木造建築工事業(工務店)の黒字企業の経営指標(平成30年7月決算~平成30年9月決算)

経営指標の数値として参考にさせてもらっている、黒字企業の最新業績速報『TKC経営指標(BAST)』が、(平成30年7月決算~平成30年9月決算)版に更新されています。(毎月更新されているようです。)

木造建築工事業の黒字企業の平均値

●黒字企業の定義…… 1.期末純資産がプラス、かつ、2.当期損益がプラスの企業を指す。
●収録対象企業……… 直近3ヵ月間に決算を終了した企業。平成31年1月号掲載分は平成30年7月1日~平成30年9月30日までに決算が終了した企業のうち黒字企業を収録しています。

平成30年7月決算~平成30年9月決算

業種名 木造建築工事業
(平成30年4月決算~平成30年6月決算)
木造建築工事業
(平成30年7月決算~平成30年9月決算)
 
黒字企業件数 396  379 (件) 
黒字企業割合 41.4  41.9 (%)
平均売上高 300,043  281,818 (千円)
対前年売上高比率 106.0  104.7 (%)
限界利益率 28.6  29.0 (%)
固定費 人件費 41,665  40,806 (千円)
労働分配率(%) 48.6  50.0 (%)
その他の固定費(千円) 30,935  31,281 (千円)
経常利益(千円) 13,092  9,567 (千円)
売上高経常利益率(%) 4.4  3.4 (%)
損益分岐点比率(%) 84.7  88.3 (%)
生産性(年/人) 1人当り売上高(千円) 37,677  35,793 (千円)
1人当り限界利益(千円) 10,781  10,360 (千円)
1人当り人件費(千円) 5,232  5,182 (千円)
平均従事員数 8.0  7.9 (人)

比較のため、「平成30年4月決算~平成30年6月決算」も並べています。

売上高などは企業規模によって異なるので、あまり参考にはなりませんが、比率や一人当たりの数値は参考になります。黒字企業の平均データなので、目安にしましょう。

黒字企業割合は41.9%なので、6割近くは赤字。

半分以上が赤字なのは、残念ですね。もちろん、永く継続して地元に根ざした経営をしていくなら、継続した黒字化は必須でしょう。

限界利益率(粗利益率)の平均は、29.0%。

昔から「粗利30%取れれば優秀」と聞いていましたが、黒字企業の平均が29.0%でした。

工務店によっては、25%以下の数字に耳にすることがありますが、安定した黒字化を目指すなら、安易な値引きなどをして、29.0%を割らないようにしないといけませんね。

売上高経常利益率の平均は、3.4%

木造建築工事業の場合、1棟当たりの金額が大きいため、売上高が大きくなります。

そのため、経常利益が出て黒字だと思っていても、売上高経常利益率を算出してみると、1%台や1%を下回ってるケースもあります。見落とさないようにしましょう。

損益分岐点比率の平均は、88.3%

80~90%が日本企業の平均的な数値と言われていますので、平均値内ということです。

労働分配率の平均は、50.0%

無理して40%前半台まで低くする必要もないということですね。

生産性の平均は?

従業員一人あたりの平均データ(年間)は、

  • 1人当り売上高:約3600万円
  • 1人当り粗利益:約1040万円
  • 1人当り人件費:約520万円

となっています。

経営安全率の平均は、11.7%

上記の表の平均内容から経営安全率を算出すると、

(9,567:経常利益)/(281,818✕29.0%:粗利益)×100=11.7・・・

一般的な参考値の中では「最低限のレベル」です。

経営安全率 会社の状態
50%以上 理想的
31%〜49% 優良/優秀
16%〜30% 標準(目標域)
6%〜15% 最低限のレベル
5%以下 危険水域
0%以下 赤字企業

従業員一人当たりの売上高が2800万円以下だと赤字企業の可能性が高い!?

売上高を従業員数で割った値の平均が、約3600万円です。そして、損益分岐点比率が88.3%なので、掛け算すると、

3200万円 ✕ 88.3% = 約2800万円

従業員一人当たりの売上高が、2800万円を切っているようだと、赤字企業の可能性が高いという判断ができます。

この記事が気に入ったらシェアいただけると嬉しいです。


工務店経営者に役立つ
  • ・お金のブロックパズル
  • ・利益を出すためのフローチャート
メルマガご登録者に、木造建築工事業(工務店)の黒字企業の経営指標(参考値)を当てはめた、ブロックパズルとフローチャートを差し上げています。


ご入力いただいたメールアドレスに、不定期メールマガジン『イエコトバ』をお届けいたします。不要な場合、いつでも解除できます。
 

ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。