工務店が意匠や間取りなど住宅デザインを他社からパクり、意匠権を侵害し続けていると、設計することの価値が下がっていく理由

住宅や建築ではないですが、商品デザインの模倣で炎上していたのがこちら

ガクト(GACKT)とローランド(ROLAND)によるドレス・ランジェリーブランド「G&R」を運営するデイジー(dazzy)が、商品デザインの模倣疑惑を認め、公式サイトで謝罪コメントを発表した。商品の販売を中止し、購入者に対しては商品の回収と代金の払い戻しを行う。

 同ブランドではガクトとローランドがプロデューサーを担当。女性を”一流”にするためのブランドとして、第1弾企画のディレクターに元キャバクラ嬢の門りょうを迎え、ドレスとランジェリーを展開していた。12月16日に発表会を開催し、公式オンラインサイトで販売を開始。19日にはSNS上でドレスの一部が海外ブランドのデザインを模倣しているのではないかと批判が相次いでいた。

ガクトとローランドのブランド「G&R」が模倣品販売で謝罪、商品を自主回収
https://dazzystore.com/Page/gr_jp.aspx
目次

アールシーコア わが国初の住宅デザイン模倣裁判で勝訴 被告の住宅販売を禁止

建築系も昔から模倣のオンパレードですが、今年に入り、建築系も、意匠権が適用されるようになりました。

最初は、大きな規模の商業系ばかりでしたが、ログハウスBESSで有名なアールシーコアが、とある地方工務店を提訴した案件もあります。

BESS ブランドで個性的な木の家を全国販売する株式会社アールシーコア(本社:東京都渋谷区、代
表取締役:二木浩三/以下「当社」)が、マキタホーム株式会社(以下「被告会社」)に対し、当社の住
宅デザインとの類似を理由として東京地方裁判所に提起していた訴訟(以下「本件訴訟」)に関しまし
て、今般、当社勝訴の判決が言い渡されました。本判決は、住宅のデザイン模倣を認めた国内初の判
決となります。

  1. 勝訴判決を下した裁判所等
    裁判所:東京地方裁判所民事第 29 部
    提起日:2018 年 8 月 10 日
    判決日:2020 年 11 月 30 日
    事件番号:平成 30 年(ワ)第 26166 号
  2. 被告会社
    マキタホーム株式会社(本社:鳥取県鳥取市、代表取締役:牧田俊彦氏)
  3. 訴訟の概略
    本件訴訟は、被告会社が販売する建売住宅(以下「被告商品」)について、当社が BESS のブラ
    ンド名で販売している都市型スローライフ住宅「ワンダーデバイス」の意匠と類似するとして、
    被告商品の販売等の差止め及び損害賠償等を求めて 2018 年 8 月 10 日、東京地方裁判所に提起
    したものです。
アールシーコアによるプレスリリース

被告側の会社を見ましたが、まぁ、やっててもおかしくない販売構造だなと思ってしまいました。

毒を吐くなら、目先を追いかけるアホな人ほど、表面的なパクリしかしないので、パクり方が下手なんですよ。企業規模からいっても、大手相手に訴えられたら、資本力のない地方工務店には裁判が長引けば、お金の面で、不利になりますからね。

今回は外観の例で、間取りの例ではありませんが、その内、どこかから出てくるでしょう。いい加減パクってる工務店は止めましょう。一度判決事例が出たら、同じ様な案件は同じ様な判決になりますし、法と資本力を敵に回したら、工務店には勝ち目ないですよ。

昔、加盟したフランチャイズに黙って、フランチャイズのブランド名でこっそり建てて、本部と施主にバレた工務店がいた話

うろ覚えの話ですが、とある工務店の話です。

その工務店はフランチャイズに加盟しており、そのフランチャイズは、お客さんである建主に対して、設計士を派遣し、基本設計をすることで、工務店と建主から対価を得ていました。その結果、お客さんは「◯◯の家」というブランドを手に入れ、他の地域で同じ様に建てた施主と交流することもできるという仕組みです。

工務店は、その対価を支払いたくないため、フランチャイズに黙って、お客さんに対して、自社設計の家をフランチャイズが設計している「◯◯の家」と偽り真似て、契約し建てたわけです。

たしか、バレたキッカケは、その施主からの告発で、他の施主と違うみたいな違和感から、本部に問い合わせがあった流れだったかと思います。

当然、本部としては、フランチャイズ契約の解除を行いました。なんでも、その工務店の経営者親子(母と息子)が菓子折りを持って、本部まで謝りに来たようですが、門前払いになったようです。

まぁ、似たようなパクリ話など、平気な顔して権利を侵害する工務店は意外と多いです。自分が「設計」に価値を感じて対価を払わないから、「設計」に価値が生まれないのです。

工務店が意匠や間取りなど住宅デザインを他社からパクると、設計することの価値が下がっていく理由

他社のデザインをコピーすることで、設計にかかる時間やコストを節約できるかもしれません。しかし、その後に待ちかまえているのは、マイナスなことばかりです。

信用を失う

冒頭でも紹介したように、意匠権侵害は、訴訟というリスクがあります。それだけでなく、もし訴えられて敗訴した場合には、大きな金銭的損害を受ける可能性もあります。さらに、模倣が公になった時の社会的な信用の失墜は、計り知れないダメージを会社に与えます。

何より顧客は、自分だけの特別な家を望んでいます。もし模倣が発覚すれば、その顧客は裏切られたと感じ、その結果、あなたの会社の評判は地に落ち、将来のビジネスチャンスを失うことになります。一度失った信用を取り戻すには、多大な努力と時間が必要ですし、その間に競合他社に市場を奪われることもあります。

実力不足になり、対応力が低くなる

設計の工程は、単に図面を描くこと以上の意味を持ちます。それは顧客の夢や希望を具現化する芸術的なプロセスであり、地域の文化や環境に敏感に対応するための深い知識と技術が必要とされます。他社のデザインを模倣することは、この繊細な技術を無視する行為であり、工務店としての独自の対応力や解決能力を低下させることに繋がります。長期的には、自社の設計力の衰退を招き、顧客の多様なニーズに応える能力の喪失を意味します。これは、工務店の存在理由と専門性を根底から揺るがす問題です。

「ブランド」は、情報が可視化されたものにすぎない。

パクリも含め、他のブランドを借りたがる工務店は多いですが、「ブランド」なんて結局は、情報が可視化されたものにすぎません。顧客はその可視化された情報で判断しているだけです。

その辺、以下で紹介しているラーメンハゲから学んでみてください(笑)

結局、品物の良し悪し含めた、本当の素質を把握できてる人なんて、作る側も売る側も買う側も、ほとんどいないのです。

だからといって、それがダメなのではなく、自分自身も含め、世の中の大半は凡人なわけですから、一定のレベル以上の品物を、情報でコーティングをして、売っていくことが、結局のところ、凡人によるブランディングの真面目な商売方法なわけです。

そして、ブランドは、他人が作ったものに乗っかるものではなくて、自分でつくる方が何倍も得るものがありますよ。

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