小規模の工務店が「安く提供しよう」と考えるのは赤字への第一歩

小規模の工務店にもかかわらず、「安く提供しよう」と考える経営者は意外と多いです。

  • 安くしないと売れないと思っている
  • 安くすることが良いと思っている

原理原則からいっても、小規模な工務店が、安く売ることをモットーとしていれば、数売ることが望めない以上、次は変動費や固定費を削らないと、利益が出ない構造になっていきます。つまり、安かろう悪かろうに行き着いてしまいます。最後は倒産となり、多くの人に迷惑が掛かる話になってしまいます。

統計学で考えても、木造建築工事業の6割は赤字です。企業規模の比率を考えても、その多くは、20棟未満の小規模工務店なのではないでしょうか?

つまり、多くの小規模の工務店が「安く提供しよう」と考えてることは、赤字への第一歩となるわけです。「赤字マニュアル」をつくるなら、最初に書く項目でしょうね(笑)

安く提供するのは、大きな会社に任せておけばいい話。小規模の工務店は、「利益額」にこだわりましょう。

利益額をアップするにはどうするか?

1.粗利益率を上げる

シンプルな考え方ですが、粗利益率を高めれば、利益額はアップします。

例えば、原価1600万円で粗利益率20%の場合、販売価格(見積価格)は、1600/(1-0.2)=2000万円になります。粗利益額は400万円です。

原価1600万円で粗利益率28%の場合、販売価格(見積価格)は、1600/(1-0.28)=約2220万円になります。粗利益額は620万円です。

その差は、1.55倍。

2000万円の住宅を3棟売る労力と、2220万円の住宅を2棟売る労力、どちらが大変でしょうか?(1棟を売るための労力はさほど変わりませんので、大変なのは前者かと。)

また、利益率が上がれば、同じ数の住宅を請けても、より単価の高い住宅を請けることができれば、利益額を増やすことができます。年間10棟で計算すれば、その粗利益額は2200万円も変わってきます。1棟分の売上額に匹敵しますね。

利益額をアップさせることに求められるのは、

  • お金に対するメンタル改善
  • その価格に見合う価値

です。

2.価格に見合う価値を高める

単に価格を上げたとしても、購入者側がそれに見合う価値を感じなければ、売れやしません。

ローコスト住宅が流行った時代は、安く手に入れたいと考えている人が多かった気がしますが、それで痛い目を見た人達の前例が増えたことで、予算内で価値に見合っているなら支払ってもよいという基準を、持つようになってきています。

そして、その基準は、デザイン・仕様・広さ・価格など、最初に得た情報や、いくつか得た情報の平均値になりやすいです。価格が、その基準よりも安ければ買ってもらえますし、高ければ買ってもらえません。

つまり、「価格を上げる」ということは、商品の魅力を高め、お客さんに割安感を感じてさせることも求められてきます。

商品の魅力を高める3つのポイント

普通の商品であれば、「新たな機能や性能の向上」も、魅力を高める取り組みになるのですが、住宅の場合は、建材メーカーから仕入れている以上、どの工務店も同じことができるので、差が出にくいんですよね。

差を出すことを踏まえると、

  1. 希少性を出す
  2. ブランドを作る
  3. 付加価値を付ける

どこでも買えるものに魅力がないように、どの工務店でも建てられるような家に魅力はありません。どこでも手に入るものは自然と価格は下がってしまいます。「ここでしか建てられない」という希少性は魅力となります。

ブランドは、ロゴをつくったり、メッセージをつくったりすることではありません。ブランドとは「信用」です。「信用を裏切らない」「期待に応える」ことだけではなく、それを続けることが求められます。積み重ねたそのブランドは唯一無二の存在になります。

また、商品そのものだけでなく、アフターサービスなど、付帯するものにも価値を付け加え、商品全体の魅力を高めることです。

ただしこれらも、他が同じことをしてしまえば、価値は下がっていくものです。経営者であれば、価値向上のために商品の魅力アップに、日々取り組み続けなければならないということです。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

あなたにしかできない世界観のある家づくりを始めよう!そして、家を楽しむことを提案しよう!建材メーカー主導のモノの価値を訴求する家づくりではなく、「暮らしをモノで豊かにしようするのではなく、暮らしを精神的に豊かにする。」そんな考え方です。