貸借対照表にある主な項目、
- 現金預金
- 現金預金以外の流動資産
- 固定資産
- 流動負債
- 固定負債
- 純資産
これらのバランスを見ていくと、大きく6つの経営状態に分けることができます。
- 債務超過
- 自転車操業
- 不安定
- 成長
- 投資
- 保守
1.債務超過
負債合計が資産合計より大きくて、純資産がマイナス |
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資産合計 |
負債合計 |
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純資産 |
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負債が資産より大きくて、純資産がマイナスな状態、いわゆる債務超過です。赤字でこの状態であれば、ゆくゆくはお金が底をつき、倒産の可能性が高い状態です。
2.自転車操業
流動負債が流動資産よりも大きい |
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流動資産 |
流動負債 |
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固定資産 |
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固定負債 |
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純資産 |
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流動資産よりも流動負債が大きいと、入ってきたお金をすぐに支払いに回さなければならないような、資金繰りの厳しい状態です。黒字であっても資金がショートし、倒産する可能性もあります。
3.不安定
流動資産が流動負債よりも大きい |
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流動資産 |
流動負債 |
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固定負債 |
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固定資産 |
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純資産 |
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流動資産が流動負債よりも大きいと、資金繰りの厳しい状態からは脱しているので、ひとまずは安心です。ただ、長期借入金などの固定負債は、流動資産の中から返すことになるので、流動資産が負債合計より小さい状態だと、キャッシュが潤沢にあるとは言えない不安定な状態となります。
さらに、流動資産を、「現金預金」と「現金預金以外の流動資産」に分けてみると、細かいこともわかります。
4.成長
流動資産が負債合計よりも大きい |
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現金預金 |
流動負債 |
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現金預金以外の |
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固定負債 |
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純資産 |
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固定資産 |
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流動資産が負債合計よりも大きいと、お金が潤沢にある状態となります。お金があるため、事業への積極的な投資もでき、成長しやすい状態になります。ただし、現金預金が流動負債よりも小さい状態だと、ハイリスク・ハイリターンのような大きな投資は難しいため、現在の事業をより充実させる投資に向いています。
5.投資
流動資産が負債合計よりも大きい |
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現金預金 |
流動負債 |
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固定負債 |
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現金預金以外の |
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純資産 |
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固定資産 |
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流動資産が負債合計よりも大きく、そして、現金預金が流動資産よりも大きい状態は、お金が潤沢にあり、新規事業などハイリスク・ハイリターンの投資ができる状態でもあります。
6.保守
現金預金が負債合計よりも大きい |
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現金預金 |
流動負債 |
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固定負債 |
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純資産 |
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現金預金以外の |
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固定資産 |
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現金預金が負債合計よりも大きい状態は、お金が有り余っている状態でもあります。事業への投資などをせずにお金を貯め込むと、こういう状態になります。一見良さそうに見えますが、保守的になるため、時代の変化についていけなくなることもあります。こういう時に事業が傾いてしまうと、一気に崩れ落ちることも考えられます。
経営者が知っておくべきなのは、細かい金額ではなくて、お金の流れやバランスです。現在、自社がどの状態なのかを知り、適切な策を打つことで、良い答えを得る可能性が高くなるということです。