数年前、「住宅業界は今後どうなっていきますか?」という質問をいただいたことがあります。
その時に答えたのは、
- 大きな住宅会社が小さな工務店を取り込むなりして、工務店数が減っていく。
- 工務店が縮小化していき、小規模の工務店になっていく。
でした。別に大した内容でもなく、歴史や推移をみれば誰もが予想できることだと思います。
1は、買収や合併のケースもありますし、単純に工務店が倒産するケースもあります。例えば、年間10棟の工務店が倒産しても、年間300棟建ててる会社に、その10棟が加わるようになるでしょう。10棟そのままでないにしても、分散して、その地域各社で対応できます。
2は、効率化により固定費を落とし、経営者の目の届く範囲の棟数を保っていくというもの。無理に棟数を伸ばすのではなく、クオリティを維持しながら、継続性にチカラを入れるということです。
業者数は減っているが、兼業業者が増えている。
下記グラフは、平成29年3月末の資料になりますが、「建設業許可業者数調査の結果について(概要)」に掲載されている「許可業者数・新規及び廃業等業者数の推移」ですが、業者数は年々減っていってます。

「建設業許可業者数調査の結果について(概要)」を見る限りだと、平成29年3月末現在の「建築工事業」数は154,808 業者とのこと。
この数字には、下請けのみの業者も含まれていますが、10万切っても市場には問題ないでしょう。業者が減っても、その分の受注は、分散して地域各社で対応できます。なので、問題があったとしても乗り越えられる程度のことです。
ちなみに、建設業以外の営業を行っている兼業業者の割合が、27.7%で前年同月比で0.4ポイント上昇しています。建設業許可業者数が最も多かった平成12年3月末時点の兼業業者の割合が21.3%なので、比較すると6.4 ポイント上昇しています。
停滞している本屋業界でも、書店がwebコンテンツ制作・スペースレンタルなども手掛け、収益を図る時代ですからね。経営していくことを考えたら、兼業もありだと思いますよ。
工務店の数が減っていく時、何が評価される時代になるか?
こういった状況の中、小規模の工務店が生き残っていくには、顧客から評価される必要があるわけですが、
- 価格
- コンセプト(家の雰囲気)
- 提案力
- 接客(人柄)
- 保証、アフターサービス
など、評価となる対象には様々あります。もちろん、一つだけの評価ではなく、総合的に判断されます。
小規模の工務店において、最もデメリットとされる部分を考えたら、大きなところに比べると、倒産の心配をする人が多いというところではないでしょうか。実際、数が減っているわけですから、より心配する人は多いはず。
そういった背景を踏まえると、個人的には「健全な経営」を評価の対象にも加えたいと考えています。なので、工務店経営勉強会を始めました。
健全な経営状態とは?
最も客観的に評価できるのは、決算内容だと思いますが、(短期間の)赤字だからといって、必ずしも不健全な経営とは限りません。
会社の数字以外で挙げるなら、
経営者自身の問題では、
- 経営意欲の減退・逃避
- 経営計画・方針が不確定
- 後継者問題
- 商品技術に対する勉強不足
- 財務の放置
などがあるでしょう。
企業(組織)の問題には、
- 高齢化
- 組織・社風の乱れ
- リスク対応してない
- クレーム対応の質
- 社員教育の怠り
などがあるでしょう。
「経営」話は、小規模の工務店ほど、避けて通りたがりますからね。中長期になる経営の話より、食いつきがいいのは、目先の利益で「集客」話です。でも現実は、予算を掛けられないから「こそこそ情報盗んで、ちまちまと行動している」状態になります。で、思うような結果に結びつかない・・・
木造建築工事業の6割が赤字ということと、多くの小規模工務店が「経営」に目を向けていないことは、比例している気がします。他が疎かにしているからこそ、目を向けるべきですよ。
今、勉強会を一緒に開催している出口さんのTwitterでも、中長期の話をすると、メルマガ解除があるらしいですね。
今週のメルマガは【10年続けば本物】のタイトルで配信。
すると、早速解除した方のお知らせメールを自動受信。
中長期のネタには必ずアンチがいるので解除が嬉しくなります^_^— 想いとお金の両立パートナー (@twdegu119) April 3, 2019