工務店の雑貨店経営の次は本屋の経営!?

以前、工務店の雑貨店経営から、雑貨店の決算内容に触れてみましたが、

雑貨店は工務店より赤字になりやすい!?

2019年1月13日

次なる動きは、「本屋」でしょうかね???

昔、工務店の「図書館戦略」ということで、本を活用したアプローチを提案したことあったんですが、ウケが悪く、ポカ~ンとなってしまったのを思い出しました(笑)

雑貨店と同じ様に、本屋(書籍・雑誌小売業)の決算内容を、木造建築工事業と比較してみました。

業種名 木造建築工事業

書籍・雑誌小売業
(古本を除く)
 
黒字企業件数 254 17 (件) 
黒字企業割合 48.3 47.2 (%)
平均売上高 299,488 425,446 (千円)
対前年売上高比率 108.9 93.8 (%)
限界利益率 28.2 26.9 (%)
固定費 人件費 42,513 57,770 (千円)
労働分配率(%) 50.3 50.6 (%)
その他の固定費(千円) 33,352 47,780 (千円)
経常利益(千円) 8,665 8,700 (千円)
売上高経常利益率(%) 2.9 2.0 (%)
損益分岐点比率(%) 89.7 92.4 (%)
生産性
(年/人)
1人当り売上高(千円) 37,539 23,967 (千円)
1人当り限界利益(千円) 10,588 6,427 (千円)
1人当り人件費(千円) 5,328 3,254 (千円)
平均従事員数 8.0 17.8 (人)

平成30年10月決算~平成30年12月決算/要約版・速報版 | TKC経営指標(BAST)

書籍・雑誌小売業の方が、売上は多いのですが、前年比も低く、固定費も掛かっています。分岐点比率も高いので、黒字化するのも大変なことがわかります。

また、経営安全率を比べると

  • 木造建築工事業:8,665÷(299,488×28.2%)=約10.26%
  • 書籍・雑誌小売業:8,700÷(425,446×26.9%)=約7.6%

で、安定性も低いです。

数字を見る感じだと、街の本屋みたいな小さなところは含まれてなさそうな感じもします。件数や割合を見ても、小・零細規模の事業者が圧倒的に多いのでしょうね。

他、少し古いデータですが、2016年に帝国データバンクが書店の業績動向データを公開していて、それを読むと、

  • 売上高別分布 1億円未満が約6割
  • 従業員別 10人未満で約8割を占める
  • 資本金別 1,000万円未満と個人企業で約6割
  • 業歴別 老舗中心で新規参入はごくわずか
  • 休廃業・解散は倒産件数の2倍超

という、かなり停滞した業界だということがわかります。

本の販売だけで黒字を出そうというのは甘い考え!?

上記の停滞っぷりを踏まえたら、工務店が本屋を展開する場合、経営的にどうやったら本屋が成り立つのかを考える必要があります。当然ですが、本の販売だけで黒字を出そうというのは甘い考えでしょうね。

雑貨店の時と同じで、広告宣伝費として割り切るならいいでしょうが、収益の柱として考えているなら、考え直した方がいいですよ。

紙本は知的感を演出しやすいアイテム

本を読む人は、知的レベルが平均よりは高い人たちでもあります。また、紙本は雑貨とは違い、「ちょっと知的な私=知的感」を演出しやすいアイテムでもあります。

なので、知的レベルの高い人たちや、高く見せたい人たちが、集まる場所として考えたら、紙本と建築物とは相性が良さそうですね。もちろん、建築物のデザイン性も必要になります。

実際、シェアオフィスやレンタルスペースを、本屋と一体化させることで「知的感」を作り上げ、価値を高めているところもあります。

本屋を始めるなら、コンセプトに合わせた本を仕入れる必要がある。

2016年に取り上げてましたが、街の個人ショップやイベント会場等で、誰でも本を売れるようにサポートする流通サービス「ことりつぎ」。

登録すると、選書サービス、専用アプリでの仕入・販売・在庫管理、本棚の作り方等の販売サポートを受けることができ、店舗にて個人の興味関心が高まる本との出会いを演出できます。

ことりつぎ

ことりつぎ

flow

本のキュレーションという感じですから、お店それぞれの魅力を引き出す・イメージさせることにも使えますよね。

image

例えば、雑貨屋さんだと、こんな感じで見繕ってくれるようです。工務店だと・・・???

book_ex01

たしかに紙本は、(収入の高い可能性がある)知的な人を集め、建築とも相性が良いアイテムですが、あくまでも、本業を底上げするための戦略なので、本業を疎かにしてるようでは、参入しても意味ないですよ。

 

 

追伸:工務店経営者の方にお知らせです。

【10月31日開催】基礎となる経営のシンプルな法則を知り、土台となる商品やサービスの質を高めませんか?

参加した工務店経営者の声
今ではたくさんのコンサル会社がいろいろなセミナーをやっている時代、どれを聞いても同じようなセミナーで、言っていることはだいたい同じ、特に共感できるところもなく金儲けでセミナーをやっているとしか思えないようなセミナーばかりでした。そしてある程度規模の大きい工務店、地場ビルダーを対象にしたセミナーが多いことでした。でも以前より何回か井内さん、出口さんのセミナーを受けていますが、とても分かりやすく中小工務店(年間棟数20棟程度まで)を対象にした問題点を取り上げてくれています。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。