工務店は利益だけでは現金が足りない!?

以前、、、

スポーツの上達の第1歩は、思った通りに身体を動かせること。つまり、そのズレ具合を、いかに感じることができているか、どうか。そして、ズレないように調整したり、ズレたら修正したりしていく。

ということを書いたことがあります。

工務店は利益だけでは現金が足りない!?

スポーツがうまくなるための最初の一歩は「思ったとおりに身体を動かせること」頭で思っている動作と、実際にやっている動作がずれていると、うまくいかない。

この「今の自分の状態や状況を把握する」ということは、どんなことでも当てはまる気がします。

経営だって、まずは自社を知るところから始まる。

例えば、資金。

資金のことを知るというのは、決して、会計の話や科目をたくさん知るとか、仕分けがわかるとか、そんな話ではないですからね。もちろん、会計の理解があるに越したことはないですが。

自社の資金を、事業の運転と投資に使うわけですから、「最低限どれだけ持っておけばいいのか?」とか「どれだけ使えるのか?」など、資金の内訳を把握できることです。資金の内訳を把握しないで、経営をしていくことは、地図見ないで運転するのと一緒です。そりゃ、迷いますよ・・・

実際、把握していけば、あることに気付きます。・・・そう、利益だけでは現金は足りないことに。

工務店は、利益だけでは現金が足りない!?

未来への投資もせず、守りの経営に徹するなら、足りるのかもしれません。(業界自体が下り坂なので、守ってても、ジリジリと廃れてしまうだけですが・・・)

ですが、成長を求めるなら、プロダクト、コンテンツ、マーケティングへと、投資していかなければなりません。成長への投資を考えると、利益だけの現金では足りないのです。(足りるのはごく一部の成功している工務店だけでしょう。)

集客によって、売上や利益を増やすことは、現金を増やす手段ではありますが、これはあくまで手段の1つにしかすぎません。しかも、思っている以上にお金は溜まっていきません。

だからこそ、「借入」なのです。

「無借金経営が良い」「借金をするのは良くないのでは?」と思われがちですが、ほとんどの小規模工務店では、売上げた利益だけでは、十分な現金の蓄えは難しいと思っておいた方がいいです。

なぜなら、業績だけに頼る分、時間が掛かりますし、業績は必ずしも右肩上がりになるとも限りません。また、利益は出ても、経費が掛かって、手元に現金が残らないことだってあります。

また、工務店は、売掛金や未成工事など、大きな金額が動き、かつ先に支出する可能性も高いビジネスモデルなので、資金繰りに苦しみやすいことは否めません。

だからこそ、余裕のある時間をお金で買うという判断が求められます。自己資金で足りなければ、借入をしてでも投資できる資金を補い、銀行などの金融機関と上手に付き合っていくことが必要になります。

金融機関と付き合うことも仕事と捉える

借り入れをするもう一つの理由が、「金融機関との付き合いをつくること」です。

例えば、経営が傾いた時に、付き合いのない金融機関にいきなり融資を頼んでも、なかなか貸してはくれません。今回のコロナ融資のようなサービス融資は通常ではありえません。通常、業績が悪くなってから、これまで付き合いのない金融機関に融資を申し込んでも、断られる確率は高いです。

つまり「金融機関と取引がない」ことは、リスクになるのです。

金融機関は「晴れた日に傘を貸し、雨の日に傘をとりあげる。」と言われています。良い時は貸してくれるが、悪い時は貸してくれません。だからこそ、経営が順調な時に正しく借入れをし、期日までに返すということを繰り返すことで、金融機関との信用を築き、不測の事態にも備えられるようにしておきましょう。

例えば、金融機関との実績作りの例だと、請負契約を担保に、短期借入金を利用して、余裕を持って資金繰りをしているケースもあります。短期の実績が積み重なれば、当然、長期の借入金をする際にも有利に働きます。

また、借り入れすれば、当然金利が掛かりますが、金利分は保険料を払っているようなものだと思ってください。不測の事態が発生した時、簡単に倒産させず、余裕を持って行動していくための、保険料なのです。

もちろん、借り過ぎると返済で経営を圧迫してしまいますが、永く経営をしていくことを考えたら、金融機関から適切な額のお金を借入れ、成長への投資をしていくことは、企業にとっては決して悪いことではないのです。

裏を返せば、小規模の工務店で無借金経営の場合、

  • 不測の事態で業績が傾いた時、耐えられない=現金が足りていない。
  • 成長への投資も十分には行えない=業績が上がりにくい。

などの、デメリットもあるということなのです。

プロダクトもコンテンツも、まずは自社の立ち位置を知ること

資金と同じ様に、プロダクト(商品・サービス・プロセス)や、コンテンツ(販促物、WEBサイト、情報発信など)も、自社を知りましょう。この場合、競合もいるので、立ち位置です。

自社の立ち位置を知るには、競合と比べたり、お客さんの反応を伺ってみたりする必要があるわけです。

よく、「競合と比べるな!」「個性をつらぬけ!」みたい手法もありますが、リピートがあるビジネスなら、それでもいいんですよ。自分が良いと思ったものだけに集中してれば・・・

ですが、注文住宅はリピートがありません。失敗できない一生に一度の高価な買い物なので、お客さんは、競合との比較の中で答えあわせをされます。しかも、対応してくれる会社全部を比較するわけでもなく、ふるいわけされた一部だけを比較して・・・

なので、いくら自分の個性を貫いてても、お客さんから求められない個性なら、意味がないのです。また、そういった求められない状態で、集客したとしても、上手くいきません。

商品戦略として、取り組んでいかないと・・・

集客方法自体、新しい手法もありますが、マーケティングの不変的なことを押さえてれば、昔の手法でも十分通じます。順番から言っても、マーケティングの優先順位は最後なので、無理して最新を追い求めなくとも、他でカバーできてれば十分です。

そんなことよりも、集客やマーケティング以上に、商品戦略に取り組んでいかないと、厳しいだろうなと感じています。実際、そういう現象が起きています。

例えば、あなたの周りで成功している工務店を見てみてください。必ずといっていいほど、軸となる商品があると思います。逆に、倒産していった工務店を見ると、ほぼ全てと言っていいぐらい、商品に魅力がありません。

集客を含むマーケティングやセールスの悩みも、「商品」が魅力的であれば、かなりの問題が解消できます。

ですが、ここ数年、「モノからコトへ」なんて、言葉が浸透したため、「暮らしが」「ライフスタイルが」という切り口に振り回され、モノ(商品)を疎かにする傾向が出始めています。

コトは「売り方」の話なので、「どちらが大事」ではなく、モノもコトも「どちらも大事」なのです。また、役割が違うので、一緒にしてはダメですし、順番から言うと、優先順位は、モノ(商品)です。

魅力ある「コト」は、確かな「モノ」の上に存在しているのであって、訴求の証拠となる確かなモノがないと、言葉だけでコト訴求をしても、なかなか響かないということです。

 

集客や受注を成功させるには、まずは「資金」「プロダクト」「コンテンツ」の自社状況を把握することです。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。