「経営に取り組みましょう」とお伝えすると、決まって返ってくるのは、「なんだか難しそう…」ということです。もしかしたら、あなたも同じように感じてるかもしれません。
たしかに、本格的に経営学を学ぼうとすると、小難しい話が多くなります。
しかし、全部のことを深く知る必要はありません。必要最低限なシンプルな経営の法則を知るだけでも十分なのです。普段の仕事から、ちょっとした意識を変えるだけで、会社の状況は大きく変わります。なぜなら、小さな会社ほど、社長の変化に比例するからです。
つまり、経営のシンプルな法則を知るだけで業績が良くなる!ってことです。
なぜなら、、、
理由1.仕組み化できるから
小さな工務店には「その人にしかわからない業務が多い」などの属人的な問題が多くあります。その人が辞めたら大幅な戦力ダウンになるという「不安定な経営」と言っても過言ではありません。小さな工務店の場合は、社長がプレイヤーでエースだったりしますが、まれに従業員のケースもありますからね。
また、多くの工務店経営者は、「優秀な人材を採用したい」と考えますが、実際は即戦力を期待するのは非常に難しく、育てるしかないというのが現状です。しかし、育てた後に辞めるというリスクも高いので、より不安定性が高くなります。
現状、「育てる→辞める」というリスクは避けられませんが、経営者以外の人に依存してしまうのではなく、仕組みでカバーするしかありません。仕組み化できないと、ずっと社長がプレイヤーで最前線に出向くようになるため、当然、自由に使える時間が減ります。
つまり、社長自らが現場に出て、時間を費やしすぎると、経営戦略を立てる、ビジョンを作るといった「会社経営」という本来の仕事に手が回らなくなったり、忘れていったりするということです。
その結果、会社としてどこに向かうかわからなくなり、ただやみくもに営業するだけとなり、土台から経営がぐらついていきます。言い方が非常に難しいのですが、小さな工務店にとっては、人が武器にもなるけど、「人に依存しない家づくりにしていかなければならない」ということでもあります。
社長がプレーヤーにどっぷり使ったままでは、仕組み化は構築されることはありません。
ですが、経営のシンプルな法則を知っておけば、プレーヤーをしながらでも、経営戦略を立てる、ビジョンを作るといった「会社経営」という本来の仕事にも、時間を設けることができます。
理由2.論理的な判断で原資を増やせるから
お金の問題は、工務店経営の場合、事業上、大きなお金が動きやすいので、
- お金の流れを把握できているか?
- お金のバランスを把握できているか?
が大事になってきます。なぜなら、会社は、投資をし回収することで、成長していきます。あなたはその投資の判断をどのように下しているでしょうか?
もし、感覚的に行っているのであれば、先行きは怪しいです。上手くいってるなら何も言いませんが、実際、お金の流れやバランスがわかっていなければ、論理的で正しい経営判断はできないのです。
また、投資するために原資を増やすことも可能になります。
経営に取り組んだからといって、新規客の獲得が不要なわけではありません。ビジネスを続けていく以上、新規客の獲得に力を入れることは必要です。しかし、当然のことながら集客には原資が必要です。
では、その原資はどこから生まれるのか? それは、過去の利益からです。つまり、集客の施策を打つ前に利益を出すことができていなければ、その原資を用意できません。
経営のシンプルな法則を知ることで、根拠ある利益を増やし方が可能になり、新規客獲得の原資が用意できるというわけです。
理由3.客観視でき合理的に判断できるから
ニーズの問題は、事業内容やビジネスモデルが時代や市場のニーズとマッチしないことが挙げられます。
慢性的な経営不振に陥っている会社は、消費市場の変化に対応できていないケースが多いということです。「自分のつくる家に絶対的自信があるのに、なぜか売れない」という、工務店経営者を沢山見てきました。彼らは、自社のつくる家に、思い入れが強いためか、客観的に見ることができていないのです。
これでは、何に長けていて、何に劣っているか?お客さんに受け入れられているのか?などの良い面悪い面に気付くことができません。多くの工務店経営者は、失敗から目を背けて、成功事例を知りたがります。流行ってる集客方法とかFCとか…それらは「ヒント」にはなっても、たとえ実践したとしても、必ず他社と同様に上手くいくとは限りません。
工務店に限らず、「成功」は、決まった「一つの答え」は存在しておらず、いろいろな条件が複合的に組み合わさったものから生まれます。逆に、「失敗」は再現性が高いため、反面教師になりやすいのです。
成功事例を取り入れるなら、まずは、自社の失敗に目を向け、他社の失敗にも目を向け、その上で進めていかないとならない。ということでもあります。
経営のシンプルな法則を知ることで、成功事例に振り回されずに、客観視でき合理的に判断できるようになります。