小さな工務店は年間完成棟数10~20頭前後が良い!?

Twitterの設定を変えようといじっていたら、「ブロックしたアカウント」をふと目にし、「誰かブロックしてたかなぁ?」と覗いてみたら、

・・・いた(笑)

昔、セミナー参加後に、「相談に乗ってほしいから会社まで来てほしい」という問い合わせをしてきた住宅営業マンです。

目次

やはり住宅営業マンを信用してはいけない

当時、その問い合わせに対し、「費用をみていただけるなら」ということで返答をし、承諾を得たので、半日ほど時間を設けました。

で、終わった後に、確認で「請求書は◯◯さん宛に送ればよろしいですか?」と確認をしたら、「はい」と返事だったので、後日、その通りに請求をしたのです。

ですが、1ヶ月後の支払日になっても入金ありません。

忘れているかと思い、メールを送っても返信なし。それまで到着時間などのやり取りをしていたにも関わらず、何度か送ったがいっこうに返信はありません。

さらに1ヶ月を過ぎても、音沙汰ないので、「支払いがない場合、保証会社からの請求に切り替わりますよ」とメールを送ったら、翌日支払ってきました(笑)

ですが、遅れたことに対して、なんの説明もありません。

にも関わらず、メルマガを購読していたり、SNSをフォローしてたので、メルマガも強制解除し、SNSはブロックで弾きました。

振り返れば、セミナー費用自体も遅延してたし、会社自体も年間40棟ぐらいで、一番危ないゾーンに属しているにもかかわらず、社長もキャラ作りに必死で、見栄がふんだんに出ていた会社でしたから、こういう会社は数年後にはダメになるだろうな・・・と、思いながら、ブラックリストに追加したのでした。

やはり、住宅営業マンを信用してはいけません・・・

工務店が倒産しかかっている時に起きやすい傾向

話は戻り、「ブロックしたアカウント」にあった営業マンのアカウントを見ると、鍵マークがついており、非公開になっていました。

実はこれ、ヤバいパターンで、会社が倒産しかかっている時に起きやすい傾向です。

気になって、その会社を検索してみると、ホームページからはスタッフ紹介などが削除され、更新頻度の高かったブログやSNSも更新されていませんでした。

さらに、匿名掲示板を覗き込むと、案の定、現在Xデー間近の倒産寸前のようですね・・・年間40棟規模だと、倒産すればネットニュースで取り上げられるでしょう。

追伸:その後、倒産しました。

ピーク時には12億円を超える売上高を計上していたようですが、6億円台にまで落ち込んでいたようです。過去の設備投資による借り入れ負担ものし掛かり利益確保に苦戦し、債務超過額が4億円を上回ってたようです。

・・・そりゃあ、支払い渋りますね。

年間30~40棟って一番危ない

年間30~40棟って、一見凄そうに見えますが、

  • 損失の増加
  • 固定費の増加

で、正直、お金が残りにくい層に属します。

損失は、一棟一棟に社長の目が届かないため、仕組みが整っていないと、クレームも起きやすくなり、増えてきます。

固定費は、30~40棟ぐらい規模になると、営業マンを雇うなど人員を増やす必要があるため、固定費が一気に増えます。

上手くいってる時はいいのですが、人件費など安易に削れない固定費の増加は、売上が減少した時にはかなりの負担になります。運転資金も尽きれば、一気に自転車操業へと陥ります。

さらに付け足すなら、30~40棟ぐらいで失敗していく経営者には、見栄はりが多い気がします。

見栄をはってると、削減という考えには至りませんからね。売上を確保したいから、辞めてく営業マンの代わりに、また営業マンを新規採用したりするんですよ。さらには、集客したいから、広告も打っていきます。

見栄とプライドで、その売上目標が重荷になっていることを認めたくないんですよね。一度築いた実績を崩したくないのでしょう。

そんなやり方をしていたら、終いには、職人への支払いも滞るので、現場もストップし始めます。その頃にようやく施主も気付き始めます。

投資が重荷になる瞬間

会社が大きくなればなるほど、外部資本にも頼っている分、関わる人も多く、色々なところにリスクが眠っています。

例えば、LIXIL。社長の交代劇。減益。株価も低迷。株主からの不信感。解任要求。加えて、CMに起用したピエール瀧の逮捕・・・大変なこと続きなときがありました。

会社が大きくなればなるほど、従業員も保守的になるので、結局、アイデアよりパワープレーになります。実際、ベンチャーから上場した会社の役員でも、保守的に変貌してましたからね・・・

小規模な工務店なら、外部資本に頼りすぎない経営にすることも可能です。また、投資とスピードを持ち合わせれば、最小の元手で最大の利益を稼ぐ効率化もできます。

生産性をアップさせるための設備投資だったり、新規事業への事業投資だったり、組織を強化するための教育だったり、社内にないノウハウや知見を手に入れるためだったり、経理や雑務の効率化のITインフラだったり、事務所の修繕やリニューアルだったり・・・

これらの投資は、年間20棟を超えて、40、60棟を目指す会社もおこなってたりするのですが、棟数を追い求めたことで、固定費もかさみ、クオリティも落ちます。そして、流れが傾いた時には固定費や投資したことが重荷になってしまい、倒産へと繋がるケースは多いです。

上手くいってる時は、どうしてもおごってしまうもの。でも、良いときばかりでないのが事業経営です。

強く永く続くためには、バランスの良いお金の使い方が求められますね。

工務店経営の分岐点は年間20~30棟

工務店経営の分岐点は、20棟~30棟辺りだと想定しています。

これは自身の経験だけでなく、実際に20棟から40棟に伸ばし、その大変さからあえて20棟に戻した工務店経営者の話や、住宅業界の新聞社社長の見解や、全国の工務店に取材しているライターの見解も、踏まえての考えです。

30~40棟辺りで、経営に対する考え方も変わってしまいます。簡単にいってしまえば、社長自身が良いと思っている住宅よりも、売れる住宅を売らなければなりません。

さらに突き抜けようと、60棟100棟目指す人もいますが、弊社ではそういう人は相手をしたくありませんので、興味はないです。

感覚的ではありますが、年間完成棟数10~20棟辺りが、デザインとビジネスのバランスが一番取れている気がします。信用度が低い住宅営業マンを雇う必要もないですし、全棟に社長の目が届き、つくりたい家をつくることができ、お金が残りやすいということです。だからといって、倒産しないわけではないんですけどね。

  • URLをコピーしました!
目次