付加価値を生み出し利益を出すための営業・設計・積算の役割

掛かる経費が高いと、その分建物を高く売らなければなりません。もちろん、高額になりすぎてしまえば、売れにくくなってしまいます。

理想は、経費を削減して商品価格を抑え、確実に利益を出すことでしょうが、以前も書いたように、経費や人件費は削減ではなく上手くコントロールする必要があります。

経費と人件費は削減ではなくコントロールする

2018年12月4日

そこで今回は、

  • 営業
  • 設計
  • 積算

という視点で人件費のコントロールを考えていきたいと思います。

付加価値を生み出し、利益を出すためには、

  • 営業
  • 設計
  • 積算

の役割は外せません。これらを担当する人件費が大きくなってしまうと、費用以上の対価を生み出せなくなります。

その場合、自社が優先してできる建物金額のコストダウン方法は、

  • 値引きなどで粗利率を下げる
  • 安い材料を使う

ということに行き着いてしまいます。建材や職人の原価や下げることは、相手あってのことなので、自社都合で優先的にコントロールできるものではないですしね。

目指すは「少数精鋭」でしょう。

営業マンは雇わず、社長が営業する

「営業=利益を得る」役割

営業マンについては、以前も書いたことがありますが、年間20棟未満の工務店には営業しかできない営業マンは不要だと思っています。

【閲覧注意】住宅営業マンの99%は不要!

2014年11月26日

営業マンは必要ありませんが、営業は必要ですので、仕組みができてない内は、社長が営業を担うのが効率の良い方法でしょう。

仕組みができてない内は、

  • 売り上げの全部、または大半を社長自身が営業。
  • 売り上げが社長の人格に依存。

という状態になります。

もちろん次のステージに進むには、仕組み化して営業の役割を離れ、社長は次なる問題解決に取り組む必要があります。

ですが、「社長が自信をもってクロージングできる営業力」ここが上手くいっていない状態で、仕組み化しようとしても、上手くいかないんですよね。なぜなら、売れないから。

社長自身が営業できないなら、クロージングできる営業マンを雇わなくてはいけませんが、固定費や効率を考えると、年間20棟未満の工務店にとっては不利に働きます。(厳しいこと挙げるなら、中小の会社に優秀な人材は来ません。)

自分が出向くのではなく、出向いてもらう側になる。

注文住宅では今では少なくなりましたが、建主の元に訪問して、提案する住宅の良さなどを売り込んだり、打ち合わせをする方法では、非常に時間がもったいないです。

自分が出向くのではなく、お客さんに出向いてもらう側になりましょう。

そのためには最低限、打ち合わせするスペースは充実させておく必要がありますし、お客さんが来店する前から、事前にコンセプトや商品を知ってもらうための仕組み(WEB等)を作る必要があります。

コストに影響する設計の役割

「設計=利益を上げる」役割

今や意匠デザインは欠かせない付加価値となっていますので、最近では工務店内にも設計を担当する人がいることも多くなりました。

多くの人は「設計=意匠デザイン」と考えがちですが、意匠性ということで「工務店の設計」というポジションを考えると、ほとんどの工務店は、設計事務所よりはオリジナル性が低く、ハウスメーカーよりはオリジナル性が高いという立ち位置になります。

そういう状況を踏まえると、年間20棟未満の工務店の設計に求められるのは、意匠デザイン以上に、

  • 契約までの期間や、打ち合わせの期間を短くする設計
  • 施工しやすい設計

だと思っています。これらは、コストにも影響してきます。

つまり、無理に一から設計する必要もないですし、複雑な設計にする必要もないと思っています。いわゆる、規格化や企画化を取り入れるということです。

もちろん、社長自身が設計が好きで追求したければしてもかまわないですが、それだけ社長の時間が奪われるということを頭に入れておいてください。

そして、さらに効率を良くし、付加価値を高めることを考えると、以下の役割を担うことが求められます。

  1. 打ち合わせや基本計画(2のチェック)
  2. 図面作成

1は、図面をつくるより、提案できる営業力と、基本プランをまとめる設計力が求められます。(2の図面をチェックする作業も求められます。)

2は、裏方として図面をつくる役割です。

棟数が少ない場合は、兼任したり、社長が1を担い従業員が2を担うということもあるでしょう。

社長が行う積算は利益管理

「積算=原価を下げる」役割

一般的な住宅では、提案したプランごとにどのくらいの原価が掛かるか積算し、その積算金額に会社の利益を乗せて、見積もりを提出する。という流れだと思います。

この流れでは、毎回違う設計や仕様だと、毎回一から積算する必要があるため、かなりの時間と手間が掛かります。ですが、今では見積もりソフトが充実しているので、設定さえすれば、現場監督以外でも見積もりできてしまったりします。

それよりも追求すべき部分は、利益管理、いわゆる原価チェックです。

全体の利益は、各工事の利益の積み上げによってもたらされますので、各工事の実行予算を把握することは、利益計画のスタートになります。

元々の実行予算と実際の発注金額との差を検証することは、現場監督には任せられない社長しかできない部分ですが、意外とおろそかになりがちです。なぜなら、営業や設計などの業務に追われてできていないという社長が多いのです。

まとめ

  • 営業=利益を得る。
  • 設計=利益を上げる。
  • 積算=原価を下げる。

まず上手くいく流れができるまでは、社長は「営業」や「設計」に力を入れたほうがいいです。

この2つは仕組み化できる部分でもあるので、社長自身が実績を残し、流れが固まったところで、社長でなくとも担えるよう仕組み化していき、社長にしかできない仕事=「利益管理」を行うということです。

 

 

追伸:工務店経営者の方にお知らせです。

参加した工務店経営者の声
今ではたくさんのコンサル会社がいろいろなセミナーをやっている時代、どれを聞いても同じようなセミナーで、言っていることはだいたい同じ、特に共感できるところもなく金儲けでセミナーをやっているとしか思えないようなセミナーばかりでした。そしてある程度規模の大きい工務店、地場ビルダーを対象にしたセミナーが多いことでした。でも以前より何回か井内さん、出口さんのセミナーを受けていますが、とても分かりやすく中小工務店(年間棟数20棟程度まで)を対象にした問題点を取り上げてくれています。

この記事が気に入ったらシェアいただけると嬉しいです。


工務店経営者に役立つ
  • ・お金のブロックパズル
  • ・利益を出すためのフローチャート
メルマガご登録者に、木造建築工事業(工務店)の黒字企業の経営指標(参考値)を当てはめた、ブロックパズルとフローチャートを差し上げています。


ご入力いただいたメールアドレスに、不定期メールマガジン『イエコトバ』をお届けいたします。不要な場合、いつでも解除できます。
 

ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。