木造建築工事業(工務店)の黒字企業の経営指標(平成30年4月決算~平成30年6月決算)

木造建築工事業(工務店)の黒字企業の経営指標(平成30年7月決算~平成30年9月決算)

2019.01.18
2019年1月に「平成30年7月決算~平成30年9月決算」版に更新されたものを掲載していますが、記録のために残しておきます。

経営指標を定めるにしても、業界の参考値がわかると、目安を立てやすいものです。

TKC経営指標を見ると、木造建築工事業の黒字企業の平均値が載っていますので、こちらを参考にすると良さそうです。

掲載データは、黒字企業の平均データなので、目安にするにはいいですね。

木造建築工事業の黒字企業の平均値

●黒字企業の定義…… 1.期末純資産がプラス、かつ、2.当期損益がプラスの企業を指す。
●収録対象企業……… 直近3ヵ月間に決算を終了した企業。平成30年10月号掲載分は平成30年4月1日~平成30年6月30日までに決算が終了した企業のうち黒字企業を収録。

平成30年4月決算~平成30年6月決算

業種名 木造建築工事業  
黒字企業件数 396 (件) 
黒字企業割合 41.4 (%)
平均売上高 300,043 (千円)
対前年売上高比率 106.0 (%)
限界利益率 28.6 (%)
固定費 人件費 41,665 (千円)
労働分配率(%) 48.6 (%)
その他の固定費(千円) 30,935 (千円)
経常利益(千円) 13,092 (千円)
売上高経常利益率(%) 4.4 (%)
損益分岐点比率(%) 84.7 (%)
生産性(年/人) 1人当り売上高(千円) 37,677 (千円)
1人当り限界利益(千円) 10,781 (千円)
1人当り人件費(千円) 5,232 (千円)
平均従事員数 8.0 (人)

売上高などは企業規模によって異なるので、あまり参考にはなりませんが、比率や一人当たりの数値は参考になります。黒字企業の平均データなので、目安にしましょう。

黒字企業割合は41.4%ということは、6割近くは赤字。

半分以上が赤字なのは、残念ですね。もちろん、永く継続して地元に根ざした経営をしていくなら、継続した黒字化は必須でしょう。

限界利益率(粗利益率)の平均は、28.6%。

昔から「粗利30%取れれば優秀」と聞いていましたが、黒字企業の平均が28.6%でした。

工務店によっては、25%以下の数字に耳にすることがありますが、安定した黒字化を目指すなら、安易な値引きなどをして、28.6%を割らないようにしないといけませんね。

売上高経常利益率の平均は、4.4%

木造建築工事業の場合、1棟当たりの金額が大きいため、売上高が大きくなります。

そのため、経常利益が出て黒字だと思っていても、売上高経常利益率を算出してみると、1%台や1%を下回ってるケースもあります。見落とさないようにしましょう。

損益分岐点比率の平均は、84.7%

80~90%が日本企業の平均的な数値と言われていますので、平均値内ということです。

工務店経営者が自社の損益分岐点売上を知るには?

2018.10.25

労働分配率の平均は、48.6%

ほぼ50%に近い数字です。無理して40%前半台まで低くする必要もないということですね。

工務店は人件費をいくらまで出せるのだろうか?

2018.10.24

生産性の平均は?

従業員一人あたりの平均データ(年間)は、

  • 1人当り売上高:約3800万円
  • 1人当り粗利益:約1080万円
  • 1人当り人件費:約530万円

となっています。

経営安全率の平均は、15.3%

上記の表の平均内容から経営安全率を算出すると、

(13,092:経常利益)/(300,043✕28.6%:粗利益)×100=15.25655・・・

一般的な参考値の中では「最低限のレベル~標準」の間です。

赤字への耐性がどの程度あるのかを見て、経営の安全性を判断する

2018.10.20

従業員一人当たりの売上高が3200万円以下だと赤字企業の可能性が高い!?

売上高を従業員数で割った値の平均が、約3800万円です。そして、損益分岐点比率が84.7%なので、掛け算すると、

3800万円 ✕ 84.7% = 約3200万円

従業員一人当たりの売上高が、3200万円を切っているようだと、赤字企業の可能性が高いという判断ができます。

工務店経営者が自社の損益分岐点売上を知るには?

2018.10.25

 

 

追伸:工務店経営者の方にお知らせです。

参加した工務店経営者の声
今ではたくさんのコンサル会社がいろいろなセミナーをやっている時代、どれを聞いても同じようなセミナーで、言っていることはだいたい同じ、特に共感できるところもなく金儲けでセミナーをやっているとしか思えないようなセミナーばかりでした。そしてある程度規模の大きい工務店、地場ビルダーを対象にしたセミナーが多いことでした。でも以前より何回か井内さん、出口さんのセミナーを受けていますが、とても分かりやすく中小工務店(年間棟数20棟程度まで)を対象にした問題点を取り上げてくれています。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。