昔、住宅業界のファッションについて、取り上げたことがあります。
ある地方で住宅のイベントをした際、いつもはスーツ姿の営業マンも、その時のイベントだけ、カジュアルな服装で対応していただきました。
イベント終わりに、接客をした営業マンが、こう言いました。
「服装を変えただけなのに、お客さんがこんなにも話してくれる!」
彼は、営業スタイルを変えたわけでもなく、服装しか変えていません。ただ元々、スーツの着こなし方も上手い方だったので、そのカジュアルな服装もオシャレでした。
もちろん、提供する住宅のイメージも関係してきますので、必ずカジュアルな服装が良いとも限りませんが、結果として、ただ服装を変えただけで、営業しやすい状況をつくることができたのです。
というお話。
家づくりとファッションは近い部分もある。
家づくりにコーディネートする役割があるように、ファッションにもスタイリストがいます。
スタイリストは、ライフスタイルに必要なファッションを設計してくれて、お客さんの目指す「理想のスタイル」をイメージしてくれます。お客さんの考え方や今の状況をしっかりとお聞きした上で、「どのようになりたいか」「どのような場所に行きたいか」「どのような服が必要なのか」を、ご一緒にしっかりと話し合って考えていきます。
最近では、何を選んでいいかわからないので、上手く見繕ってほしいという方もいます。(私もファッションにあまり興味がないので、その部類です…同じものを何着も持ってるタイプです。)
“「何を選んだらいいかわからない。プロの専門家に見てもらって、勝手に選んでほしい」というニーズは確かに存在している。”
触れているのはファッションやコスメのことだけど、家づくりにも同じことが言えるのでは? https://t.co/ek6DnIczzV
— イーウチ (@iekotoba) August 18, 2018
当然、提案のセンスの良し悪しや、提案に対しての好き嫌いはありますが、こだわるほどの気持ちもないし、モワッとしてる微かなイメージを可視化できるほどでもないし、そこまでファッションに興味もないので、提案してもらった方が楽というわけです。
反対に、ダメな服屋のパターンって、「似合いますね」「今年の流行りですよ」「(有名人の)●●さんも着てましたよ」と言って、服を勧めてくるところです。これに近い、工務店・設計事務所っていますよね(笑)
ファッションセンスと設計センスは比例しやすいのか?
設計力で飯を食べている建築家などは、ファッションにこだわっている印象が強いです。誰とは言いませんが、ナルシスト的な人も多いです。
【谷尻 誠さん(建築家)のニューノーマルな大人コーデ】「黒やネイビーから卒業したくなりました」https://t.co/hQr4CL7rRA
ファッションセンスと設計センスは比例しやすい。施工も同じことが言えるかも。#工務店ワイドショー
— イーウチ (@iekotoba) August 2, 2020
ファッションセンスと設計センスは比例しやすいならば、シンプルなファッションを求める人は、シンプルな設計を求めるでしょうし、機能性を求める、コスパを求める・・・などなど、共通してそうです。
逆を返せば、古くてダサいファッションの場合、古くてダサい設計になりやすいとうことです。
あなたは全身ユニクロをどう思うか?
建築家崩れをはじめ、設計に対してこだわりが強い人ほど、「ユニクロ」を否定していたりします。「ユニクロを着てる客は、自社の客じゃない」とまで言ってたり…
それぞれの理由があるので全然構いませんが、否定する理由としては、大衆的で、価格もリーズナブルで、こだわりがないように思えるかららしいのです。
自分の哲学を最優先したいならそれで良いと思いますが、日本で一番売れていて、世界でもトップランクに売れているアパレルブランドを、あまのじゃく的に否定しているだけなら、止めたほうがいいですよ。
ユニクロの商品歴史を辿ってみてください。もうね、昔みたいに、「ユニバレ」とか、安かろう悪かろうじゃないんですよ。コスパは言わずもがな、機能性はエアリズムやヒートテックなど以外にも着やすさなども挙げられますし、デザイン性もシンプルで一定のクオリティがあります。
ユニクロが安かろう悪かろうからどうやって脱出したかを知れば、ブランディングの参考にもなりますからね。
ファッションにこだわりなければ、ユニクロにしときなさい。
ユニクロについては、最近Twitter上で、あるIT企業の社長が、「全身ユニクロ」がカッコいいとツイートし、賛否を集めています。
私も、ファッションに興味ないんで、大半ユニクロです(笑)シンプルでコスパ良いですからね。
全身UNIQLOが一番カッコいい。
今の時代では「着飾る」ことで差を出す生き様がもうダサい。
価格あたりの効用(機能性、デザイン性)で服を選べばUNIQLO一択。
服装はシンプルでジャストサイズで動きやすければいい。
個性を発揮するのは、外見ではなく内面。
飾らない美しさが次のスタンダード。
— マコなり社長 (@mako_yukinari) July 29, 2020
これ、工務店にも同じことが言えます。
他社を圧倒するほどのたいしたこだわりがなければ、ユニクロを目指した方がいいんですよ。
ただ、今のユニクロじゃなくて、ユニバレと呼ばれ、ダサいと避けられ、安かろう悪かろうと言われた時代から、どうやってステップアップしていったか?というその部分です。
そもそも、そのこだわりに対してオタクですか?家に対してオタクじゃない人に、こだわりで独自の強みをつくるのは難しいし、とってつけた差別化が通用するほど、甘くもありません。
厳しく言えば、家に対してオタクじゃない人(オタクになれない人)が、こだわりで差別化しようなんざ、無理ということです。
だから、オタクでない人は、ユニクロを目指しなさいってことです。目指した先にも壁はありますが、「オタクでない人のこだわりによる差別化」で出くわす壁よりは低いです。