工務店は「商品(提案する家)」が時代遅れになってはいけない。

アパレル・サバイバル」という本の中で、アパレルの流通革新について書かれているのですが、この内容、アパレルに限らず、産業の流れをつかむのに参考になります。

  1. 品揃え期
  2. 大衆化期
  3. 専門店化期
  4. 内製化期
  5. トレンド製品の低価格化期

アパレルだって、ライフスタイルを重視したコト売りが主流ですよ。なんなら工務店よりもその傾向は強いでしょう。でも、商品戦略をしっかりと考えていかないと、廃れていくわけです。

例えば、今アパレルでは、2000年代初頭に流行ったセシルマクビーの撤退が有名ですが、109ブランドやギャル系ブランドと呼ばれるジャンルをけん引していた頃に比べると、最近は商品のデザイン盗用疑惑もあったりして、微妙だったようです。ターゲットを考えると、流行の変化も早いですからね。今後は、売れてる商品に絞って、事業縮小するようです。

工務店は「商品(提案する家)」が時代遅れになってはいけない。

工務店経営者が罹ってしまうコトコト病とモノモノ病

2020年7月3日

工務店にも当てはまる潮流

この5段階の流れ、アパレル産業だけではなくて、工務店でも参考になるのではないでしょうか?

  1. 品揃え期 → 軸となる商品を持つ
  2. 大衆化期 → 競合も似たような商品を持ち、価格競争になる
  3. 専門店化期 → より深堀りするため、特化したり、専門的要素を加える
  4. 内製化期 → 外部に頼らず、内製化していく
  5. トレンド製品の低価格化期 → 普及したら、合理化して低価格化する

品揃え期 → 軸となる商品を持つ

周りが自由設計ができてない時期なら、「何でも出来ます自由設計」でも魅力になりましたが、今や競合も含めほとんどの工務店が自由設計対応なので、「何でも出来ます」は魅力になりません。

このステージで勝負するなら、「どんな家を建てるのか?」など、軸となる商品を持つということです。(現実的にはこのステージにいては、勝負になりませんが・・・)

大衆化期 → 競合も似たような商品を持ち、価格競争になる

商品と言ったところで、独自開発された素材や建材を使っているわけではなく、市販の建材を組み合わせたものに過ぎないので、時間が経てば、競合も似たような商品を展開してきます。

ここを打破するには、ステージに留まって低価格化路線を進むか、切り替えて、次のステージに進むかです。

上手くいってない工務店は、大抵ここで留まっています。

専門店化期 → より深堀りするため、特化したり、専門的要素を加える

価格で勝負したところで、ジリ貧になるのは目に見えているので、現在の商品力を高めるために、一つのことに絞り込んで特化したり、外部を利用しながらでも、専門的要素を加え、中身の濃いものにしていくということです。

さらには、商品としてだけでなく、プロダクトとして捉え、サービスやプロセスの付加価値を加えることも必要です。

内製化期 → 外部に頼らず、内製化していく

商品企画や開発を外部に頼らず、自社開発していくことです。その方が、自社のコンセプト(世界観)をより濃くできるため、ブランド化しやすくなり、集客力も増します。

ただし、商品を自社開発していくには、顧客のニーズを掴んでいることが重要です。前ステージで、上手くいっていれば、顧客とのコミュニケーションをそれなりに取れる状態がつくれています。

また、前述で挙げた、サービスやプロセスなどは、外部に頼りにくい部分も多いので、内製化した方が、より魅力が増します。ただし、それには人材や仕組み化で平均化しておく必要もあります。

トレンド製品の低価格化期 → 普及したら、合理化して低価格化する

これまでやってきたことが、パターン化してきたら、合理的に仕組み化して、その分、価格に反映していきます。簡単に言ってしまえば、「売れた商品を企画住宅化」するということです。

そして、浮いた時間を新たな商品開発に投資するということです。

なぜなら、現実的に同じ商品がいつまでも人気とは限りません。必ず終焉が来ます。なので、サイクルを把握し、少しずつステージアップさせ、役目を果たすと同時に新たな商品を展開していくことは自然な流れなのです。

時代と共に変化させなくてはいけないのは、集客よりも「商品」

前述でも挙げたように、同じ商品がいつまでも適すことはありません。

「住宅」というのは、デザイン・間取り・性能などのハード面は進化することはありませんが、逆に、ライフスタイルなどのソフト面は、加齢と共に変わってきます。なので、時代に合わなくなります。

ソフト面の変わりように対して、「可変性のある間取り」で対応できなくはないですが、それも限界があり、家の広さまではコントロールできません。

なので、今は良いと思っていても、年月が経てば「良くなかった」と言われることだってあります。

例えば、最近よく聞くのは、昔の家が合わないという話。

これ、似たような感じで、以前、借りてた賃貸のオーナーさん(50代)からも相談されたことがあります。「高齢の親と古い戸建てに住んでいるんだけど、自宅が広過ぎで寒いんだけど、どうしたらいい?」と。

昔の家に対して不満を挙げる人は多いですが、当時は「これが良い」と思って建てたのでしょう。でも、変化に対応できず合わなくなり、不満へと繋がる・・・

建材だって、同じことが言えます。

昔の建築知識に、今では使用不可の「石綿」「水銀灯」が掲載していたというものです。記事の感じから言って、広告っぽいです。つまり、広告を出せるほど、売れてた&需要があったのでしょう。

人体に影響があるここまで酷いケースは、今後はないと思いますが、建材メーカーも新商品をどんどん開発しますし、それ以前に、元となる素材だってどんどん研究されていきます。

設備も同じことが言えるでしょう。キッチンは7~25年周期の模様。

まだ使えるならリフォームせずに、20年以上使う人もいるでしょうけど、新築の家に20年前のキッチンは入れませんよね?

時代遅れは法律違反ではないけど売れなくなる

集客方法は、未だに20年前の方法でも効果があったりしますが、20年前の建材や設備やデザインでは売れやしませんよね。

性能面については、今までは目に見えないので誤魔化せましたが、建築物省エネ法が改正され、2021年4月からは、省エネに関して、建築士による説明義務も加わりますからね。なので、今後は、「省エネの時代遅れ」も可視化されていきます。

こういった背景を踏まえると、コストバランスと合わせて、商品の新鮮度を高めることを常に考えておかないと、気付かずに、時代遅れの商品を販売している(家を建てている)ことになるでしょう。

時代遅れの商品は、ニーズを満たしていなかったりするわけですから、魅力もありません。なので、当然、集客効果も悪くなるということです。

だから、集客よりも「商品」なのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。