住宅業界に携わって十数年ほどですが、ちょいちょいブームがあるんですよね。
- 「シックハウス問題」から、自然素材ブーム「健康住宅」
- 「家は高すぎる」という指摘から、ローコストブーム「ローコスト住宅」
- デザイン性が重視され始め、建築家ブーム「デザイン住宅」
- 「家が寒い」という流れから、高気密高断熱や省エネブーム「エコハウス」
そして、ブームが起きて去った後に残る「当たり前」は、最低基準になっていきます。
例えば、自然素材は使う使わないは別にしても、選択肢として取り扱えることは当たり前になっています。
ローコストは、少し前まで「良いものを安く」という考えが当たり前になっていましたからね。枝分かれで、コミコミや定額制が出てきました。ただ、行き過ぎたローコストの反動で、付加価値を付けた高価格帯へ展開するところも増えてきました。
今転換期なのは、デザイン住宅ブームやエコハウスブームの、
- 設計力
- 性能
でしょう。小さな工務店の多くが苦手とする2点だと思われます。
性能に関しては、使う建材を変えればある程度解決できる話なので割愛します。また、「省エネ性能の高い住宅の普及促す法律」が成立したので、対応していかないと淘汰されていくでしょう。
最も悩みの種なのは、「設計力」です。できなくても家は建てられるので、必要性を感じない人も多いことから浸透するのに時間は掛かるでしょう。また、本人は設計できると思っていても、その能力が低いケースだってあります。
工務店の設計力を向上させるには?
工務店の経営者は実務のプレーヤーも兼ねてますので、当人にしっかりとした設計スキルがあることが理想です。経営者にスキルがない場合は、スタッフにその力があるといいでしょう。
結局、設計力は、自社で担うか、他社で担うか、自分が担うか、スタッフが担うかになりますので、そのためにしたほうがいいことって、そんなに複雑ではありません。
1.建築との定期的な接触
手軽にできるのは、ネットや書籍からの情報収集でしょう。意匠系の情報を取り入れられる情報源に定期的に接することは必要です。
建築家になるわけではないので、いちいち遠方まで出向いて著名な建築家が設計士した建築物を見学に行く必要はないと思っています。設計力が乏しい人にとっては、細かなディテールを学ぶよりも、まずは雰囲気を掴むことが重要だと思っています。
2.設計力のある工務店や設計事務所との交流
セミナーなどに参加するのもいいですが、一方的な受け手ばかりになってインプットを続けても、学んだことはなかなか蓄積されません。インプットしてアウトプットすることで、学びは蓄積されていきます。
インプットしたことを、自社メディア(ブログやSNS)などで発信したり、コンセプトなど方向性の近い設計力ある工務店や設計事務所と交流するなどして、アウトプットすることで、力を付けていくことができます。
3.資格取得へのサポート
建築士の資格取得には、お金も時間も掛かります。そこを会社でサポートすることで、向上心がある人材が集まりやすいという傾向はあります。
資格取得したらステップアップのためにすぐ辞めていくという、したたかな人もいますので、その辺のリスクも考慮した上で取り入れるべきかと・・・
勉強会のサイトにも違う視点で取り上げています。