先日、「工務店経営学部」の毎月恒例のオンラインミーティングの中でも、話に上がったのですが、、、

「工務店経営学部」の毎月恒例のオンラインミーティング
「商品」ってめちゃくちゃ大事です。
以前にも挙げた手順の通り、
- 資金
- プロダクト(商品・サービス・プロセス)
- コンテンツ(販促物、HP、情報発信など)
- マーケティング(集客など)
商品が魅力的であれば、セールスもマーケティング(集客)も楽になりますし、商品が含まれるプロダクトは、コンテンツやマーケティングよりも優先した方がいい事項です。
資金を増やす王道は「商品販売」
資金を増やすには、借り入れや増資など以外では、「売上を上げて、利益を出す」という方法です。当然ながら、本業になるので、ちゃんと利益が出る構造になってないといけません。ビジネスの基本ですが、商品を販売して、対価を得るということです。
売上には、公式があります。
売上=販売価格×顧客数
一般的な商売では、「リピート数」も絡んできますが、注文住宅の場合なので、リピートはないものとして考えます。また、その後のリフォームも考えられますが、早くても7~8年後とかなので、簡易化して考慮しないものとします。
この式から考えると、売上を上げるならは、まずは販売価格のUPです。1棟辺り50万円増えた場合、年間5棟なら250万円、10棟なら500万円も違ってきます。
当然、他者との比較もあるので、すんなりいくかは別の話ですが、顧客数をUPさせるより、販売価格は経営者の判断によって、コントロールがしやすいです。
商品数を増やすことは、売上が上げることに繋がるのか?
上記の公式以外にも、売上を上げる手法としては、「商品数を増やす」ことがあります。商品ラインナップが多ければ多いほど、売上が上がるチャンスは大きくなります。
例えば、自社受注の注文住宅だけしか施工しなかった場合と、
- リフォーム
- リノベーション
- 設計事務所からの依頼
・・・など、複数の商品がある場合だと、売上UPへの選択肢は変わってきますよね?
当たり前のことですが、商品ラインナップが豊富だと、顧客への間口も広がる分、売上も上がりやすくなります。
野村総合研究所の予測データ「2030年度の新設住宅着工戸数は63万戸に減少、リフォーム市場は6兆円~7兆円台で横ばいが続く」を見ると、
新設住宅着工戸数の実績と予測結果(全体)

出所)実績値は国土交通省「住宅着工統計」より。予測値はNRI。
着工数が減っていく一方なので、比例して、注文住宅も減っていくでしょう。この予測通りにいかないまでも、人口減や未婚増、「家を建てることが絶対ではない」価値観などを踏まえると、注文住宅が減ることは間違いないでしょう。
そう考えると、小さな工務店ほど、注文住宅とリフォーム(リノベーション)の両方の対応を出来ていたほうが、良いということになってきます。
闇雲に商品ラインナップを増やしても意味はない
ただ、ここで気をつけないといけないのは、Aの注文住宅商品、Bの注文住宅商品、Cの注文住宅商品・・・という風に、闇雲に商品ラインナップを増やしても、必ずしも売上が増えるわけではありません。
売れてそうなパッケージ商品を取り揃えたり、流行りのデザインをあれもこれも取り揃えて、「何でもできますよ」という代理店業は、小規模の工務店には向いていません。
同じ注文住宅である以上、下手をすると、Bの商品があることで、Aの商品が売れなくなるなんてことも起こりうるわけです。また、効率が悪くなり、売上は上がっても、利益は下がる場合だってあります。
売上を最大化していくのは「商品」ですが、商品戦略をしっかりと考えていかないと、売上が最大化されないどころか、利益を食ってしまうのも、「商品」なのです。
新しい商品もいずれ古くなる。
どんな新しい商品も、時代と共に古くなります。
- 過去上手くいった商品のまま、今も販売していて、なかなか売れてない
- たとえバージョンアップしたとしても、価値観は古いまま変わってない
こういったケースは結構多いですよ。ホームページの出来栄えにも比例してそうです。ガラパゴスな住宅業界での成功体験なんて、古くなるのも早いです。
お客さんは年々変わっていってます。そのズレをすり合わせて、誤差を埋めることをしていますでしょうか?
【自分の成功体験に縛られるな、新しい価値観を手に入れろ!って話。】2/2 pic.twitter.com/QQZe1jR1JH
— ドラゴン桜2(公式)10巻6/23発売🎉 (@mita_norifusa) June 19, 2020
集客できない工務店は、大抵「商品」が悪い!
経営を良くしていくには、「お金」と「商品」は鉄板なんですよ。
多くの方が、最初にマーケティングやセールスに力を入れようとしますが、「良い商品」を持っていないと、そもそもセールスもマーケティングも機能しません。
上手くいっていない、集客できないケースは、集客の方法が悪いのではなく、大抵「商品」が悪いです。厳密には、「商品・サービス・プロセス」を含めたプロダクトが悪いです。
なぜなら、
- 集客などマーケティングが上手くいくのは、コンテンツが魅力的だからです。
- コンテンツが魅力的なのは、プロダクトの品質が高いからです。
- プロダクトの品質が高いのは、そこに投資できているからです。
- 投資できているのは、資金があるからです。
商品力をより高めていくには資金が必要ですが、仮に、資金がない状態であっても、一定の「商品力」必要です。
極端な話、粗悪で売れない商品を売ることほど、難しいものはありません。これを売るには、口八丁手八丁の詐欺師になるしかありません。
マーケティングやセールスも、「良い商品」があれば、楽になってきます。集客も集めやすくなります。
「商品」は出発点でもありますし、原点回帰するときも、まずは「商品」なのです。
最後に、、、
「商品が悪い」と指摘されて、気分を害されたり、「ウチの建ててる家が悪いのか?」とムッとくる人もいると思いますが、商品の善し悪しを決めてるのは、経営者自身でもなく、私でもなく、お客さんですからね。