赤字への耐性がどの程度あるのかを見て、経営の安全性を判断する

10月に入り、インフルエンザワクチンの季節になりました。

インフルエンザの流行は、例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり、1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃まで続きます。ワクチンの効果は、現れるまでに約2週間程度かかり、 約5ヶ月間その効果が持続するとされているので、遅くとも10月下旬~11月初旬には摂取しておいたよさそうです。

自分自身が気を付けていたとしても、周りの環境でうつされるケースだってあるわけです。感染したりさせたり、症状が重くなったりして迷惑をかけることを考えたら、予防対策は大事かと。

また、健康な体を維持するために、日頃から体力や免疫力を高めておくことは非常に大事です。例えば、免疫力が高ければ、風邪になりにくいわけですが、たとえ風邪に掛かったとしても、ひどくなることはありません。逆に、免疫力が低ければ、こじらせて肺炎にまでなることだってあります。

これは経営でも同じことが言えます。

順調にいってたとしても、社会情勢や予期せぬ事で、経営状態が悪くなって売上が減少し、赤字になることだってあるかもしれません。たとえ社会情勢や予期せぬ事であったとしても、倒産したら終わり、経営者の責任です。

その赤字への耐性が、どの程度あるのかを見る指標の一つがも、決算書の中に隠れています。

それが、「経営安全率(安全余裕率)」です。

経営の安全性を判断する指標「経営安全率」

経営安全率は、企業の赤字への抵抗力を見て、その企業の経営の安全性を判断する指標の一つです。

難しい経営分析なんて必要ないとは思いますが、最低限の押さえておかなければならない数字の一つ、それが経営安全率です。

経済安全率は、粗利益の内、経常利益がどのくらいを占めているか?という割合のことを指します。

  • 経営安全率=(経常利益/粗利益)×100 
 売上 ー 変動費 = 粗利益
粗利益 ー 固定費 = 経常利益

これにより、売上や粗利益が何%減少したら経常利益が0となり、赤字になるのかがわかります。例えば、経営安全率が10%の会社なら、売上が10%ダウンすると経常利益が0となります。

つまり、経営安全率をみれば、何%の売上高の減少に耐えられるかがわかるのです。なので、経営安全率が高いほど、経営の安定した倒産しにくい会社となります。

経営安全率は高いほどよいですが、15%以上を目標とすることが目安と言われています。参考値があるようですので、載せておきます。

経営安全率 会社の状態
50%以上 理想的
31%〜49% 優良/優秀
16%〜30% 標準(目標域)
6%〜15% 最低限のレベル
5%以下 危険水域
0%以下 赤字企業

黒字企業の最新業績速報『TKC経営指標 BAST速報版』平成30年4月決算~平成30年6月決算のデータを見る限りですと、「木造建築工事業」の経営安全率は15%ほどです。

目標値は目安としながらも、自分の会社の経営安全率を期間比較していくことが大事です。

経営安全率を高めるには?

経営安全率を高めるためには、粗利益に占める経常利益の割合を高めることです。

つまり、経常利益を増やすということです。

経常利益=粗利益-固定費

ですから、

  • 粗利益を増加させる(販売価格を上げる、変動費を下げる)
  • 固定費(人件費や経費)を削減する

ことが、経営安全率を高めることに繋がります。

 

 

追伸:工務店経営者の方にお知らせです。

参加した工務店経営者の声
今ではたくさんのコンサル会社がいろいろなセミナーをやっている時代、どれを聞いても同じようなセミナーで、言っていることはだいたい同じ、特に共感できるところもなく金儲けでセミナーをやっているとしか思えないようなセミナーばかりでした。そしてある程度規模の大きい工務店、地場ビルダーを対象にしたセミナーが多いことでした。でも以前より何回か井内さん、出口さんのセミナーを受けていますが、とても分かりやすく中小工務店(年間棟数20棟程度まで)を対象にした問題点を取り上げてくれています。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。