分らしい暮らし」って何?

先日、「注文住宅は機能・性能・意匠で差別化できるの?」という記事を書きましたが、もはや「機能・性能・意匠」ではなかなか差別化しにくいのが現実です。

注文住宅は機能・性能・意匠で差別化できるの?

2017年12月16日

そんな中で、わかりやすい切り口なのが、ファッション感覚です。ライフスタイルにも通じてくるので、非常に重要なポイントなのですが、住宅業界では意外と理解できない人が多いのも事実・・・なんとなくわかっていても、「自分らしい暮らし」みたいな抽象的な言葉で留まっていたりします。

「自分らしい暮らし」という言葉は、ライフスタイルで訴求しようとしてるつくり手に本当に多いです。けっして悪い言葉ではないし、伝えたいことはわかります。「自分らしく暮らしたくない人」なんていないでしょう。

ただ、人は、「悩み」や「願望」や「ジレンマ」や「欲求」など、いろいろな感情を複合的に合わせ持っています。そして、それらが同じレベルで並んでいるわけでもなく、解決したい・叶えたい「順序」というのがあります。

自分らしく暮らしたい」とは、誰もが持っている願望かもしれませんが、その人それぞれに、

  • キッチンは・・・
  • リビングは・・・
  • 寝室は・・・
  • 子ども部屋は・・・

など、優先したいわかりやすい願望があります。つまり、「自分らしく暮らしたい」という漠然としたものより、身近なニーズの方が心を掴まれやすいわけです。

結局、「自分らしい暮らし」という訴求は、本質的に相手の視点に立ったものではなくて、「主観」なんですよね。相手の立場になり、その相手の気持ちを理解する共感性は、あるようでないわけです。

そもそも、「自分らしい暮らし」という言葉が新鮮だったのも5年位前の話。誰でも使える言葉なので、もう響かないんですよね。「カフェ風」と同じで、マンネリ化した言葉に成り下がってる気がします。

だからこそ、あなたが提案する「自分らしい暮らし」って何なのか?そこを深掘りしていかない限り、「自分らしい暮らし」なんて、意味のない言葉となってしまうでしょう。

「コレ使ってます」「こんなデザインです」「この性能です」・・・そんなことじゃなくて、キッチンやリビングなど、わかりやすいニーズとなるスペースを、より具体的にイメージさせることも必要ですし、その家をどう使えばいいのか?その家でどのように暮せばいいのか?という提案も必要です。さらには、その方向性を神格化させるために、家以外のカテゴリーを具体的にしていき、世界観を築く必要もあります。

シンプルに言えば、写真を見て「どこの誰が建てた家」かが、わかるような「わかりやすさ」が必要ってことです。

「神格化」や「世界観」なんて、宗教じみた言葉っぽいかもしれませんが、目に見えない価値を生み出している一番の参考になる例は「宗教」ですからね。

ただ、ファッション的な切り口は、表面的にはわかりやすいのですが、こういった切り口は10年位前からあるわけで、今や当然、中身がしっかりしていなければ、大した武器にはなりませんよ。

 

 

追伸:工務店経営者の方にお知らせです。

参加した工務店経営者の声
今ではたくさんのコンサル会社がいろいろなセミナーをやっている時代、どれを聞いても同じようなセミナーで、言っていることはだいたい同じ、特に共感できるところもなく金儲けでセミナーをやっているとしか思えないようなセミナーばかりでした。そしてある程度規模の大きい工務店、地場ビルダーを対象にしたセミナーが多いことでした。でも以前より何回か井内さん、出口さんのセミナーを受けていますが、とても分かりやすく中小工務店(年間棟数20棟程度まで)を対象にした問題点を取り上げてくれています。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。