広告費に対してどのくらいの売上や粗利益が必要なのか?

「広告宣伝」とは、伝える手段と思っているので、費用を掛ければいいってものでないし、掛けなければいいってものでもないと思っています。現代においては、常にテストするぐらいの感覚が必要なんだろうなと感じています。

広告費をお客様に負担させない?なら、そのコストカット分を提示してほしい。

住宅業界の小規模工務店に多い謳い文句で

「広告費をお客様に負担させない」

というのがあります。「余計な経費を掛けないで、固定費を下げ、安く提供する」という考えからそのように謳っているのだと思います。

各々の経営判断なので、否定するつもりはありませんが、そういう経営者に限って、そのコストカット分がどれだけなのかを具体的に提示している人はいません。

ハウスメーカーを目の敵にするなら、そのコストカット分を提示してくれと思う。ジリ貧の会社が「広告費をお客様に負担させない」といったところで、「そりゃ、掛ける金もないからでしょ」って話です。

掛ける掛けないは別にして、年間にどれだけの広告費が掛けられるかは、経営計画の中で、およその予算は検討がつきます。売上の何%みたいな安易なことは、やってはダメですよ。ちゃんと導き出せるんだから。(きちんと仕訳していることが前提ですが)

工務店は、商品開発・広告宣伝・ブランディングなど将来への投資に、どのくらいの費用を掛けたらいいのか?

2019年1月24日

そもそも、

「広告費に対してどのくらいの売上や粗利益が必要なのか?」

計算したことない人も多いのではないでしょうか?

広告費に対してどのくらいの売上や粗利益が必要なのか?

こんな条件で考えてみましょう。

  • チラシ広告(折込) 10000部に1組の集客率
  • 5組は集めたい。→5万部のチラシが必要。
  • 制作費や印刷、折込費用合わせて、1回5万部で40万円ぐらい掛かる。

広告費が40万円増えるということは、固定費が40万円増えることになります。ということは最低でも、粗利益も40万円増やしていかないと、利益は目減りし、費用対効果が悪くなります。

では、どれだけ売上を上げればいいかというと・・・

粗利率25%という前提で考えたら、

  • 40万円÷25%=160万円

が、最低限必要な売上UPと算出されます。

もちろん、この値は損しない最低基準(損益分岐点売上)なので、それ以外のコストも同時発生するでしょうから、それらも加味する必要があります。

ちなみに、粗利率20%と30%なら、

  • 40万円÷20%=200万円
  • 40万円÷30%=約133万円

が、最低限必要な売上UPになります。

1回でこの金額ですから、10回も行えば、

  • 粗利益率20%場合:200×10=2000万円
  • 粗利益率25%場合:160×10=1600万円
  • 粗利益率30%場合:133×10=1330万円

という差が出てきます。年間400万円の宣伝広告費の場合も同じですね。

広告宣伝費に対する必要売上UP分の価値を与えられるかどうか?

上記の例を踏まえると、広告宣伝費に対する必要売上UP分の価値を与えられるかどうか?のバランスを検討することもできるわけです。

例えば、年間10棟で、年間300万円の広告宣伝費を使っているなら、

  • 粗利益率20%場合:300÷20%=1500万円 1棟辺り150万円+
  • 粗利益率25%場合:300÷25%=1200万円 1棟辺り120万円+
  • 粗利益率30%場合:300÷30%=1000万円 1棟辺り100万円+

という算出になります。

粗利益率を上げれば、広告宣伝費に対する必要売上UP分は低くなりますが、多分そこまで原価を下げることはできないと思われますので、販売価格を上げざるをえないと思われます。プラス、広告宣伝費に対する必要売上UP分に対して、相応の価値を与えられるかどうか?が鍵になります。

それができないなら、広告宣伝費を下げるなど、余計な経費を掛けないという判断になるんでしょうね。ただし、多くの人がそれを選択すると思うので、個人的には、粗利益率を上げて、相応の価値を与えることに努めたほうがいいと思っています。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。