請け負う工務店の経営状態がわからない現代の家づくり

先日入院した際、採血をされた時に言われたのが、「血がかなりサラサラ」ということ。(ここ数ヶ月、お菓子やジュースなどの間食を止めて、飲み物もお茶から水に変えた効果かも!?)

正直、素人目にはそのサラサラ感がわからないのですが、たくさんの血を見てきている看護師にとってみたら、ドロドロした血とは明らかに違うようです。ドロドロした血だと、一見健康そうにみえても、動脈硬化をなりやすく、そこから「成人病」のほとんどの原因を引き起こすらしい。

人間にとっての健康状態は、企業にとっての経営状態と近いものがある

その時ふと思ったのが、「人間にとっての健康状態は、企業にとっての経営状態と近いものがある」ということ。

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経営状況が悪いとわかっていたら、始めから頼むことはしないけど・・・

どこの工務店の経営状態が良いか悪いかなんて、ぱっと見て判断つきやしないわけです。つまり、診断してみなければ細かいことがわからないってことです。

例えば、貯蓄はたくさんあるが、ここ数年で2500万円(粗利で600万円ぐらい)の住宅1件しか受注が取れていない工務店がいたとしましょう。受注が取れない以上、複業でもしてないかぎり、赤字なわけです。でも、蓄えがある分、すぐに倒産にはなりませんが、とても健全な経営をしているとは言えません。

悪い状況と知っていたら、その工務店で家を建てようとは思いませんよね?でも、そんな状況は、ぱっと見てはわからないのです。工務店も隠しますから。

だから、倒産間近な工務店に頼んでしまい、建築途中に夜逃げされたり、倒産したりする状況に合う建主が生まれてしまうんですよね。

日本の会社の6割は赤字会社

国税庁企画課のデータによると、令和3年度の時点で、欠損法人割合は61.7%です。

欠損法人とは、所得金額が負又は0となる法人、及び繰越欠損金を控除した結果所得金額が0となる法人を指します。簡単に言えば「赤字会社」ということです。

請け負う工務店の経営状態がわからない現代の家づくり
令和3年度分 会社標本調査結果について

赤字会社の中にも、一時的な赤字の場合もありますし、黒字になるポテンシャルを持っているにもかかわらず、税金を払いたくないから、節税対策して、無理やり赤字にしている会社もありますからね。(健康体になれる素質はあるのに、怠惰を求め不摂生な生活をするみたいな感じです。)

その逆で、銀行から融資受けるために、あえて利益を出すよう粉飾したりするケースもあるでしょう。公共工事を行う建設会社だと、経営事項審査のために粉飾するケースもあるでしょう。(不健康なのに、健康そうに見せるってことですね。)

不摂生な生活がやがて身を滅ぼすように、赤字体質から抜け出せない状況は、いずれ資金不足を招きます。

「皆、赤字だから」と考えがちですが、やっぱり健全ではないんですよ。

小さな会社ほど、利益が出たら節税に走ろうとする。

以前、とある小さな工務店の経営者が、「今期、仕事がたくさん取れて、節税をどうしようか?」と悩まれていました。

その時は気にも留めてなかったので受け流してましたが、今考えると、「節税をどうしようか?」と悩むなんて、健全な経営とは呼べないですよね。

思い返せば、不思議と小さな会社ほど、利益が出たら節税に走ろうとする傾向があります。未来へ投資をするという概念がないかもしれません。

しょうもないことに使う節税対策なんて、課税の繰り延べ(税金の先送り)に過ぎないわけですから、利益が出たなら、下手に節税するより、税金払って内部留保に回したり、未来へ投資した方がよほど健全な経営だと思いますよ。

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