【図解】工務店が利益を出すためのチャート

「売上を上げるには?」という話で、いつも下記のような公式が取り上げられます。

  • 売上=客数×客単価×購入頻度

注文住宅が中心の工務店の場合、「購入頻度」は1なので、単純に「客数×客単価」となるわけで、そんなの言われんでもわかるレベルの話だと思います。

ただ、この公式は間違いではないんですが、見えてないものが多々あるんですよね。

目次

「売上=客数×客単価×購入頻度」で見えていないもの

工務店に限らず、実際のビジネスにおいては、多くの要素が関係してきます。市場の動向、競合他社の戦略、顧客の変化するニーズや嗜好、技術革新など、多くの外部要因も売上に大きく影響を与えます。また、経営の効率性やコスト管理、社内のプロセスといった内部要因も関わってきます。

なので、コンサルなどから自慢気にこの公式を言われたら、「そんな単純じゃねーよ」と言ってあげてください(笑)

今回、見えていないものの中で取り上げたいのは、「利益」です。

そもそも「売上」というのは、入口にしかすぎません。しかも、売上を上げたからといって、利益が残るとは限りません。

以前、とある工務店の社長から、「売上を上げるために、無理して棟数を倍に増やしたことがあったけど、結局、手元に残る利益が、棟数を倍にする前とほとんど大差なかった。しかも、棟数が増え、全棟に目が届かなくなってしまったため、クレームが増えてそのフォローも増えてしまった。利益が同じぐらいで忙しさが増すなら、棟数を無理に増やす必要ないので、棟数を以前のように戻した」という話を聞いたことがあります。

「仕事も増えて忙しくなった」なのに、「全然お金が残らない」という状況にはなりたくないですよね?

また、別の工務店だと、売上を上げるために、薄利のローコスト住宅で展開して、棟数は多かったものの、広告費や拠点や人件費などの固定費もかさみ、全く手元にお金が残らず、銀行からの融資頼みで、最終的には倒産したケースもありました。

小さな会社ほど、売上より利益額ですよ。

ただ、利益というのは、下記のチャートの様に、様々な要素で構成されています。たくさんの要素がありますが、これらの数字は、決算書からわかる部分でもあります。

【図解】工務店が利益を出すためのチャート

【図解】工務店が利益を出すためのチャート
利益を出すためのチャート

利益を出すための戦略は、下記の切り口から導き出されます。

利益(営業利益)を出すためには、

  • 粗利益を増やす
  • 固定費をコントロールする(下げればいいというものでもない)

粗利益を増やすためには、

  • 売上高を増やす
  • 変動費を下げる

売上高を増やすためには、

  • 売上単価を上げる
  • 売上数量を増やす

売上数量を増やすためには、

  • 新規客を増やす
  • リピーターを増やす

固定費をコントロールするためには、

  • 人件費をコントロールする(下げればいいというものでもない)
  • 経費を減らす(無駄使いをなくす)
  • 金利を下げる
  • 未来への投資を増やす(投資と消費は異なる)

以上が、利益を出すための切り口になります。

それぞれの切り口でできることは、会社によっても異なってきますが、大きく分けることで、優先的にしたほうがいいことの方向性が見えやすくなります。

集客手法ばかりに目が行きがちですが、「利益を出す」ということを最優先に考えると、できることは多々あるんですよね。

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